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マーケティング力があれば・・・
何を、誰に、どうやって売るのかの最善の方法、それがあればうまくビジネスを成功させることができるのに。ビジネスに関わっていれば誰も一度は抱く想いですね。ネットによってB to Cのビジネスの可能性が広まった現在ではなおさらです。
そこで今回は大手広告代理店でマーケティングプランナーをしている鈴木氏(仮名)が実践している、「市場を見る力=マーケティング力」を飛躍的に高める方法を聞いてきましたのでご紹介します。
1. マイ書店を決めて通い続ける

–私は2〜3日に1回の割合で大型の書店に足を運ぶようにしています。インターネットの時代だっていうけれど、やっぱり紙の本で見るのは大事。本屋は「今」の空気感が体感できる最もお手軽な場所だと思いますよ。
日々出版される書籍には内容はもちろん、表紙のデザインやフォントなど、様々な形で時代の空気感が出ています。そこには希望もあれば絶望もあります。今の時代に何が求められていて、何が不足しているのかを直感的に感じることができる場所が書店なのだと、鈴木氏は言います。
別に買わなくたっていいんです。どんな本が人気なのかな?どんな特集が傾向として多いのかな?って気軽な気分で立ち寄る。会社の帰りでもいいですし、外回りの空き時間でもいい。これをするだけでグッと世の中が見えますから。
「そんなちょっとの時間じゃわからない。」、「読まないと分かるわけがない。」そう思うかもしれません。でもまずは本屋に行ってみて、空気感を感じてみてください。きっといろんなフレーズやイメージが浮かんでくるハズです。
2. 情報をひたすら発信する
–書店での体験に限らず、何か自分の中にインプットしたら、それをできるだけ早く言語化してみるんです。言語化するにはその対象を理解する必要がありますよね。ひょっとしたら調べ物がいるかもしれない。それもまとめてやっちゃうんですよ。
例えば書店で何かただならぬ絶望感を書籍から読み取ったとします。これがインプットです。しかしこれでは漠然としすぎて言語化できているとは言い難いですよね。
そこで家に帰って改めてその週に出版されている雑誌や本のタイトルを調べてみる。傾向を分析し、それを起承転結にまとめていくのです。すると自分の頭の中でどんどん考えが整理されていき、きちんとアウトプットできるようになります。
ネットで正しい答えを教えてもらう一番いい方法は「間違った意見を投稿すること」といわれています。これがネットの一番効率の良い使い方です。
3. 見るものすべてにツッコミを入れる
–例えばニュース番組を観てるとするじゃないですか。すると「なんでこんなにスポーツニュースばかり流すんだろう」とか「なぜ最後に動物園でアザラシの赤ちゃんが生まれたなんてニュース流すんだろう」って考えるんです。「スポーツニュースはもういいよ、チャンネル変えよう」じゃダメなんです、僕たちは。
普通の生活者の視点と、メタ視点の両方を持って生活しましょう。「メタ」とは、「高次の」「〜の後ろの」といった意味の言葉です。イチお客さんとして素直に楽しいとか、つまらないといった普通の視点や感覚が一番大切なのですが、それと同時に、物事を俯瞰で観察するという視点が大切です。
つまり誰が、一体どういう理由で、どんなことをやろうとしているのかにアンテナを張っておく必要があるということです。そのアンテナがマーケットの行く先を教えてくれるはずです。
4. スマフォの情報収集の仕方を見直す
–SNSは便利なツールですが、何を見て、何を見ないのか決めることが重要です。Twitterは情報収集用の専門家のリストをつくってそれだけをウォッチしてます。友達のつぶやきは申し訳ないですがほとんど見てません(笑)また、効率的に専門トピックの情報収集ができるカメリオというアプリは絶対使った方がいいですよ。おススメです。
ついつい多くの情報を取得すれば、感度が高くなると思いがちですが、いま、情報自体にはそんなに価値がなくなっています。自分が触れた情報をどう噛み砕いて、どのようなアウトプットにつなげていくのか、そこの編集力が問われています。
5. 人の頭を借りる
–SNSは本や新聞、テレビとは違って「双方向」のメディアですよね。僕がつぶやいたことに関して、リアルタイムでフォロワーさんからリアクションが返ってくる。これってものすごいことなのですよ。今までのマーケティングにあった「タイムラグ」がないのですから。だから疑問に思ったことはカッコつけずにSNSで聞いてみると意外な発見がありますよ。
分からないことはググれるようになったために、「知らない」ということのハードルが以前よりもあがっています。しかし自分の得意分野でないことは素直に尋ねた方が、より精度の高い知見や、経験者ならではの深い意見を聞くことができたりします。「質問力」は重要なネットのスキルなのです。
20世紀を代表する現代アーティストのアンディー・ウォーホルはとにかく人に質問しまくり、今何が流行っているの?、つぎの作品のモチーフは何がいいと思う?などと恥ずかしげもなく聞いてまわり、そのアイデアをそのまま使い作品を創っていたそうです。ウォーホルはSNS的なやり方をしていたと言っても良いかもしれません。
6. 漫画喫茶をフル活用する
–漫画喫茶ってどうやって使ってますか?最新の漫画を読むのもいいんですが、漫画喫茶でのおススメは普段読まない雑誌のまとめ読みです。3時間パックにして雑誌をなるべくたくさん猛スピードで読んでいき、気になるワードがあったらそこだけ写真をとったりメモしたりして、情報収集をしています。
現代には「今を知る」情報ツールが溢れていますが、人と違う場所からインプットするのは、人と違うアウトプットをするための近道です。
今が把握できるようになってきたら、そこからは自分の実力です。今を素材にして、未来を予測するわけです。ここまでできてはじめて「マーケティング」といえるのです。
7. 街を「定点観測」する
–ある程度栄えている街ならどこでもいいのですが、その街を「定点観測」してください。そうすると「なぜ」だろうと疑問に感じる部分がでてくるので、そこについて自分なりの推論や意見を持つことを心がけてください。
「定点観測」とは、同じ場所(定点)から継続的にある一定の視点をもって観察し、以前のものと比較してその差異を分析することです。時代の変化や移り変わりは街にも色濃く反映されます。「定点観測」することによってその変化を敏感に捉えることができるのです。
まずは書店に行くことからはじめよう
やはりマーケティングを生業にしている人は、時代を読むことに関して貪欲です。しかしこのスキルは万人に必要なものですよね。まずは今すぐ書店に行くことから、はじめてみませんか。
[文・編集] サムライト編集部