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「ハッタリ力」で人生を切り開く
みなさん、今の自分にどのくらい満足していますか?
あるアンケートで「人生」について100点満点で評価してもらったところ、「80~100点」をつけた人は35.9%で、平均は64.4点だったそうです。
もしあなたが尋ねられたら、何点と回答しますか? 点数をあげるためにどんな努力をしていますか?
今回は、今からすぐにできる「ハッタリ力」で人生を切り開く方法をご紹介します。著名人もやっていた「ハッタリ力」を知れば理想の人生に近づくかもしれません。
弱点を魅力に変える、「巨匠」黒澤明の「ハッタリ力」

映画「7人の侍」をはじめ、数々の名作を世に送り出した、映画監督の黒澤明さん。「巨匠」という言葉を聞いたら、彼の名前を思い浮かべることも多いのではないでしょうか?
キャスト、スタッフなど、数百名にわたるプロジェクトをまとめあげ、映画作品を作りだしてきた黒澤明さん。彼のエピソードには、今すぐにでも仕事に使えそうな「ハッタリ力」が存分に秘められています。
→忙しいときに仕事が溜まらないようにする。
・言いにくいことを言う
→あらかじめ議論しておけば、後のトラブルを回避できる。
・仕事は絶えず全力でやる
→部下や後輩をなるべく早く家に帰す
まず、黒澤監督は企画段階から全力で仕事に励むそうです。企画段階から入念に準備しておけば、後々トラブルを回避することが出来るからだったそうです。
さらに、ストイックな姿勢で仕事に臨めば、スタッフも「あの黒澤監督が頑張っているのだから、自分もやらないと」という雰囲気を感じ取り、そのやる気から、結果的にいい作品が出来ます。
さらに、スタッフを時間通りに家に帰してあげられるので、効率よくプロジェクトが進めやすくなります。
そして、今でこそ「世界のクロサワ」と言われていますが、順風満帆に見えるキャリアの中にも、失敗はたくさんありました。
「七人の侍」の撮影中には、予算が途中で尽き、多摩川で釣りをしながら現実逃避をしたこともあったそうです。
生前、「アイデアが浮かばない時は仮病を使う」という黒澤さんのお決まりがあったそうですが、成功の裏にある弱い姿を見せることで、結果的にさらに周囲の人間を取り込むことになりました。
圧倒的な力を持ったリーダー像に憧れる方も多いと思いますが、弱点があっても、魅力のあるリーダーになることは可能なのです。
目力(メジカラ)が活躍の場を広げた岡本太郎さんのハッタリ力

「芸術は爆発だ」という言葉や、太陽の塔の制作者として有名な岡本太郎さん。
いつもエネルギーに満ち溢れているように見える岡本太郎さんですが、20代中盤の頃、「もし自分に芸術家としての才能がなかったらどうしよう?」と思い悩んだことがあったそうです。
思い悩んだ挙句、思いついたのが「目」でした。自分より凄いものが目に入ったら、睨み付けるようにするのを習慣にしたという太郎さん。
自信に満ちていて、能力がありそうな自分像を作り上げ、存在感を出すように振る舞ったとのこと。
さらに、この目力を生かして、自分の得意ジャンルに引き込めば、有利に交渉を進められると話しています。
太陽の塔を完成させたのもこの目力があってこそ。哲学や民族学を海外で学んだあと、「縄文土器」への関心を、自信に満ちた表情で語り続けた結果です。
「芸術的に出すぎた杭は打たれない」と話している岡本太郎さん。強い存在感で、自分の得意なことを語れば、もしかしたら活躍の場が増えるかもしれません。
かっこいい人生を自ら演出した白洲次郎さんのハッタリ力

吉田茂首相と、戦後の日本を復興させた白洲次郎さん。物怖じしない姿勢や、筋の通った生き方が、今でも語り継がれています。
白洲次郎さんのカッコよさの裏にあるのが、「自己の伝説化」でした。例えば、有名なマッカーサーを大声で怒鳴りつけたというエピソード。ですが、実際にこの場にいたのは白洲次郎さんとマッカーサーの2人だけ。本当に叱ったかどうかを知っている人は誰もいません。
またサンフランシスコ講和条約の事前交渉の時にも、あえて多くの時間を一人で過ごした白洲さん。「重要な人物と会っているかもしれない」と思わせることで、特別な人間だという印象を植え付けていたそうです。
「規律が求められる日本社会、単独行動なんてできない」と嘆いている方でも、白洲次郎になれる方法があります。
今日から白洲次郎になる4つの方法
・自負心やプライドをあえて見せないことで伝説化する
・親分とはぶつからないように、自分の意見を言う
・規格外に見せつつ、実は一番組織思いの人だと認知させる
どの方法もやりすぎには注意が必要ですが、一番は、組織のことを考える視線を忘れないようにすることでしょうか。とてもスケールの大きな人物が、組織のために必死に頑張ってくれているという印象を植え付けることが成功への道です。
不景気によるリストラなど、いつ路線を踏み外してもおかしくない現代社会。出世街道を一目散に進むことがなかなか難しい時代です。自信を失ってしまうことも多いですが、あえて自分の意見を主張することで、拓ける道もあるかもしれません。
大きなヘルメットで美しい三振を演出した長嶋茂雄さんのハッタリ力

面白いエピソードがたくさんある巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さん。
長嶋さんは、バッターにとって一番カッコ悪い三振でも、プロである以上はお客さんに楽しんでもらえるようにしないといけないと考え、あえて1サイズ大きなサイズのヘルメットをかぶり、「ヘルメットをいかにカッコよく飛ばすか」について研究していたそうです。
天覧試合での阪神戦での本塁打をはじめとする活躍があった一方、デビュー戦では国鉄(現在の東京ヤクルト)の金田投手から4打席連続三振を喫した長嶋さん。
活躍だけでなく、失敗も美談として今なお語り継がれているのは、「三振しても何か光るものをお客さんに与えなければいかん。キャッチボールひとつ、トンネルひとつとっても見せ場をつくらないとプロとはいえない」という、表現に徹底的にこだわった、長嶋さんの努力の成果と言えるのではないでしょうか?
参考文献:『伝説の長嶋茂雄語』(小林信也/小学館)
おわりに
今では名声を手に入れた有名人も、最初からその地位が確約されていたわけではありません。業界の巨匠として語り継がれる面々が使っていた「ハッタリ力」。
「ハッタリ力」を効果的に使って、あなたもより魅力的な人生を歩んでみてはいかがでしょうか?「自分に自信がない」と肩をすぼめて生きてきた方にも、思わぬチャンスが舞い込んでくるかもしれません。
[文・編集] サムライト編集部