Contents
- アイデアのつくり方には方法論がある
- 鉄板のアイデア本を15冊紹介
- 1. 『アイデアのつくり方』 ジェームス W.ヤング
- 2. 『スウェーデン式 アイデア・ブック』フレドリック・ヘレーン
- 3.『考具』加藤 昌治
- 4.『創刊男の仕事術』くらた まなぶ
- 5.『はじめての編集』菅付雅信
- 6.『インターネット的』糸井重里
- 7.『なんとなく企画クリエイティブの仕事をしたいと思っている人のなんとなくをなんとなくじゃなくする本』福田 敏也
- 8.『コミュニケーションをデザインするための本』 岸 勇希
- 9.『クリエイティブマインドセット』デイヴィッド ケリー、トム ケリー
- 10.『嶋浩一郎の アイデアのつくり方』嶋浩一郎
- 11.『アイデアのちから』チップ ハース
- 12.『表現の技術』高崎 卓馬
- 13.『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか』森岡 毅
- 14. 『ザ・コピーライティング』ジョン・ケープルズ (著), 神田 昌典
- 15. 『問題解決ラボ』佐藤 オオキ
- オリジナルの方法論を確立しよう
アイデアのつくり方には方法論がある
先日アップした記事でアイデアのつくり方には方法論があり、それを学ぶことが大切だというお話をしました。ただ実際に書店に行くとアイデア関連の本がたくさんあり過ぎて、どれを選べばいいのかわからないと思います。
そこで実際に筆者が自分で購入して、これは間違いない!と自信を持って紹介できる鉄板のアイデア本を15冊紹介します。企画の直接的な発想法、視点を変えることの重要性を説くもの、企画のプロセスを紹介しているものなど角度は様々ですが、どれも刺激をもらえる本ばかり。ぜひ参考にしてください。
鉄板のアイデア本を15冊紹介
1. 『アイデアのつくり方』 ジェームス W.ヤング

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アイデア本といえば、必ず一番はじめに名前があがる定番中の定番。この本の原著が出たのは1940年。まずコレは押さえておきましょう。この本ですでに「企画は組み合わせである」ということがはっきりと明言されています。1時間もかからずに読めるので、はじめの1冊としてオススメ。大手広告代理店では入社初日にこの本が配られたこともあるそうです。
アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない。
2. 『スウェーデン式 アイデア・ブック』フレドリック・ヘレーン

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アイデアを思いつくためのキッカケとなる項目が30掲載されています。かわいいイラストでページをめくっているだけでもクリエイティビティを刺激されます。アインシュタイン、レオナルド・ダ・ヴィンチ、シェークスピア、ジョン・ケージなど引用している人のセレクトも素敵。煮詰まった時に読むと必ずヒントがあります。大御所のマーケッターもオススメの1冊として紹介していました。
レンガ1個の使いみちを15分で50通り考えてみてください。生産性向上や新製品のアイデアを考えるよりは簡単なはず。常識にとらわれない人がだれかがわかります。
3.『考具』加藤 昌治

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ベストセラーになり、日本のアイデア本の中でもっとも有名な本といっても良いでしょう。アイデアを出すための実践的なノウハウが詰まっています。シンプルで使いやすい良書。この本で、意識の持ち方次第で、これまで見落としていたものが浮かび上がってくる「カラーバス効果」を知った人も多いハズ。9個の正方形をならべて真ん中にテーマを書いてアイデアを広げていく「マンダラート」は使えます。
4.『創刊男の仕事術』くらた まなぶ

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リクルートで「とらばーゆ」、「フロム・エー」、「じゃらん」など、数多くのメディアの立ちあげをやられた伝説の人物、くらた まなぶさんの著書。筆者が企画を始めた当初、この本に書かれていることをそのままマネしてメディアを立ち上げた経験がありますが、なんとかなってしまったぐらい実践的な内容です。
ターゲットユーザーになりきって思考するイタコ企画術や、楽しくワクワクするブレストをやった後に、人格を変えて超現実的なロジック人間になり企画の詳細を詰めていく方法など、すぐに使えるやり方だらけ。新人の教科書としてもバッチリです。企画愛にあふれた一冊。
5.『はじめての編集』菅付雅信

