上司は永久にタダ!
上司と合わない…よく聞く悩みですね。気分屋だったり、言うことがコロコロ変わったり振り回されている人も多いのではないでしょうか?職場の人間関係で悩みがある人は、全体の61.2%の人が悩み、そのうちの51.8%が上司のことで悩んでいるようです。
しかし、上司は長く職場にいる分、あなたより多くの経験や人脈を持っています。最近は上手に上司を操縦することで仕事の能率や、職場環境を大きく向上させるための「ボスマネジメント」という言葉も出てきて、上司に対する考え方が変わってきています。
「上司を操縦」と聞くと、上司が巨大ロボットでもない限り難しいような気がしますね。自分の上司をマネジメントなんてできないし、頑固で分からず屋だから操縦するなんて無理!なんて匙を投げないでください。
上司が普通の人間でも上手に操縦している部下はたくさんいます。上司をうまく操縦している人は、上司の経験や人脈をタダで引き出し放題している上に、ケチなはずの上司にご飯まで奢ってもらっています。
難しいように感じていてもきっと大丈夫です。あなたの可愛がっている犬や猫をしつけるよりも、人間同士で言葉が通じる分、コツを掴めば簡単なはずです。あなたも上司を操縦して、今よりも快適な勤務時間を過ごしましょう。
上司は敵じゃない

上司ももちろんあなたと同じように働いていますし、上司にも上司がいます。上司の方が経験が多いだけであなたと同じです。同じ職場で働く、関わる事の多い人間なのに苦手意識があるなんてやりづらいことこの上ないですよね。
上司にストレスがたまりすぎて、「上司の仕事は自分を叱ることなんじゃないか?」なんて考えてませんか?あなたの上司が指導下手、怒りっぽい、部下を放っておくなどあまり良い上司じゃないならそれはまだ貴方が上司を敵とみなして、操縦どころか健全なコミュニケーションすら出来ない、敵だと思い込んでいるからかもしれません。
上司を操縦する上では、敵ではなく同じ仕事をする仲間であると認識することが第一歩。仕事・プライベートの両方で分かち合える唯一無二の親友になる必要はなく、あくまでも仕事上の「仲間」です。それくらいなら譲歩してもいいのではないでしょうか?
上司を敵だと感じていたのは、あなたが勝手に理想の上司像を作り上げ実際の上司と比べていたからです。しかし上司も生身の人間です。敵ではなく仲間として受け入れ、上司を操縦する訓練を積んだ方が建設的です。
上司の将来の夢を聞き出せ

あなたは自分の上司について何を知っていますか?出身地、部活動、どんな幼少期を過ごしたか、大学時代のサークル、初恋、好きな作家、家族構成・・・、どこまで把握していますか?上司は仲間であると同時にあなたの一番近くにいるお客さんです。
お客さんの趣味嗜好、考え方、価値観、目標、すべてを把握してください。情報を制するものがどんな世界でも優位に立つのです。
話の長い上司の場合も、簡潔すぎる上司の場合も、話を「聴くこと」「訊くこと」が重要です。上司の話が長すぎても短すぎても、注意して「聴き」、自分のターンが来た時に「何を訊くか」を常に準備しておきましょう。
自分の話を真剣に聞く人を嫌いになる人はいません。聞くことで情報を得られるだけでなく、同時に信頼を構築することができます。さらに、あなたが的確な質問を良いタイミングで投げかけることで、上司の会話スキルもどんどん改善されていくので、会話のキャッチボールがしやすくなります。
上司のタイプを見極めろ
逆にあなたの方から上司に伝えるべき事がある時はどうしたらいいのでしょうか?新入社員の頃に「報告・連絡・相談」通称ホウレンソウと指導されますね。これが的を得ないととても面倒です。あなたが上司の長く的を得ない話が嫌いなように、上司もあなたの長く的を得ない話が嫌いです。
これを前提とした上で、上司がどんなタイプか見極めましょう。細かい途中経過の報告を望むタイプなのか、それとも、あまり細かく相談されることを望まないタイプなのかを見極めましょう。
あなたの上司がその上の上司に対してどのように「報告・連絡・相談」をしているのかよく観察してください。そしてそのやり方をそのままマネてみてください。きっとコイツはわかっているなと思われるハズです。
上司に提案しよう

