ライバルをねじ伏せるための6つの「反論術」

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全部言い返す必要はない

会議での議論やプレゼンでの質問、恋人や友人からの詰問など私たちの人生には「反論しなければならない状況」がたくさんあります。しかしそういうときに限って言葉が出てこず、相手に言いくるめられたという経験を持っている人も多いはず。

そういう人はまず「全部いい返さなくてはいけない!」という思い込みを捨て去りましょう。「反論」とはなにも、言い返すことではないのです。以下では有利に状況を進めるための6つの反論術をお教えします。

話の内容を図に描いてもらう

話の内容を図にするには、本人に体系的な理解が必要です。しかしこちらに話す隙も与えずにまくし立てる人に限って、勢いだけで理屈が通っていない場合が多いのです。

そこで一言「すみません、自分には話が難しいので図に描いてもらっていいでしょうか」と言えば、相手も引っ込みがつかなくなります。

そこで図に描けなければそのまま自滅してくれますし、もし描けたとしても図を描いているうちは自分のシンキングタイムに使えます。

相手の図を見ながら話を整理し、次にどう返すべきかを考える時間に使いましょう。反論したいときにできないのは、「今すぐいい返さなきゃ!」という焦りが大きな原因です。

反論術の基本は「まず考える時間を確保すること」。これさえできれば反論する能力が大幅にアップするはずです。

言葉の定義をしてもらう

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「申し訳ありません。まず○○という言葉の定義を聞かせてください。こちらと認識のズレがあるかもしれません」

これも考える時間を確保するための有効な方法です。ビジネスシーンであれば「顧客」や「利益」、恋人が相手なら「大切にする」など、世の中には定義が曖昧なまま議論が進行する言葉がたくさんあります。

しかしそのままでは決して相手の意見を正確に把握することはできません。にもかかわらず相手が「○○についてどう思いますか?」とその言葉を使うとしたら、それはもしかすると相手も定義を理解していない可能性があります。

そのようなケースでは素直に「わからないから教えてくれ」と言えばいいのです。うまく定義ができれば議論が正しく前に進みますし、相手が考え込むようならこちらの考える時間も確保できます。「きっと相手はこういう意味で使っているんだろう」と自分の中で解決しないように注意しましょう。

答えを濁して様子を見る

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1.相手の意見ではなく、熱意や努力を褒める。

例:「すごいですね。よくそこまで情報をまとめられましたね」

2.即答しない。

例:「詳細がわからないから、なんとも言えないね」

3.話の内容を確認する。

例:「申し訳ありません、もう一度お願いできるでしょうか」

考える時間を確保する一番直接的な方法は「答えを濁す」です。1は本題とは違うところに話題を持って行き、暗に「熱意や努力だけじゃ困るんだ」と相手に反論することもできます。

2は全体の状況がつかめていないにもかかわらず、相手が詰め寄ってきたときに効果的な方法です。3は本当に話や質問の内容がわからない場合はもちろん、相手が早口や大声でまくしたててきたときに自分の頭を冷静にする方法としても有効です。

また言葉を発するだけが反論ではありません。相手があまりにとんちんかんな話をし始めたら黙っておくのも1つです。むやみに相手を否定しても、双方が気分を害するだけ。それなら静かに別のことを考えるなどして、やりすごしましょう。

争点を自分から設定してしまう

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反論術では「議論を自分の都合の良いように進めること」も重要です。その方法の1つが、議論の争点(問題点)を自分から設定してしまうという方法です。議論をしていれば1つや2つでは収まらない、多くの争点が生まれます。

その中には「これ以上突き詰められると自分が不利になる」というものもあるでしょう。有利に状況を進めるためには、その争点から議論をずらす必要があります。そこで次のセリフの出番です。

「なるほど。ではこの場合の争点は○○ということですね。これについて何か意見がある方はいますか?」
「つまり問題なのは○○ですね。これについての私の意見は……」

もし可能であればここで取り上げる争点は、突き詰めるほど自分に有利に働くものを選びます。やや難易度の高い方法ですが、場を有利に進めるためには効果的な反論術です。

相手の意見の全体を受け止めてから一部を否定する

もうすこしアグレッシブな反論がしたいという人には、相手の意見を概ね認めてから一部分を否定するという方法もあります。

プロジェクトリーダー:「競合との価格競争には乗らない。我が社はラグジュアリー志向でいくぞ!」
自分:「その通りです!価格競争には乗らないほうが良いですよね。でもラグジュアリー志向では既存客が離れてしまう可能性があります。なぜなら……」

まず相手を肯定し、そのあとで自分の意見を話す。この方法を心理学では「イエスバット法」と呼びます。一度自分が認められたあとなので相手は反論がしづらくなり、結果的にこちらが提示した修正点を受け入れる可能性が高くなります。

「言いくるめられたくない」というよりは「言いくるめたい」人が身につけておきたい方法です。

反論のための証拠の示し方

言いくるめようとする相手をかわすだけではなく、こちらも一矢報いたいという場合はこちらも相応の「武器」を持っていなくてはなりません。議論における強力な武器、それは「証拠」です。

・「正確な」数字
・「新しい」統計データ
・「相手の立場に立った」具体例
・「信頼の置ける」専門家の意見

これらは議論のときに武器となる根拠の例です。単なる数字ではなく、「正確な」数字としたのは大雑把な数字を提示しても、それが有力な証拠にはならないからです。

古い統計データや、相手に響かない具体例、評判の良くない専門家の意見なども同じ。相手に反論してねじ伏せるための根拠としては使えません。むしろ「この統計データ、古いんじゃないの?」とこちらの弱みになる危険すらあるので注意しましょう。

使いすぎにご注意を!

ここまで6つの反論術を紹介してきましたが、これらの方法をやたらに使ってしまうといたずらに敵を増やすことになります。「この人いつも『図を描いてくれ』って言うんだよなあ」と思われて嫌がられては、元も子もありません。

あくまでも自分や誰かの立場を守ったり、どうしても通したい主張があるときなど、ここぞというタイミングで使うようにしましょう。

参考文献『弁護士だけが知っている 反論する技術』
Career Supli
テクニックや技術はもちろん大切ですが、一番重要なのは議論や交渉する相手の感情を大切にすることです。感情を逆なでしてしまうと、決まるものも決まらなくなってしまいます。
[文]鈴木 直人 [編集]サムライト編集部

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