家庭内の経済的な課題解消だけでなく、社会全体においても「働く女性の価値」が高まっています。一方で、収入の多い夫は長時間働き、妻は時短勤務等で働く時間を減らし、家事・育児負担を多めに担うという家庭が多いのも事実。
今回は、多方面で活動し多忙になりがちなワーキングマザーにおすすめの時短サービスをピックアップ。「家事育児」と「ビジネスシーン」のカテゴリー別に、時短につながるサービスをまとめてご紹介します。
「家事育児」の時短サービス7選
エンドレスで終わりがない「家事」や予想外のハプニングが多い「育児」では、いくら時間があっても足りない! という状況に陥りがち。そんな家事育児をサポートしてくれる数々のサービスをまとめました。
1.時短家電
あらゆるジャンルで発売されている時短家電。生活に取り入れやすく女性の支持が高いのは、「ロボット掃除機」「電気圧力鍋」「食器洗い乾燥機」「洗濯乾燥機」「布団乾燥機」など。いずれも、セットして一定時間放置するだけで家事が終わるという優れものです。
筆者が使ってみて効率性を実感したのは、食器洗い乾燥機と洗濯乾燥機。いずれも一度使うと手放したくなくなるほど便利で、コストに見合う価値が得やすい気がします。そのほか、速乾性の高い「ドライヤー」、複数のリモコンを一元管理して操作できる「スマートリモコン」、シャツ等の乾燥とアイロンがけを一度でできる「シワを伸ばす乾燥機 アイロンいら~ず」なども時短家具といえます。
2.ネットスーパー
家族が多い人、スーパーまでの往復時間を短縮したい方に一押しなのがネットスーパー。スーパーによって異なりますが、5,000円など一定金額以上購入すると送料が無料になる場合もあり、宅急便のような日時指定も可能。その日すぐの配達は難しい場合が多いため、届けてほしい日の前日に注文するなど、余裕をもって利用すると良さそうです。
3.家事代行サービス
家事や雑務を幅広く依頼できる「家事代行サービス」。週1回など、日常的に料理、掃除、洗濯、買い物を依頼するだけでなく、クリーニングの受け渡し、ベッドメイキング、パーティー準備など、人手が足りないタイミングでの単発利用もOKです。
相場は各サービスや依頼内容によって変動しますが、業界最安値基準とうたっている「タスカジ」だと1時間1,500円〜、標準価格は1時間3,000〜4,000円のようです。継続的に利用すると料金がお得になるため、予算やスケジュールと照らし合わせて活用を検討してはいかがでしょうか。

4.ファミリーサポートセンター
ファミリーサポートセンターは、援助を受けたい人と援助を行いたい人をマッチングさせる地域の組織。子どもの送迎を依頼する、一時的に子どもを預けるといった使い方が可能です。地域によって多少異なりますが、1時間700円〜など自己負担金が少ないのはメリット。ただし、会員は保育資格がある人ではなく、子育ての援助がしたい一般の人です。
しっかりした下調べは必要かもしれませんが、信頼できる支援者が見つかれば、手頃な料金で育児をサポートしてくれる心強い味方になってくれるかもしれません。
5.保育ママ
「保育ママ」とは、自治体に認可された小規模な保育園のこと。家庭的保育者とも呼ばれる保育ママは、主に自身の自宅を保育所として乳児、または幼児を預かります。集団で預ける保育園とは異なり、1人の保育ママに対して子どもは最大3人までと、少人数なのも特徴的。
保育ママは自治体によって存在しない場合がありますが、東京には比較的多いようです。たとえば、江戸川区は月額17,000円、世田谷区は月額25,000円で保育ママを利用可能。一度、お住いの自治体に確認してみてください。
6.子育てタクシー
子どもとその保護者にやさしいサービスを提供する「子育てタクシー」。ドライバーは、一般社団法人全国子育てタクシー協会が主催の「子育てタクシードライバー養成講座課程」を修了しており、子育て家庭へのサポートを心得ています。
荷物が多くなりがちな乳幼児との外出時、保育園や習い事へのお迎えなど、手助けがほしいタイミングで利用できます。ベビーカー積み込みのサポートなど一般のタクシー運転手には頼みづらいことも快く引き受けてもらえますし、年齢制限はありますが子ども1人での乗車も認められています。お住まいの近くのタクシーは、こちらから探すことができます。
7.ベビーカーレンタル
駅や駅近辺での「ベビーカーレンタルサービス」も、時短に一役買ってくれるかもしれません。外出先で子どもに抱っこをねだられて困ったとき、子どもをベビーカーに乗せて急いで帰りたいとき、荷物が増えてしまったときなど、さまざまなシーンで活用可能。
JRが展開する「ベビカル」では、予約も可能で最大7日までレンタルOK。借りた場所に返す必要はありますが、利用場所の制限はないため、例えば買い物後にそのまま自宅まで利用しても問題ありません。
また、開始されたばかりのShare Buggy(シェアバギー)も、この7月から順次レンタル場所(ポート)が拡大されるとのこと。ポートでベビーカーをレンタルし、利用時間が終了した後は、空いている他の地域のポートへの返却も可能です。