あなたが企画において上司のアイディアよりも良い方法を思いついたとします。しかしどんなに良いアイディアだったとしても、言うタイミングや上司のプライドなど様々な障壁があります。それらを乗り越え、上司の協力を得ながらあなたの素晴らしい提案を実現するにはどうしたらいいのでしょうか?
自分のアイディアを提案する時には、上司のアイディアを否定せず、受け入れた上でプレゼンをしましょう。「xxがダメ」という言い方ではなく「xxは◯◯の方が良くなると思います」というように否定ではなく改善の形をとりながら、徐々に上司のアイディアを自分のアイディアで浸食していくのです。
こうすることで上司は自分の案がいつの間にか消えているとは思わず、「部下のアイディアを取り入れた」もしくは「部下と一緒に作った」と考えます。
あなたが上司操縦の腕に覚えがあるなら、企画の肝を上司に言わせるように誘導してみましょう。悩むふりをしながらヒントを出すなど繊細な操縦テクニックが必要ですが、思い通りの事を上司が口にした時には痛快です。
肝を上司に言わせたことにより、企画がうまく実現した時に「◯◯さんのおかげで良いものができました!」と言えるため、上司は自分の指導力に自信を持つことができます。
あなたが操縦したとおりの方法で上司が自信を持てば、これからもあなたに改善案を求めるようになるでしょう。
上司の人脈を使おう

仕事をする上でどうしても自分以外の発想や知恵が必要になることがあります。そんな時には誰かに頼れば仕事がスムーズになりますよね。しかし自分の周りにはそんな人が見当たらない時には上司に尋ねてみましょう。
きっと上司も嫌な顔はしないはずです。部下の知らない有能な人を知っていて、かつそれを紹介することができるというのは上司の自尊心をくすぐるものなのです。
もし上司が良い人脈を持っているなら、上手に振舞って紹介してもらった人に気に入られましょう。あなたの印象が良いことで上司の株があがります。すると、労せず「できる上司」と思われる快感の中毒となった上司は、あなたが申し出ずともどんどん人脈を分け与えるようになるでしょう。
その際、途中経過を逐一報告してください。これは他人の人脈を使わせてもらう時に絶対忘れてはいけないルールです。そこだけキッチリおさえておけば大丈夫です。
人脈とはひとつの道具です。上司はあなたよりもたくさんの道具をもっているはずですから、上司の操縦の腕を磨いて、フル活用しましょう。
上司に守ってもらおう
あなたの上司はあなたの失敗をフォローしてくれたり、困ってる時の要請に応えてくれますか?
もし守ってくれなかったとしても、頼りにならないやつだとバカにしたり腐ってはいけません。あなたを守ってくれる余裕がないのには事情があるのです。
そんな時こそ、上司がどんな状況に置かれているのかよく観察しましょう。上司が困っているようだったらあなたが逆にサポートすればいいのです。お互い辛い状況に置かれた中であなたが上司をサポートすれば、連体感が生まれ上司にも余裕ができるはずです。
また、辛い時に助けられると報いたくなるのが人間というもので、次にあなたが助けを必要としている時にきっと上司は多少厳しい状況でも身を削ってくれるでしょう。
1助けて2助けてもらえれば上司の操縦はもう初心者マーク卒業ですね。
上司の手入れをしよう

あなたの上司操縦の腕がどれだけ素晴らしいものになったとしても、結局世話を焼いてくれているのは上司なのです。知識や人脈をいくら拝借しても経験だけは上司には追いつけません。
上手に上司を操縦して、思い通りに動いてくれた時には自然と感謝の言葉が出るでしょうが、あなたの操縦外の上司の行動で、感謝を述べるのは少々癪にさわることもあるかもしれません。しかし、そういう時にも出来る限り自然に「ありがとうございます」と伝えるべきです。
感謝の心がなくても、声のトーンや表情、身振りなど少し練習をすればどんな時も素晴らしい「ありがとうございます」が言えるようになります。うわっつらの感謝なんてなんの価値もないんじゃないか?と思いますか?そんなことはありません。たとえうわっつらでも、上司には敬意が伝わります。
道具を使ったらきちんと綺麗にして片付けますよね。上司もそれと同じで、手入れしてこそ常に最高のパフォーマンスを発揮できます。上司の最高の手入れは、感謝と敬意を伝えることです。
現実は甘くない?
自分の上司はこんな一筋縄にはいかない、理想論だ、なんて思いましたか?もしこんなにうまくいかなかったとしても「自分が操縦している」と思うことが重要なのです。上司に限らず、物事が思い通りにならないことを人のせいにしていては成長することはできません。
上司が思い通りに動かない時には「理不尽な上司に我慢をしている」なんて思わずに、「もっと操縦を練習しないと」と自分の腕を磨くよう、前向きに考えましょう!
[文・編集] サムライト編集部