「CEO」はもう古い?2016年以降は新たなリーダー「DEO」が世界を変える!

shutterstock_77448640

CEO時代の終焉?

AppleやGoogleなど、世界を動かす大企業のトップの役職として有名な「CEO」。先進的なアメリカのシステムに倣って、最近では日本でも頻繁にCEOという肩書きを見かけるようになりました。

しかし、「新時代のリーダーに求められるのはCEOの能力ではなく、”DEO(Design Executive Officer)”としての能力である」とアメリカで高い成長率を示すデザイン会社「ホット・スタジオ」の創始者であり、現在ではFacebookのディレクターを務めるマリア・ジュディース氏は語っています。

新時代に求められるDEOの能力とは、一体なんでしょうか。今回は、『CEOからDEOへ – 「デザインするリーダー」になる方法』を参考に、DEOについて、そしてCEOとの違いについて紹介していきます。

日本とアメリカで違う?意外と知らないCEO

shutterstock_241165216_Fotor

DEOについて説明する前に、今一度CEOの定義について確認しておきましょう。

最高経営責任者(Chief Executive Officer)とは、アメリカ合衆国内の法人において理事会(法人が会社の場合は取締役会)(board of directors)の指揮の下で法人のすべての業務執行を統括する役員、執行役員又は執行役(officer又はexecutive officer)の名称、若しくは最高経営責任者として選任された人物のことである。

出典:Wikipedia

つまりアメリカでは、監督者であるが取締役会の承認を受けて、実際に経営の戦略や方針を固め、業務を執行する責任者のことを「CEO」と呼ぶのです。

しかし、日本ではそうではありません。なぜなら、会社法第349条によって会社の代表権を持つのは取締役、または代表取締役、委員会設置会社であれば代表執行役であると決められているからです。したがって「CEO」や「COO」はもちろん、「社長」や「会長」も会社の内部的な役職であり、実は法律的にその役職について定められているわけではないのです。

例えば「取締役CEO」または「取締役社長」という役職があったとしても、代表取締役制を採用している会社であれば、法的には代表取締役または代表執行役に会社の代表権があるということです。

日本はアメリカと違い、監督者と業務執行者が明確に分離しているわけではありません。日本では「代表取締役CEO」という表記をよく目にします。会社にもよりますが、それは「会社の代表権を持ち且つ、会社の経営を動かす責任者」と解釈できるでしょう。

CEOはもういらない?

shutterstock_326133743

ここまでCEOについて、そしてアメリカと日本のCEOの違いについて紹介してきました。いずれも、会社のトップとして「経営」を動かす責任者という立場には変わりありません。しかし、時代は急速に変化しています。

「工業化社会」から「情報化社会」へ。新卒から定年まで、ひとつの企業で働き続けるというスタイルは、アメリカではもちろん、伝統的に「終身雇用制」を掲げていた日本でさえ崩れています。

かつて、有能なCEOたちは一貫した考え方で会社を指揮していました。まだ今ほど情報が錯綜していない時代、社員の力や資金、流通網、ブランドイメージといったものを客観的視点で眺め、戦略を立て、社員たちに命令を下すというような司令官のようなリーダーが求められていたのです。

しかしながら、現在は高度情報化社会。昔と違い権力を持つトップでなくても、誰もが簡単に情報を手にすることができ、ひとつの企業に所属しなくとも様々な生き方があることを知ることができます。

そうした選択肢が増えたことで、日本の終身雇用制が崩壊し、転職や独立といったキャリアチェンジ、さらには需要や供給がこれまで以上に目まぐるしく変化している現代社会。いま、会社の状況を客観的に眺め、戦略を立て、社員たちに命令を下すだけのような、前時代的CEOは必要なくなりつつあるのです。

必要なのは、これからの時代を「デザイン」する力

shutterstock_107929916

では、現在会社の経営を任されているCEOが生き残っていくためには、どうしたらいいのでしょうか。現代社会はかつてないスピードで「変化」を要求しています。

マリア氏は、変化に対応するために必要なのは「デザイン力」だとしています。デザインとだけ聞くと、漠然としていているように感じますが、デザインとは端的に言うと「問題を解決するための創造的な活動」です。

「問題を解決するための創造的な活動」とはすなわち、何かを「変化」させること。顧客のニーズに対応するため、望みを実現させるため、1つの目標を達成させるため、社会の情勢や景気にうまく適合するためなど、デザインが持つ力はこれからの時代を生き抜くために必要な力であると言えます。

新時代のリーダーDEO(Design Executive Officer)に求められる6つの特徴

shutterstock_268399451_Fotor

マリア氏は、こうした変化をもたらすデザインの力にいち早く気づき、変化の時代に対応できるリーダーを「DEO」(Design Executive Officer)と定義づけており、以下の6つの特徴があるとされています。

1. 変化を起こす

会社が大きくなってしまうと、どうしても保守的になってしまいがちになってしまいます。しかし、DEOは変化を積極的に受け入れます。人と違うことを考えたりやったりしようとすることで、それができれば必ず競争上有利になるからです。

2. リスクを冒す

変化を積極的に受け入れるDEOは、必然的にリスクを冒しにいきます。なぜなら、リスクは創造力を発揮するのに欠かせないものだと考えているからです。自らの創造力を活かすため、リスクをコントロールしようと考え、失敗しても必ずその失敗から学ぼうとします。

3. システム思考をする

人は、特に組織は決して1人で仕事をしているわけではありません。取引先やクライアント、部署間、先輩後輩など、自分の世界にいる人がみんなつながっていることを知っており、「システム思考」でものごとを考えます。

DEOは目に見える関係はもちろん、そうした目に見えない関係にも気を配っています。こうした気配りが、効果的なリスクヘッジと、意味のある変化につながっているのです。

4. 直観力が高い

DEOは優れた直観力が必要です。なぜなら、鋭い知覚能力と観察力、細かい専門知識をフルに活用して判断をするから。もちろんそのためには、論理的な分析も必要ですが、DEOの強みは、そうした数字だけしか見ない判断をしないことです。

5. 社会的知性が高い

DEOは様々な人と交流する力が必要です。年がら年中PCに向かい合っていては、新たなデザインは生み出せません。社員や取引先、果ては見ず知らずの人やもの、ことと触れ合うことで、新たなアイディアや改善点が生まれてくるのです。

6. さっさとやる(GSD)

GSDとは「Get Shit Done(さっさとやる)」の頭文字をとった略語です。社員と話したり、自らが社員たちをリードして手本になりたいというDEOの特性上、彼らは自分のアイディアをさっさと実行に移したいと考えているのです。

Career Supli
これまで、クリエイティブ才能がある人はビジネス感覚に欠けるとされてきました。しかし今、そのクリエイティブの才能こそが、会社のリーダーに求められ、世界のビジネスを大きく左右するほど重要なものであるという評価をされつつあります。これを機会に、クリエイティブの現場で働いている人はもちろん、ビジネスの最前線で働く人も、デザインについて詳しく知ってみると、何か新しい発見、問題解決のヒントが得られるかもしれません。
参考文献:CEOからDEOへ – 「デザインするリーダー」になる方法/マリア・ジュディース (著), クリストファー・アイアランド (著), 坂東智子 (翻訳)
[文・編集] サムライト編集部

shutterstock_77448640