「ビジネスシーン」で使える時短サービス5選
仕事の時短につながる優秀なサービスも同時にチェックしておきましょう。一定レベルまでは無料で利用できるものも多くありますが、多少コストがかかっても劇的に時短できるサービスを導入するのは賢い手! ぜひ、この機会に検討してみてください。
1.スケジュール管理ツール
ITツールでのスケジュール管理は、パソコンやスマホからすぐにアクセスできるほか、スケジュールが近づくと通知で知らせてくれるなど、うっかり予定を忘れてしまうことを予防するにも最適。
圧倒的に利用者が多い「Googleカレンダー」は、シンプルで使い勝手もよく、筆者もこれなしでは生きていけないほど愛用しています。ToDoリスト機能も備えており、タスクが多くてカレンダーだけでは管理しきれない人は、ぜひToDoリストもあわせて一元管理してみてください。Gmailアカウントがあれば、無料で利用可能です。
2.プロジェクト管理ツール
チームでのスケジュール管理やプロジェクトの進捗把握、あるいは家族で予定を共有したい場合は、複数人での使用を前提に設計されたプロジェクト管理ツールがオススメ。「Asana」「TimeTree」「Microsoft To Do」「Backlog」などは、スマートな操作性でビジネスシーンでも多く利用されています。
これらの管理ツールは単純に予定が把握しやすいだけでなく、「効率化」の要素も多いに備えています。脳内で覚えておかなければいけないことを極力減らして、目の前の仕事に集中しやすい環境を整えておきましょう。

「Asana」のホーム画面より
3.テンプレート
ビジネスシーンでは、プレゼンテーション資料・報告資料・メールなど、手を動かして作成しなければならないものが多くあります。これらの仕事を効率化するには、テンプレートの活用が吉! たとえば、日本最大級のビジネステンプレートサイトbizoceanには、報告書類や契約書などのテンプレートが豊富で、無料でダウンロードできる素材が26,000点以上も掲載されています。
文字入力作業が多い人は、よく利用するフレーズをIME辞書登録するのも有効的。「あり」と打つと、「ありがとうございます」と予測候補で表示されるといった具合です。もう一つおすすめしたいのは、この辞書登録に近い作業を自動でこなしてくれる文字入力ツール「Google日本語入力」。よく利用するフレーズをツールが自動で学習してくれるため、使えば使うほど文字入力がスムーズになります。完全無料なのも魅力的。
筆者は数年にわたってGoogle日本語入力を利用していますが、文字入力スピードが体感でわかるほど向上し、これ以外の文字入力を利用すると拒否反応が出るほどです。
4.Adobe Acrobat DC
PDFをよく活用する方は、Adobe Acrobat DCの有料版の活用が便利かもしれません。無料版でも表示・署名・注釈・共有・印刷の作業は可能ですが、有料版になると、できることの幅が一気に広がります。
PDFデータの文字を編集する、複数のファイルを1つに統合する、ファイルを分割する、PDF⇔ワードに相互変換する、PDF⇔エクセルに相互変換する、PDF⇔パワーポイントに相互変換する、PDFファイルを圧縮する、HTML(Webページ)をPDFに変換するなど。
年間契約で月額1,518円〜、月々プランで月額2,728円〜と、継続支払いを考えると決して手頃な料金ではありませんが、上記のような作業に長い時間をかけていた方は、有料プランが最適かもしれません。
5.自動文字起こし
文字起こしツールというとライターやジャーナリストが活用する印象があるかもしれませんが、近年は会議の議事録作成に利用する人もいるようです。
無料で利用できる代表的ツールは、Googleドキュメントの「音声入力」。実際に利用してみたところ、周辺が騒がしくなく、音声がクリアに聞き取れるような環境であれば、8割程度の精度で音声がテキスト化されます。
有料ツールでは「Speechy Lite」や「Texter」などが存在し、毎月1,000円程度から利用可能。いずれのアプリも無料の音声入力より音声認識の精度が高いようですが、「録音した音声データからの文字起こし」は厳しい様子。「Texter」の無料お試しを利用してみたところ、録音した音声はほぼ認識しませんでした。レビューを読んでも録音データからの精細な文字起こしは厳しいようなので、現場で活用すると良いかもしれません。
新規の時短サービスを積極的に試してみよう
女性活躍の推進やIT化の加速によって、毎日のように新たなニュースが聞かれる昨今。数多くのITサービスを利用する筆者が感じるのは、「よくわからない」と敬遠するよりも、「一度トライしてみよう」と積極的な姿勢でいたほうが、自分にマッチするサービスにめぐり合いやすいということ。
筆者自身、この記事を書くにあたり、「Google ToDo リスト」と文字起こしアプリ「Texter」を試し、期待していたほどの精度ではなかったものの将来的な時短の可能性を大いに感じました。どんどん新たなサービスを試しながら、自分なりの時短を実現してみてください。
[文]小林 香織 [編集]サムライト編集部