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見た目はビジネスパーソンの命
「人は見た目が9割」「第一印象は出会って数秒でほとんど決まる」こんなふうに言われるほど、人の評価は「見た目」に依存しています。ファッションや体型も確かに見た目ですが、約1億2,000万人のうち「薄毛が進んでいる」と感じている男女が4,200万人もいる日本においては、「髪の量」も大きな見た目の要素です。
髪の量が少ないだけで「だらしがない」「くだびれている」などの悪い印象を与えてしまうこともあるかもしれません。ここでは髪のコンディション改善率95%以上を誇り、美容・理容業界でも注目されている埼玉浦和のヘッドスパサロン「PULA」を運営する辻敦也さんの著書から、薄毛を防止するための洗髪術について紹介します。
シャンプーで落ちない汚れを落とす「オイルパック」
●脱毛を進めてしまう「過酸化脂質」
私たちの頭皮の皮脂は、もともと頭皮のうるおいと清潔さを保つための大切なものです。しかしこれが分泌されてから48時間以上経つと、脱毛作用のある「過酸化脂質」(酸化した皮脂)に変わってしまいます。過酸化脂質は毛穴をふさいで頭皮の呼吸を止め、毛穴にじわじわと逆流していきます。
さらに汗やほこり、シャンプーなどの流し残しと混ざり、どんどん状況を深刻化させていきます。そうして出来上がった頭皮の酸化汚れは、シャンプーでいくら洗っても、なかなか落とすことはできません。
●頭皮の救世主「オイルパック」
これを洗い流せるのが「オイルパック」です。頭皮の酸化汚れは同じ性質を持つオイルによくなじみ、溶かすことができるのです。オイルパック用のオイル選びのポイントは次の3つ。
1.植物性の天然成分100%のものを使う(ホホバオイル、オリーブオイル、ココナッツオイル、アーモンドオイルなど)。
2.香りや洗髪後の感触の好みに応じてオイルを選んでよいが、最初は扱いやすいホホバオイル、セサミオイルがおすすめ。
3.食用オイルは製法が違うため頭皮には逆効果。クレンジングオイルも頭皮には刺激が強すぎる。絶対に使わない。
●オイルパックのやり方
オイルは100円均一などでも売っているドレッシングや蜂蜜などを入れる容器が扱いやすく、効率的にパックをすることができます。実際のオイルパックのやり方は次の通りです。
1.オイルパックはシャンプーの前に行う。最初に37℃〜38℃のぬるま湯で髪を濡らしておく。
2.頭皮に直接オイルを塗るようにして容器の先端を頭皮に当て、頭頂部から放射状に10本ほど塗る。
3.次のマッサージを2分〜3分行い、オイルを頭皮になじませる。
a)親指の付け根部分の膨らみを、耳の上にある頭蓋骨のくぼみにしっかり当 てる。
b)そこから両手を問う長文に向けて寄せるように押し上げる。
c)aとbを繰り返す。
4.マッサージ時間も含めて15分間、オイルが頭皮に塗られた状態で過ごす。シャワーキャップなどを使えば浴槽にも入れる。
5.2回〜3回、シャンプーで洗い流す。
6.これを最初は週に1度を1ヶ月行い、それ以降は月に2回〜3回行う。
※3のマッサージは普段からやっても効果あり。
知っておくべき「やばいシャンプー」の特徴

●「合成界面活性剤」に要注意!
