ドローンで対決!?2016年ブレイク確実の「超人スポーツ」

”人間×技術”により生み出された未知の競技「超人スポーツ」

世界には、オリンピックやワールドカップといった国際的な大会が開催されるメジャーなスポーツから、各地域でのみ根付いている認知度の低いマイナースポーツまで、おおよそ500近くの種目が存在します。その中に、従来のスポーツの定義から飛び抜けた近未来の競技、「超人スポーツ」が2015年に加わりました。

「超人スポーツ」とは、いつでもどこでも誰もが参加でき、観ても楽しめる“人間と技術が融合した新しいスポーツ”です。これには、人間の身体能力を拡張する「人間拡張工学」に基づき、「人を超える」、あるいは年齢や障害などの身体差により生じる「人と人の壁を超える」といったコンセプトがあります。それによって、スポーツを諦めていた人でも競技に参加でき、みんなが同一のルールとフィールドで競うことができるのです。

夢の競技を体験!「第一回超人スポーツEXPO」で公開した7つの種目

まだ誕生したばかりの「超人スポーツ」ですが、10月に早速、次世代のスポーツを楽しみながら開発に参加できる「第一回超人スポーツEXPO」を開催されました。そこで、そのEXPOで公開された7つの「超人スポーツ」を紹介します。

未来の相撲「バブルジャンパー」


出典:よしおの日記

バブルジャンパーは、ジャンピングシューズを履き、上半身にバブルボールを着て対戦するスポーツです。1対1の相撲や、3対3の押し相撲のような競技内容となっており、開発リーダーで手妻師の藤山晃太郎さんは、「ジャンピングシューズで高く飛ぶなど、パワーアップは人類の夢」と説いています。最近、徐々に人気度が高まっているバブルサッカーと、スカイランナーで装着するジャンピングシューズを融合させ、空中での相撲をとる、まさに“未来の相撲”が誕生したのです。

現代版チャリオット「キャリオット」

「キャリオット」は、移動ロボットに人間が引かれて走るレース競技です。ロボットは、手綱で速度や向きをコントロールしますが、車のハンドルのように操作は簡単ではなく、乗りこなすには豊富な練習量が必要でしょう。移動ロボットの方はまだ原始的で、インホイールモーターを積んだ電動バイクのタイヤをそのまま活用しています。以前は電源を背中に背負っていましたが、電池を小型化してモーターと一体化させることで、人間は台車に座ったり、ローラーブレードを履くだけで競技できるようになったのです。

現実世界でかめはめ波!?最新テクノスポーツ「HADO」


出典:JBPRESS

ドラゴンボールファンなら分かるはず。孫悟空に憧れて、何度も空想の的に向かってかめはめ派を打ち込みました。現実はむなしいもので、手からはビームどころか空気砲さえ出てきません。しかし、そんなとうの昔に置いてきた夢が2015年に現実のものと化しました。それを可能としたのが、スマホとウェアラブルセンサーを組み合わせた最新テクノスポーツ「HADO(ハドー)」です。

3対3で火の玉を撃ち合って相手を撃破した方が勝利という本当に超人的な競技です。プレーヤーはスマホをヘッドマウントディスプレー(HMD)として装着し、腕を掲げるとバリアがあらわれ、拳に力をためて前に突き出すと火の玉を放てるという仕組みになっています。

従来はプレーヤーしか試合内容が見えませんでしたが、AR(拡張現実)と連動した観戦システムを開発し、大画面にAR演出を含めて試合が中継できるようになったため、大会では観戦者が大いに盛り上がれること間違いなしです。

スマートフォンを利用した陣取り合戦「Jintory」

「Jintory(ジントリ―)」は、陣取り合戦をデジタルデバイスの力でスポーツ化したものです。プレイヤーは2チームに分かれ、フィールド内に設置されたビーコンの周囲にランダムで発生する陣地を取り合います。陣地に近ければ、陣地めがけてダッシュし、陣地から遠い場合は、味方を援護する。チームワークと判断力が問われる新感覚のスポーツです。

小型搭乗ロボットに乗って楽しむ球技「ホバークロス」


出典:*くうにゃん*の気になる日常

「ホバークロス」は、体重移動によって移動する小型の電動二輪車に乗り、攻守に分かれて点を取り合うというスポーツです。料理で使用するおたまのような容器にボールを入れ、それを落とさないようにゴールに入れれば得点となります。相手は、体に当たっても危険性のない柔らかい棒を使いってゴールを死守。これを交互に行い、より多くの得点を重ねた方が勝利という流れです。誰でも気軽に楽しめる良心的なスポーツとなっています。

デジタル松葉杖競技「エクストリームクラッチ」

「エクストリームクラッチ」は、“ダルマさんが転んだ”を模したデジタル松葉杖スポーツです。これを開発した株式会社スパイスボックスの山崎晴貴テクノロジストは「松葉杖の使い方に慣れるために最適な競技」と説いています。

ルールとしては、片足で立ち、松葉杖についたボールを取り合うという形式ですが、ただボールの奪い合いをするわけではありません。松葉杖には、わずかな振動でも検知して光るセンサーが搭載されており、台の上に置かれたダルマにその光を検出されたら動いてはいけないという、“ダルマさんが転んだ”的なルールも組み込まれているのです。普通のチャンバラに比べて、怪我人でも楽しめるスポーツとなっています。

ターゲットにドローンをぶつける「超人鷹匠ドローンマスターズ」


出典:超人鷹匠ドローンマスターズ

新しいドローンスポーツが誕生しました。その名も「超人鷹匠ドローンマスターズ」。これは、2チームに分かれ、相手チームのKING(ターゲット)に自チームのドローンを当てて、ポイントを取るという対戦スポーツです。このスポーツができた経緯は、「ドローンがあればどこでもできるスポーツ」というのを大事にし、ラジコンとドッジボールを掛け合わせてるイメージで誕生したと、「超人鷹匠ドローンマスターズ」創立メンバーである、家倉マリーステファニーさんは言います。

実際に体験すると、ドローンが接近してくるとかなりの迫力があり、他のスポーツでは得られないようなスリルを味わうことができます。ハラハラドキドキしながら楽しめるのが最大の特徴です。

Career Supli
東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年、もう一つの国際的なスポーツ大会が開催されるかもしれません。「超人スポーツ協会」の代表理事を務める慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の稲見昌彦教授が、「2020年の東京オリンピック・パラリンピックに合わせ、超人スポーツ大会の開催を目指す」と宣言し、それに向けたプロジェクトが既に始動しています。大会の開催が実現すれば、海外から大勢の観光客が訪れる2020年に、オリンピックの競技だけでなく、ポップカルチャーとテクノロジーを掛け合わせた「超人スポーツ」を見せることで、日本の伝統的な文化とは違う「今の日本らしさ」を提示できるチャンスとなるでしょう。
[文・編集] サムライト編集部