「疑問ノート」で深掘り!池上彰さんはどのように情報を集め、整理しているのか?

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情報を制するものは人生を制す

インターネットやスマートフォン、SNSが普及し、情報化社会はますます進行中です。しかし情報が溢れかえっている今だからこそ、いかに意味のある情報を集めて整理し、仕事や人生に役立てられるかを考えなくてはなりません。そこでここでは、情報を整理し、どんな人にもわかりやすく説明する達人である池上彰さんの著書『情報を活かす力』から、池上さんの情報収集術・情報整理術を紹介します。

池上彰の「情報源」

まずは池上さんがどのような媒体から情報を収集しているのかを見ておきましょう。本書で挙げられている主な情報源を一覧にまとめ直したものが以下の表です。

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さすが元NHKの社会部記者やニュースキャスターを務めていた人だけあって、膨大な量の情報源です。しかし池上さんもこれらすべてに隅から隅まで目を通しているわけではありません。以下ではこれらの読み方と、私たち一般人でも真似をできる新聞や雑誌の買い方を解説していきます。

池上彰の「新聞の読み方・買い方」

Stack of newspapers on white wood table

●新聞は「重要なトピック」「気になる記事」だけ読む

池上さんの朝の新聞の読み方を手順に分解すると、次のようになります。

1.朝食時に「朝日新聞」「毎日新聞」「読売新聞」「日経新聞」を取り出す。
2.一面の見出しを「大きい順」に読む。
3.二面と三面を開き、どんな話題が取り上げられているかをチェックする。
4.最終面(テレビ欄)をめくって左側の社会面の見出しを読む。ここまでで約20分。

新聞は左側の奇数ページほど大きな記事を掲載し、ページの中では右上ほど大きな記事を掲載します。このルールにしたがって、各面ごとに右上から重要なトピックだけを拾い読みするのが池上さんの朝の新聞の読み方です。これによりその日のニュースをざっと把握するのです。

そして夜になるとお風呂から出て寝るまでの時間を利用して、購読している7紙すべてを取り出して、気になる記事をじっくりと読みます。朝の見出し読みで気になったトピックに絞り込むので、すぐに見つけて読むことができます。最後に「これは使えそうだな」という記事があったら、ページごと破って「切り抜き置き場」に重ねます。ここまでで池上さんの新聞からの情報収集は一旦終了です。

●気になるトピックは「ニュースの疑問ノート」で深掘りする

池上さんの新聞からの情報収集の基本は「併読」です。これにより多角的な視点でニュースを把握できるため、より客観的な理解が可能になります。

しかしただ新聞で情報を追っているだけでは、情報通にはなれても自分なりの考え方や伝え方ができるようにはなりません。情報から自分の意見を構築する練習をしたければ、「ニュースの疑問ノート」を作成してみましょう。

まずはノートの左側にニュースの概要をメモしておき、右側には「だから何なんだろう?」「どんな意味があるの?」といった疑問を書きます。そのあと他のニュースで関連する情報や視点を見つけたり、自分なりに考えたことや調べたことがあったりすれば、それを疑問の下に書いていきます。

これを繰り返していけば、特定のトピックについてしっかりと自分の意見を持てるようになるでしょう。このように新聞の情報を単なる情報で置いておかないことが、新聞による情報収集を楽しみながら続けるコツです。

池上彰の「雑誌の読み方・買い方」

Magazines on the wooden table

●買った雑誌は「徹底的に」読む!

