アポ取りのコツはこの10個でOK!
営業マンにとってアポ取りは、営業の入り口です。アポ取りがうまくできなければ当然営業もうまくいかず、営業成績も伸びません。
「感覚でやってるけど、実はちゃんとできているか不安」「基本はできていると思ってるけど、もっと精度を上げたい」ここではそんな風に考えている人のために、これさえ実践していればアポ取りの精度が高くなる、とっておきのコツを10個紹介します。営業成績に不安や不満がある営業マンは、ぜひチェックしてみてください。
「アポ取り」のコツ10選

●アポ取りのコツ1.「アポのある人だけが見込み客」だと心得る
コツ1はアポ取りの大前提です。
住友生命に在籍中、常にトップクラスの営業マンとして活躍していた藤島幸恵さんは、著書の中で、アポを以下のように定義しています。
アポというのは、《何日の、何時に、どこに、何の話をしにセールスパーソンが訪ねてくることを相手がはっきり認識している状態》のことです。引用:『誰も教えてくれなかった営業の超基本!「アポの5原則」』p60
これを前提にすれば、「アポがない相手はそもそも見込みがほとんどない」ということがわかります。そんな相手のところに足繁く通ったとしても、効率的に営業成績を伸ばすことはできないでしょう。
見込みのほとんどない1社で5の売り上げを出すよりも、見込みのある5社で1ずつ売り上げを出す方が、長期的なスパンで考えれば利益は大きくなります。
何よりもまずはアポ取りを実現する。それこそが見込み客の獲得、営業成績の改善に繋がるのです。
●アポ取りのコツ2.相手に「優先順位」をつけておく
コツ2とコツ3は、あらかじめアポがバッティングしないためのコツです。
アポ取りを試みる前には、まず相手先に自分なりの軸で優先順位をつけておきましょう。例えば「売り上げが大きくなりそうな相手」「商談がスムーズにまとまりそうな相手」「継続的に取引をしてくれそうな相手」などです。
優先順位がついていればアポ取りを開始するときにどの順番でアプローチをかければいいか、面談の候補日をリストアップするときにどの相手を優先させればいいかの方針が決めやすくなるからです。
もちろん日程調整の基本は「日程が決まった順」ですが、そう単純にはいかないのがビジネスです。優先順位はそうした複雑な場面での指針となってくれます。
●アポ取りのコツ3.「候補日」はあらかじめ絞り込んでおく
アポ取りの際にやってはいけないこと。それは「いつでも大丈夫ですよ!」などと幅広すぎる候補日の提示です。これは「今月中」「来週中」でも同じです。
人間は多すぎる選択肢に対しては、選ぶことそのものにストレスを感じるようにできています。幅広い候補日は一見相手の都合に合わせているように見えますが、結局相手に候補日の設定を丸投げして面倒を押し付けているだけなのです。
このような事態を避けるために「この相手の候補日はこの2〜3日間」というように、候補日をあらかじめ絞り込んでおくようにしましょう。
同じ候補期間に複数の相手先が入る場合は、優先順位の高い相手とそこまで高くない相手を組み合わせれば、さらにアポ取りがしやすくなります。
●アポ取りのコツ4.アポは「今、その場所」で取ろうとする

「改めてご連絡させて頂きます」これもアポ取りにおいてはタブーです。この言葉は丁寧に取り繕ってはいますが、結局のところ社交辞令の「いつか飲もう」「今度飲もう」と全く同じ。
そうした社交辞令が滅多に実現しないのと同じように、アポ取りを後回しにするとアポが実現する可能性も一気に下がってしまいます。
相手の立場になってみても、こちらの話を聞きたいのであれば早く日程を確定させておきたいでしょうし、あまり興味がないのであればあとで断るよりもその場で断る方が気が楽です。
したがってアポは「今、その場所」で取るのが大切です。その場でスケジュール帳を取り出し、手早くアポ取りを済ませてしまいましょう。
●アポ取りのコツ5.「見込みの度合い」を確かめる
アポ取りの役割はアポを取ることそのものだけでなく、相手に今後の見込みがあるかどうかを見極めることにもあります。前述の藤島幸恵さんはこの際、相手を以下の3つの見込み度に分類していたそうです。
1.今、アポが取れる人
2.今はダメだけど先ならいい人
3.全くダメな人
引用:『誰も教えてくれなかった営業の超基本!「アポの5原則」』p93
ではどうやって見込み度を見極めるのでしょうか。その唯一の方法は「相手に聞く」です。
相手に聞かずにあれこれと考えていると、見込みがないのに見込みがあると判断してアプローチをかけたり、見込みがあるのに見込みがないと判断してアプローチをかけ損なうリスクが大きくなるだけ。それなら「いつぐらいならお話させていただけますか?」などと見込み度が確定できるように、その場でアプローチをかけてしまいましょう。
●アポ取りのコツ6.「大事な話」に適した時間と場所を選ぶ