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編集者の菅付さんによる編集の基本をまとめた著書。編集について学べる著書で、この本以上に良い本はありません。企画する際に役立つトピックが満載。
特にデザインに関する章の「デザインとはきまりをつくること」、「斬新なきまりをつくる」などデザインに関する項目を読んでいるうちに企画を発展させるヒントが見つかることが多々あります。WEB関連の仕事をやっている人は、雑誌の基本的な編集ルールを学ぶ機会はあまりないと思います。知ってそうで知らないことがたくさんあるので、是非読んで欲しいです。
6.『インターネット的』糸井重里
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2001年にインターネット登場後の世界について考察したものだが、今読んでもまったく古びておらず、ネットの本質を見事に捉えた1冊。「それって本当?」と問いかけてくる鋭い内容だらけで、本書を読みながら糸井さんだったら、自分の企画にどんなダメ出しをしてくれるだろうかと考えながら読むのが良いでしょう。糸井さんの世の中を見通す力というのは、日本のクリエイターの中でも頭一つ飛び抜けていると思います。
これからの知性の仕事というのは、脳的な知性だけではなく、それ以外の感覚の可能性を探る必要があるのだと思います。そこが整理できない部分でもあるわけです。脳だけで考えると、ぜんぶ、言葉に直せるはずだ、というふうになってしまいます。これでは、感動というようなものにたどり着かないのです。
7.『なんとなく企画クリエイティブの仕事をしたいと思っている人のなんとなくをなんとなくじゃなくする本』福田 敏也
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企画マンの成長に合わせて考えるべきこと、ぶつかる壁の超え方を丁寧に解説しています。武蔵美や多摩美、宣伝会議など数多くの場所で企画についての講義をしている著者が書いているだけあり、このまま企画の教科書として使える丁寧な技術本。プランナーとしてスタートしたばかりの頃に是非読みたかった1冊。もちろん10年選手が読んでもたくさんの気づきがあります。
8.『コミュニケーションをデザインするための本』 岸 勇希
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トヨタ自動車の「AQUA」や「MIRAI」の広告キャンペーンを手掛ける電通のクリエーティブ・ディレクター 岸 勇希さんの著書です。個人的に一番尊敬しているクリエイターです。競合プレゼンテーションでは、6年間も負けていないそうです。
「考えている量が圧倒的に多いから負けないんだと思います。大きい案件であれば、チームでのブレストは100時間以上が当たり前です。その中でも、私が一番考えているという自信があります。考える量は裏切りません。それは仕事をしながら気づいたことです。センスも才能も関係ないと思います。圧倒的な思考量です」
出典:朝日新聞社広告局ウェブサイト
そんな岸さんがコミュニケーションデザインについて自分が携わった事例をもちいながら、その思考プロセスを詳しく説明しています。一家に1冊おいておきたい本です。最新版の登場を熱望しています。
9.『クリエイティブマインドセット』デイヴィッド ケリー、トム ケリー
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世界最高のデザイン会社IDEOと、スタンフォードdスクールの創設者が「誰でもクリエイティブになれる方法」を伝授した貴重な内容です。すぐに取り入れることができる具体的な方法が数多く示されているので、絶対に実践したくなります。早い段階で手を動かしてプロトタイプをつくることの重要性がよくわかります。
本書で紹介されているクリエイティブな力を伸ばすために日頃から心がけたい方法は以下の様なものがあります。
2. 旅行者のように考える
3. 「リラックスした注意」を払う
4. エンドユーザーに共感する
5. 現場に行って観察する
6. 「なぜ」で始まる質問をする
7. 問題の枠組みを捉え直す
8. 心を許せる仲間のネットワークを築く
10.『嶋浩一郎の アイデアのつくり方』嶋浩一郎