続いて池上さんの雑誌の読み方と買い方を紹介します。池上さんは購読したり、購入したりした週刊経済誌や月刊誌などの雑誌を徹底的に活用するそうです。

例えばあるトピックについて自分がすでに持っている視点と、経済専門誌の分析の仕方を比べ、自分の考え方のブラッシュアップに利用したり、「これは面白い」と感じた特集はページごと切り取って「切り抜き置き場」に保管したりします。役立つ記事の方が多い雑誌に関しては不要な記事や広告だけを切り取って保管する場合もあるそうです。

ただし英字週刊誌だけは別。アメリカの『タイム』とイギリスの『エコノミスト』は購読しているものの、しっかり読み込むだけの英語力は池上さんにもないのだとか。ではなぜ購読しているのかと言えば「購読しているだけで意味がある」から。

池上さんは両誌の表紙のヴィジュアルを見比べて、重要なトピックをどのような視点で視覚化するかの参考にしているのです。もちろん記事を読むときもありますが、中身をざっと理解できる程度の流し読みにとどめています。

●月刊誌を買う基準は「気になる特集・記事が2つ以上」

池上さんは購読している『FACTA』と『選択』以外に月刊誌を買うときは「気になる特集・記事が2つ以上」を基準に買うかどうかを決めるそうです。もちろんこれは自分の情報収集の意味合いもありますが、何よりも実力のあるライターが力を込めて書いた記事に報いたいという意味合いもあります。

この辺りは元社会部記者らしい考え方ですね。一方週刊の経済専門誌に関しては購読している雑誌以外は「どの雑誌の特集が面白そうかどうか」で決めるそうです。比較するときは新聞の広告欄や電車の中吊り広告を利用します。

「新聞を併読したうえで雑誌なんて、頭がパンクしそう」と思うかもしれません。しかし新聞で大まかな情報を集めていれば、雑誌を読んだ時にはある程度自分の頭の中で考えがまとまっています。あとは雑誌でそれを修正したり、深めたりするだけなので、何もない状態で読むよりもよっぽど面白く読めるはずです。

池上彰の「情報整理術」

池上さんの情報整理術のカギになるのはここまで何度か出てきた「切り抜き置き場」です。池上さんは日々のニュースの価値は一定期間経ってからわかるのだと言います。

そのため切り抜き置き場に保管しておいた記事を半月もしくは一ヶ月ほど経ってから読み直し、その時点で後々展開していくほどの価値のあるニュースだったかを確かめます。この段階になるまで切り抜き置き場の記事は一切分類しません。

改めて読み直してもなお価値のある記事だと判断して初めて、カテゴリ別にファイリングしてきます。基本となるカテゴリは「政治」「経済」「国際」「文化」などの大きい区分です。

これらのカテゴリのファイルがいっぱいになってきたら、その中でより細かくカテゴリ分けしていき、新たなファイルを増やしていきます。これらのファイルにはラベリングはせず、クリアファイルにして記事の見出しを見ればカテゴリがわかるようにしておきます。

一見地道な作業ですが、この作業の中に「選ぶ」「並べる」の2つの作業を加えると、楽しく続けることができます。例えば「日本経済の先行き」というテーマを設けて、現時点でこれを説明するために必要な記事をファイリングしたものの中から選びます。さらに選んだ記事をどの順番に説明すればわかりやすいかを考えて並べるのです。

これはまさに「編集」です。情報の選び方と並べ方を考え抜くと、それだけ編集力がつき、自分独自の考え方や切り口の引き出しが増えていきます。すると記事を集めたり、整理するのが楽しくなり、継続につながるというわけです。

情報は「きっかけ」になる

池上さんにとっては「情報」こそが仕事の種です。そのため一般的な仕事をしている人が池上さん並の情報収集をする必要はないかもしれません。しかし一定程度の情報収集と情報整理をしておけば、ビジネスや人間関係、あるいは転職などの「きっかけ」になります。

きっかけの数は収集・整理している情報の量に比例します。何かしらのきっかけを手に入れたいという人は、池上さんの方法を参考にして、自分なりの情報収集・情報整理スタイルを身につけていきましょう。

参考文献『情報を活かす力』
Career Supli
やはり紙からのインプットも重要ですね。ネットとアナログを効果的に使い分ける必要がありそうです。
[文]鈴木 直人 [編集]サムライト編集部

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