注目度No1!小泉進次郎に学ぶ人を惹きつける仕事術 

未来の総理候補か

「小泉純一郎元総理の七光り」という評価からいつしか「未来の総理候補」とまで呼ばれるようになった小泉進次郎氏。そのカリスマ性は端正な顔立ちだけから来るものではありません。同氏にはこれまで日本の政治を大きく動かしてきた政治家たちと同じ、稀代の「人たらし」の才能があり、それが人々を惹きつける大きな要因になっているのです。ここでは小泉進次郎氏の仕事術を分析することで、私たちが日常で身につけておきたい「人たらし」の技術を考察していきます。

画像出典:小泉進次郎オフィシャルサイト

さりげなく、上司を立てる

竹下登先生に「組織しながら選挙する。選挙しながら組織する」「汗は自分でかきましょう。手柄は他人にあげましょう」という名言があります。僕もそういうことができる政治家を目指しているんです

引用:PRESIDENT Online

竹下登元総理の弟・竹下亘衆議院議員が同席するある会合で、進次郎氏はこのような話をしたのだそうです。その当時亘氏は進次郎氏の青年局の上司として組織運動本部長を務めていました。自分の身内の言葉を例に挙げて、「自分もこんな風になりたい」と部下から言われれば、よっぽど身内との仲が複雑でない限り嬉しく思うのが人情。しかもあくまで亘氏を直接的に持ち上げるのではなく、間接的に立てることで「いやらしさ」を軽減しています。

末席の人物にも心配りを忘れない

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画像出典:Wikipedia

のちに触れるように進次郎氏はぶら下がり取材をとても大切にしていますが、その際に彼は記者たちの質問に対して名前を呼びながら返事をするそうです。これは大手新聞社の記者に限らず、フリーの記者に対しても同じような対応をとっているのだとか。

デール・カーネギーはその有名な著書『人を動かす』の中で「名前は、当人にとって、最も大切なひびきを持つ言葉であると言っています。人は「名前を呼ばれると嬉しい」もの。これを愚直に記者に対しても行うことで、進次郎氏は自身の敵にもなりうる相手を懐柔してしまうのです。

「礼儀正しさ」と「ウィット」を併せ持っている

これは進次郎氏の「人たらし」のテクニックの中でも最も高度な人間関係術です。彼の礼儀正しさについてはジャーナリストの秋尾沙戸子氏は進次郎氏が青年局長を務めていた2012年の12月18日のTwitterで次のように書いています。

小泉進次郎は逸材だ。腰が低く礼儀正しい上、浮つくことなく国民の欲するものを嗅ぎ取り、言葉を重んじる姿勢を評価したい。

引用:Twitter

このような評価を受けることがある反面、進次郎氏はユーモアのある言葉の使い手としても知られています。例えば2010年4月9日の衆議院・安全保障委員会の冒頭で民主党の安住淳委員長が「質疑の申し出があるので順次これを許します。小泉純一郎君」と呼んでしまい、場に笑いが生まれてしまったときのことです。これに対して進次郎氏は次のように切り返しました。

自由民主党の小泉進次郎でございます。さっそく、緊張を解いていただいて、安住委員長ありがとうございます。

このとき同氏は安全保障委員会での初めての質問だったそうで、それと絡めての切り返しでしたが、本当に緊張していればこんな言葉は出てこないでしょう。間違えた場を和ませる効果と安住委員長のフォローをまとめてやってのけたのです。

どんな時でも人の目を見て話す

進次郎氏は委員会の質問だろうと、ぶら下がり取材の最中だろうと、必ず話す相手の方に目を向けて話します。この姿勢は常にぶれることはありません。相手を見て話すと言っても、時折は目線を外すのが普通です。

しかし話している間、進次郎氏の目は相手からほとんど外れません。これは「あなたのことを見ていますよ」という相手へのメッセージに加え、交渉ごとで優位に立つための技術でもあります。

プロのファシリテーターとして、そしてナレッジサイン代表取締役として活躍する吉岡英幸氏は、「目ヂカラのある方が正義となる」と言います。人は自分に何かやましいことがあると相手から目を逸らしてしまいがち。これは逆に言えば「目を逸らさなければ何もやましいことはない」ということ。進次郎氏の目線は、誠実さと同時に力強ささえ感じさせるワザなのです。

自分のスキルを高められる場に集中する

進次郎氏はかつて、ぶら下がり取材を一時拒否した日本維新の会の橋本徹共同代表(大阪市長)に対して、こんなコメントを残しています。

私にとっては、いろいろなことを学ばせてもらう修行の場だ。これからもぶら下がってほしい

引用:産経WEST

「政治家は言葉が命」とした上で、とっさの質問に対してとっさに回答するための瞬発力を鍛える場として「ぶら下がり取材」を捉えているのだとか。同氏はこのように取材の場さえ自身の成長の糧として捉えているわけですが、その反面相手がどんなに影響力のあるベテラン記者でも個別取材には応じないという姿勢を貫いています。

ボクはこうやって集まってもらって、各社平等に質問に答えることにしているんですよ。個別での取材は一切やっていません

引用:G2

ぶら下がり取材に対して、個別取材は場合によってはあらかじめ質問が提示されていることすらあります。そこでは当然「瞬発力」は鍛えられません。自身を高められる場だけに集中し、それ以外はカットする。これはプロの仕事術として職業問わず真似をしたい処世術です。

まずは1つ、盗むところから

目上の人間を立て、末席の人にまでも気を配る。礼儀正しいかと思いきや、ふっと相手の懐に飛び込むようなジョークを飛ばす。そして何より自分の成長を追求する努力家である。「未来の総理候補」小泉進次郎氏の「人たらし」の技術を1つでも多く盗み、自分のビジネススキルとして使いこなしましょう。

[文・編集] サムライト編集部