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良いフィードバック、できていますか?
会社で部下を持つと、フィードバックをする機会というのが必ず訪れます。企業や個人が成長するために最も重要なものであるフィードバックを、自分がやるからこそより質の良いものにし、後輩の育成に役立ててみませんか。
今回は、これを身につければ誰でも最高のフィードバックができる、13の法則をご紹介します!
できる上司が実践する最高のフィードバック13ヶ条

1. フィードバックは即座に!
多くのリーダーがやってしまいがちなことの一つで、「即座にフィードバックをしない」ということがあります。部下を長いこと放置し、年次評価などでダメなところを羅列し、ばっさりと切り捨ててしまう。そんなことをされては、モチベーションもだだ下がりです。
部下の進捗は定期的にチェックし、常にフォローしていきましょう。フィードバックのスケジュールを組むことも効果的です。フィードバックの際に、毎回小さな成功や勝利を用意してあげることも、部下のモチベーション向上に繋がります。
2. 目標に対する現在地を教える
例えば、「売り上げ目標1000万円に対し、あなたは今650万円だね」などと、目標に対してどの立ち位置にいるかを明確に示してあげます。
そうすることで自らの課題が明確になり、次の目標の目処も立ってきます。そのための道しるべを作ってあげることが大切です。
3. 失敗より先に、まずは成功を探す
間違ったことをやっていたら正すべきですが、基本的には、まずは成功点を探しましょう。
人間は、褒められるだけで生産性が上がるものです。知識労働者にとってはモチベーションが非常に重要になってくるので、良い点は積極的にピックアップしていきましょう。
4. 問題点を明確に提示する
「ネガティブなアドバイスはよい意見の間に挟め」「励ましと同時にフィードバックするべき」などというアドバイスはよくありますが、フィードバックは濁したりせず、直接的に行うべきです。
おそらく、自分が「ここは違う、何か物足りない」と感じていることは、部下もそう感じています。そこは丁寧に指摘し、相手が直面している問題を明確に提示しましょう。確かな信頼関係が築けていれば、部下もきっとそれに応えてくれるはずです。
5. 「行動」をフィードバックせよ!
フィードバックの対象を、本人の人格にしてはいけません。対象は、あくまでも行動。偏見やイメージ、噂話に基づいてしまうことなど言語道断です。
例えば、「きみは仕事の質にこだわっていない」とただ言うのではなく、具体的にどの行動を直せば、仕事内容の向上に繋がるのかを示すべきです。一般的な感覚だけで指摘をしても、相手はどう修正したらいいのかわかりません。
6. 達成すべきものを描く
人は、達成すべきものの可能性に近づいた時に力を発揮します。企業が目標やミッションを掲げるように、個人にも達成すべき目標を定めさせましょう。
例えば、それは月ごとの目標でも構いません。プロジェクトの成功や、今より一つ上の段階まで仕事の幅を増やすなど、方法は様々です。小さい目標と同時に、少し大きい目標を定めることで、部下が進む方向も見えてきます。
7. 自身に行動を決めさせる
問題点を解決させるためには、どう行動すればいいかを部下自身に考えさせます。
「この業務をもっと効率的に行うには、どうすればいいと思う?」とオープンクエスチョンの形で自発性を促し、部下自身が「自分で考えた」という感覚を持たせてあげることが重要です。自分で決めたことなら、言われたことよりも上手く行動に移せます。
8. 解決方法に合意する
考えた解決法には、きちんと合意を示しましょう。「では、これをやるということで良いですね?」に対して「はい、分かりました」という返事があれば記録しておき、次回のフィードバックの際に進捗状況を確認します。
目標を決めたら、その行動を決めさせ、合意する。これが、小さな成功を積み重ねるために必要なルーティンです。
確かな信頼関係を築くために行うべきこと

9. 相手の才能を買っており、心から信頼していることを示す
どんなフィードバックでも真剣に受け入れてもらうためには、早期での信頼関係の構築が重要となってきます。
「私はあなたが持っている経験や才能を見て雇うことを決めたから、あなたに潜在的な能力があり、賢く働き者であることを知っている」というように、相手が結果を出す素質を持っていると信じていることを示すことが、信頼関係を築き、よい関係で仕事をスタートさせるために有効です。
従業員にとっては、上司が自分の才能を思い出させてくれ、かつそれを上司が信じてくれているということが、何よりも心の支えになります。
10. 会議は平等に行う
ミーティングや企画会議に積極的に参加してもらうため、まずはその指標を平等なものに定める必要があります。
「最高のアイデアが勝つ」そう定めておけば、メンバー全員を平等に扱うことができますし、上司が自分の頑張りを真剣に受け取ってくれるからこそ、若いメンバーから素晴らしいアイディアを引き出すことができます。これは、若くてやる気のある従業員にとっては高いモチベーションに繋がります。
11. 部下に責任を負わせない
ネガティブなフィードバックを受け取った時、人は言い訳をしたり、反発したりするかもしれません。もし言い訳をさせてしまったら、指導なしで彼らが変化するか見ましょう。そして、もし従業員たちが本当に努力しようとしているなら丁寧に方向性を示しましょう。
仕事に対して言い訳をしたり、反発するのは、もしかしたら自分の指導の仕方が悪いせいかもしれません。責めたり、人間性を否定することは絶対にやめましょう。
12. ネガティブな時は要注意
部下が不安を感じていたり、ネガティブな感情に追われている時に批判をすることは、大変危険です。振り子のように、導くべき方向とは反対方向に進んでしまう可能性もあります。
批判された従業員は突然今まで以上にバリバリと働き出すかもしれませんが、それは目的とはズレたところに力を注いでいることと同じことかもしれません。「もっと集中して仕事をしろ」と言うことで、その1点のみに集中してしまい、他のことがおろそかになってしまうというパターンもあります。
成果の見込めない仕事にエネルギーを注いでしまう恐れのあることは、伝えるタイミングを測りましょう。
13. 言い回しにも気を付けましょう
基本的なことですが、言葉には注意してフィードバックを行いましょう。それがよいフィードバックを生み出す第一条件です。
仲の良いメンバーであれば、「この案はないな」「最低の案だ」などという言葉も飛び交うかもしれませんが、もし何も知らない状態でそれを聞いたらきっと打ちのめされてしまいます。自分が伝えたい言葉はもう一度考え直し、相手に対して過剰に響いたり、個人的な批判に受け取られないかをよく確かめてみましょう。彼らがベストを尽くせるような言い回しができるのが、一番です。
フィードバックは、愛を持って誠実に

まずは、どんなフィードバックをしても素直に受け入れてくれるような人間関係を築くことから始めましょう。チームとして前進していくためにも、とても大切なことです。どれだけ部下の主体性を引き出せるかも、大きな鍵となってきます。
そして、何よりも大切なことは、部下やメンバーの成長を心から願うことです。部下のためになるフィードバックを見につけて、より良いチームを作っていきたいですね。
[文・編集] サムライト編集部