あなたの投資は大丈夫?安易に買ってはいけない金融商品3選

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その投資、「投機」になっていませんか?

「貯金こそが正義」という価値観が根強い日本でも、FX投資や投資信託などの少額から始められる金融商品が増えたこともあり、少しずつ投資への意識が高まりつつあります。

しかし同時に安易に金融機関の勧める商品に飛びつき、投資どころか投機、つまりギャンブル性の高い「資産運用(笑)」になっている人も少なくありません。ここではFX投資、株式の個別銘柄投資、投資信託の3つの金融商品の問題点を解説しながら、着実にお金を殖やす「草食投資」の考え方を紹介します。

まさにギャンブル「FX投資」

FXデイトレーダーがメディアなどでも特集されたことから、「投資で儲ける」というとFX投資をイメージする人も多いかもしれません。しかしFX投資は「投資」という名が付いているものの、完全なるギャンブルです。理由は以下の二点。

1.通貨そのものは新たな価値を生まない。

→株式の場合は、投資によって企業価値が高まればそのぶん社会に新たな価値が生まれ、そこから生まれた利益を配当金として受け取ることができます。しかし通貨は企業活動のために使われる「道具」に過ぎません。

これは金や石油なども同じです。したがって「誰かが儲ける時は、儲けた分だけ誰かが損をする」というギャンブルと同じゼロサムゲームになってしまいます。存在するパイをFX取引の参加者同士で奪い合うだけの弱肉強食の世界です。資産運用の考え方からすれば、あまりにもリスクが高すぎます。

2.「レバレッジ」というシステムが、FX投資のギャンブル性を高めている。

→レバレッジを利用すると少ない資金でも大きな取引ができます。例えば日本ではレバレッジは25倍までという規制がありますが、これは100万円の証拠金があれば2,500万円分の取引ができるということです。

仮に1ドル=100円の時に100万円を元手に25倍のレバレッジをかけてドル買いをし、1ドル=105円の時に売れば、円換算評価額は2,625万円となり、125万円の儲けが出ます。

たった5円の値動きで100万円から125万円が生まれるため、一見すると超高効率の投資です。しかし当たり前ですが、損失が出ればその差額を負担しなくてはなりません。たった5円、相場が下がるだけで125万円の損が出るのです。

ギャンブルを楽しみたいのならともかく、確実に資産形成をしたいのであれば、FX投資は絶対にやってはいけません。

アマチュアにはリスク高「株式の個別銘柄投資」

Chinese Citizens Watching Stock Market, Beijing 2015

資産運用の王道「株式の個別銘柄投資」ですが、アマチュアが手を出すには全く適さない金融商品です。その理由は以下の三点です。

1.銘柄が多すぎる。

→日本で上場している企業は全部で3,600社以上です。株式投資ではリスクを軽減するために複数の企業に資産を分散して投資するのが基本ですが、ここから適切な組合せを選ぶのは至難の技です。仮に10銘柄を選んで買ったとしても、全体の0.3%に過ぎません。この0.3%が値上がりする可能性に賭けるというのは、どう考えてもギャンブルです。

2.プロとの情報格差が大きすぎる。

→そこでポイントになるのが企業情報です。銘柄選びの精度を上げるためには、確実な企業情報をできるだけ多く手に入れて、それを基に判断する必要があります。確かにインターネットが発達した現在においては、アマチュア投資家とプロ投資家の間の情報格差はかなり縮まりました。しかしそれでも大きすぎます。

というのも投資顧問会社や証券会社などに所属している機関投資家は多くの株式と多額の資金を持っているため、企業の経営者やエグゼクティブに直接会って話を聞くことができます。一方アマチュア投資家に対して経営陣が直接対応するという企業はまだまだ多くありません。保有株式数・資金力の面で、経営陣が時間をかけて対応する意味があまりないからです。

3.必要な資金が多すぎる。

→資産形成を目的に株式の個別銘柄投資をする場合、最低でも20銘柄程度の分散投資が必要です。そのためにはある程度の資金力がなければ話になりません。例えばトヨタ自動車株は一株で8,000円を超えているので、100株購入するだけで80万円の資金が必要になります(トヨタ自動車株は1単元が100株なので、最低80万円必要)。だからといって株価の安い企業に分散投資をしても、損をする可能性が高くなるだけです。

以上のことから株式の個別銘柄投資も、素人が手を出してはいけない金融商品の一つなのです。

こんな投資信託はヤバイ!