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アイデアのタネをどのようにストックしていくかという方法論について書かれた本です。アイデアは整理すると腐るという指摘に衝撃を受けました。寄藤文平さんのイラストが可愛くて、この本自体にとても愛着が持てます。この本を読んで以来、モレスキンを愛用しています。
新しいパラダイムやアイデアが熱望される今の時代、必要なことは今までの情報の整理の既成概念を一切とっぱらってガラガラポンで片付けをやめ、情報のカオス状態をつくることなんじゃないでしょうか。
11.『アイデアのちから』チップ ハース

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どうやったら人の記憶に残るものがつくれるのかに焦点をあてて書かれた本です。この本のポイントを押さえた企画をつくると、それだけでかなり強い企画ができます。よくこの本を開きながら提案書をつくっていました。
記憶に焼き付くアイデアの6原則
2. 意外性がある(Unexpected)
3. 具体的である(Concrete)
4. 信頼性がある(Credible)
5. 感情に訴える(Emotional)
6. 物語性(Story)
12.『表現の技術』高崎 卓馬

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電通のクリエイティブ・ディレクター高崎さんの本です。映像の見せ方の話が中心ですが、企画に取り組むストイックで真摯な姿勢が伝わってくる内容で、背筋が伸びます。2020年の東京オリンピックを日本が勝ち取ることができたのは高崎さんの力が大きいのではないかと思います。
人が人に何かを伝え、何かを残す。そしてそれだけをひたすら追求すると、「探してでも見たい」「教えたくなる」コンテンツとして魅力が生まれる。人生をきちんと削って、なにをどう言うかに真剣に向き合って嘘をひとつも許さずにつくったものには、それだけの魅力が生まれる。それだけのことだった。
13.『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか』森岡 毅
あまり冴えなかったUSJが、マーケティングの責任者に就任した森岡さんの数々の企画によって見事に復活しました。日本を代表する天才マーケッターだと思いますが、本人はご自分のことをクリエイティブな右脳人間ではなく、「数字だらけの四角い頭」を持った人間だと思っているそうです。
そんな森岡さんの発想プロセスや企画方法をまとめた本書は必読。映画専門のテーマパークだったUSJのブランディングを否定して、より多くの人に来てもらえるようなエンターテイメントのセレクトショップというコンセプトに転換した判断力と勇気に脱帽です。さらに入社3年で企画したプロジェクトを100%ヒットさせた並外れた企画力、そして本書執筆時点ではまだオープンしていませんが、その後オープンしたハリーポッターのアトラクションも大ヒット。マーケッターには100%おススメできます。
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14. 『ザ・コピーライティング』ジョン・ケープルズ (著), 神田 昌典
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コピーライティングのバイブルで、実際に効果のあったコピーの事例が詰まっています。リアルに商品が売れたコピーの事例を見ていると人間の本質がいろいろと見えてきて、企画にも、とても役立ちます。時代を経ても人間の本質は変わらないのです。3,000円以上する本ですが買っても絶対に損はしません。
15. 『問題解決ラボ』佐藤 オオキ
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世界中から引っ張りだこで、300超の案件を同時進行で解決しつづけるデザイナーが明かす「すでにそこにある答え」に気づくための「正しい問い」の見つけ方。その視点はなかった!という見方がたくさんあります。仕事以外で考えることを少なくするため、毎日決まったお店でお蕎麦を食べているそうです。
オリジナルの方法論を確立しよう
今回紹介した15冊は本気でどれもオススメです。今回は紹介できなかったのですが、
『すべての仕事はクリエイティブディレクションである』、『ニッポンの風景をつくりなおせ―一次産業×デザイン=風景』、『神話の力』、『ピクサー流 創造するちから―小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法』、『MEDIA MAKERS』などまだまだ紹介できていない名著がたくさんあります。いろいろな企画の方法論を学び、自分のオリジナル方法論を確立してください。