アポ取りの際に時間と場所を設定するのは当たり前ですが、どんな場所と時間でもいいというわけではありません。例えばお昼時のカフェやレストランを指定してしまえば、周囲がガヤガヤと騒がしくて集中できないばかりか、「他に聞かれたくない話」が筒抜けになってしまいます。このような状況では決して踏み込んだ話はできないでしょう。
1.相手の社外の場合は、きちんと下見をした場所を選ぶ。
2.始業直後や終業直前など忙しい時間帯や、選んだ場所が混雑しない時間帯を選ぶ。
この2点が時間と場所選びのポイントです。もし適切な場所が見つからない場合は貸し会議室などを手配するという選択肢もあります。相手の大切な時間を預けていただくのだと考え、面談の時間と場所はしっかりと選びましょう。
●アポ取りのコツ7.「用件」と「所要時間」をきっちり伝える
「何の話をしに来るのか?」「どれくらいで帰るのか?」営業をかけられる相手が常に気にしているのはこの2点です。
これを明確にしておかないといざ約束の日が迫ったときになって、「話を聞く価値も、そのために必要な時間も読めないし、断っておくか」というドタキャンにつながりかねません。そこまでいかなくても「めんどうだな」と思われる可能性は高くなります。
ネガティブな先入観を取り返すのは簡単なことではありません。余計な労力をかけないためにも、前もって要件と所要時間はきっちり伝えておきましょう。
●アポ取りのコツ8.「事前に確認の電話を入れること」を伝える

人間は忘れる生き物です。それは取引先との面談のアポでも同じです。優先順位が低ければなおさらでしょう。だからこそ事前の確認の電話は必要不可欠です。
しかし確認の電話がうまくつながらず、何度もかけるような事態になってしまうと、相手からしても「アポを忘れるような人間だと思われている」と嫌な気持ちになります。最悪の場合アポをキャンセルしようという発想になってしまいます。
この予防策が「事前に確認の電話を入れること」を伝えるという方法です。相手の声も聞ける電話が理想ではありますが、相手が捕まらなかったことを想定して既読の確認が取れるLINEなどの手段を使ってもかまいません。ただしその場合も相手に確認をとっておくようにします。
●アポ取りのコツ9.「次の電話」「次の面談」も今、その場所でアポを取る
一度目の面談で契約にまでこぎつけられるケースは多くありません。したがって面談が終われば同時に次のアポ取りのルーティンが始まります。
ここでも重要なのは「今、その場所」でのアポ取りです。説明が不十分だったり、答えられなかった相手の質問があったりすれば、それらをネタに次の電話、もしくは次の面談のアポ取りをその場でやってしまいましょう。
「アポのある人だけが見込み客」です。見込みのある相手ほど、こちらからアポを途切れさせるようなことがあってはなりません。
●アポ取りのコツ10.日程変更は「相手の気持ち」を最優先に考える
保留になっていた優先順位の高い相手が提示した日程が、即答してくれた優先順位の低い相手のアポとバッティングしてしまったときなど、日程変更が必要な場面はしばしばやってきます。
そのようなときはまず相手の気持ちを最優先しましょう。例えば「すみません、別の会社とのアポが入ったので日程変更をお願いします」などと馬鹿正直に言えば、「あなたより優先する相手がいる」と言っているのと同じです。
相手からしてみればたとえ嘘でも自分を立てて欲しいと考えます。なので「あなたの価値が低いから日程変更したい」というメッセージにならないよう、以下のような言い回しをするようにしましょう。
・「大変申し訳ないのですが、別の会社とのアポが入っていたのを失念しておりまして……」
→完全に自分に非があることにする。
・「役員から絶対に参加するようと言われた会議が入りまして……」
→自分の力ではどうにもならない状況だということにする。
理由については聞かれるまで触れないというのも一つの選択肢です。ただしどのようなやり方でもマイナスの印象をゼロにはできません。日程変更になるような事態は極力避けましょう。
アポ取りを制するものは、営業を制する

『誰も教えてくれなかった営業の超基本!「アポの5原則」』の著者藤島幸恵さんは、「アポさえとれれば営業は何とかなる」と言います。アポ取りができたということは、営業の土俵に立てたということだからです。アポ取りを制するものは、営業を制する。ここで紹介した10個のコツを実践して、アポ取りの精度を高めていきましょう。
参考文献『誰も教えてくれなかった営業の超基本!「アポの5原則」』