リスクを抑えながら、アマチュアでも堅実に資産形成が目指せる金融商品に「投資信託」が挙げられます。投資信託についてはキャリアサプリでも「お金の不安をやっつけろ!一歩を踏み出すための簡単3000円投資術」で解説していますが、この金融商品にも買ってはいけないヤバイ商品があります。

1.仕組みが妙に複雑な商品

→「通貨選択型ファンド」などが代表例です。通貨選択型ファンドとは、例えば日本株に投資するファンドにもかかわらず、日本円をトルコ・リラやブラジル・レアルなどに替えて投資させるような投資信託を言います。この方法をとると、確かに円からリラやレアルなどに替える為替差益してしまう可能性があります。

2.時流に即したテーマ型ファンド

→「IT関連ファンド」「社会貢献ファンド」「クラウドコンピューティングファンド」「BRICsファンド」「インド株ファンド」など、話題性の高いキーワードを商品名に冠した投資信託を「テーマ型ファンド」と言います。この商品は流行りものと同じで、すぐに誰も注目しなくなり、運用成績も落ちていくのが常です。

事実IT関連ファンドも、IT業界の発展とはうらはらに運用成績がガタ落ちし、現在はほとんど運用されていません。テーマ型ファンドは、投資信託の販売金融機関が売りやすいように急造される商品です。そこに個人投資家の利益を優先させる考えはありません。

3.金融機関が真っ先に勧めてくる商品

→金融機関が真っ先に勧めてくる商品というのは、ハイリスク・ハイリターンのものや手数料が高いもの、つまり金融機関に旨みが大きいものばかりです。それらを何も考えずに買ってしまえば、手数料ばかり取られて挙げ句の果てに元本割れという最悪の状況もありえます。証券会社や銀行などの金融機関に出向いて投資信託を買う場合は、必ず自分で「この商品を買う」と決めてから行くようにしましょう。

そして相手が何を言ってきても、絶対に決めたものしか買わないという態度を貫きます。間違っても「投資信託を始めたいのですが、何を買えばいいんでしょうか」なんて聞いてはいけません。ほぼ確実に「カモがネギを背負ってきた」と思われてしまいます。

投資信託は正しく選べば、プロが運用してくれる堅実な金融商品です。くれぐれもヤバイ投資信託には手を出さないようにしましょう。

シンプルな投資信託で始める「草食投資」

投資の基本は「買ったら売る」ではなく、「買ったら持ち続ける」こと。この投資スタイルを提唱するのが、独立系投資信託会社のコモンズ投信・渋澤健会長、セゾン投信・中野晴啓社長、レオス・キャピタルワークスの藤野英人取締役CIOが結成する「草食投資隊」です。

「毎月コンスタントに積立てをして、ドキドキしない投資」=「草食投資」を提案し、より多くの人に長期投資の考え方と魅力を伝えるために活動しています。

そんな草食投資隊がおすすめするのが、派手さも複雑さもない「普通の投資信託」です。そういう商品は手数料が低いため、金融機関は勧めてきません。

しかしシンプルな投資信託こそ、資金力も時間もない個人投資家にはぴったりの資産運用手段なのです。ギャンブルを楽しむのではなく人生を楽しむための資産運用を考えている人は、シンプルな投資信託をコツコツ積み立てることを検討してみてはいかがでしょうか。もちろん最終的には自己判断になりますので、しっかりと時間をかけましょう。興味のある人は『個人投資家が教える、投資を真剣に学びたい人におススメの書籍15冊』 で気になる書籍を探してみてください。

参考文献『投資バカ 賢い人は金融機関を信じない』

どういった投資信託があり、どれくらいの手数料がかかるのかといったリサーチしましょう。投資信託によって投資ポリシーが異なりますので、それをよく確認して納得できるところを探しましょう。

[文]鈴木 直人 [編集]サムライト編集部

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