頭の皮脂は健康な髪を維持するために必要不可欠です。そのためゴシゴシ洗って徹底的に皮脂を洗い流してしまったり、強力な洗浄力を持つシャンプーを使ったりすると、あっという間に頭皮環境は悪化してしまいます。しかしドラッグストアなどにはこの頭皮環境を悪化させる「やばいシャンプー」がたくさん売られているのです。
頭皮に最も悪影響を与えるとされているシャンプーの成分が「合成界面活性剤(高級アルコール)」。界面活性剤は洗浄成分としてどんなシャンプーにも含まれていますが、動物や植物の油脂を加工して作る合成界面活性剤は安価で作れる代わりに強すぎる洗浄力を持っています。そしてなんと市販されているお手頃価格のシャンプーのほとんどは、この合成界面活性剤が使われています。
●「やばいシャンプー」の見分け方
合成界面活性剤が含まれているかどうかを見分けるには2つの方法があります。1つは見た目です。シャンプーの液が透き通っていれば合成界面活性剤が使われている可能性が低く、透き通っていなければ使われている可能性は高くなります。
合成界面活性剤を使っているシャンプーが透き通っていないのは、強すぎる洗浄力を抑えるために製造過程で油分を補充するため。その時に液が濁ってしまうため、見栄えを良くするために着色されるのです。
もう1つの方法は成分表示を見る方法です。成分表示の原則は「含有量が多い順」。多くのシャンプーは1番目が「水」で、2番目から5番目に洗浄成分が記載されています。この部分の成分が次の2つに当てはまる場合は、直ちに使うのをやめましょう。
1.「○○硫酸」(ラリウル硫酸〜、ラウレス硫酸〜など)
2.「オレフィン(C14-16)スルホン酸Na」(ただし成分表示の中位以降に記載されている場合は気にしすぎなくて良い)
一方で「ラウロイル○○」「ココイル○○」といった界面活性剤が使われているシャンプーは、頭皮環境に優しいアミノ酸系のシャンプーです。こうしたシャンプーを積極的に選ぶようにしましょう。
頭皮に本当に優しい髪の洗い方・乾かし方
●まずはシャワーヘッドを買い換える
日本の水道水の塩素は「0.1ppm以上の濃度を保つ」と法律で定められています。ちなみにプールに入れる塩素の濃度は「0.04ppm以上」。プールに行くと髪が傷むという人は多いと思いますが、水道水でシャワーをしている限り、プール以上の濃度の塩素を毎日シャワーで髪にかけ続けていることになります。塩素は髪にしみこみやすいだけでなく、頭皮の菌を殺してしまうため頭皮環境まで悪化してしまいます。
これを防ぐには水道水から塩素を除去するしかありません。検索エンジンで「塩素 除去 シャワーヘッド」と検索すれば、様々なメーカーから塩素を除去できるシャワーヘッドが発売されています。薄毛に本当に悩んでいるのなら、まずはシャワーヘッドの交換から始めましょう。
●シャンプーの基本は「二度洗い」
「指の腹で洗う」これが巷に広がっている間違った洗髪の基本です。今ある髪を守りたいのであれば、これを「手のひらで洗う」に変えなくてはなりません。いくら指を立ててみても、私たちの指は毛穴には入りません。毛穴の汚れをとってくれるのはシャンプーの泡なのです。
そのためシャンプーは本来事前に泡立てて、頭皮全体にまんべんなく広がるようにする必要があります。これを理解したうえで、次のステップで洗えばより頭皮環境を改善することができます。
1.次の方法で髪の毛と頭皮全体をシャワーで洗い流す。シャンプーが泡立ちやすくなり、毛穴が開いて汚れが落ちやすくなる。
a)手を軽くお椀型にする。
b)そこにシャワーのお湯を流し、タプタプと頭皮に当てて汚れを洗い流す。
2.一回目のシャンプーをする。軽く泡立てたあと、泡を地肌に押し付けるようにして(ゴシゴシこするのではなく)洗う。
3.洗い流す。
4.二回目のシャンプーをする。軽く泡立てて、オイルパックの時と同じ頭皮マッサージをする。
a)親指の付け根部分の膨らみを、耳の上にある頭蓋骨のくぼみにしっかり当てる。
b)そこから両手を問う長文に向けて寄せるように押し上げる。
c)aとbを繰り返す。
5.洗い流す。
●ドライヤーはできるだけ使わない
髪を乾かす基本は「タオルドライ」です。ポンポンと叩くようにして優しく水分を取り除きましょう。ドライヤーは髪と頭皮の水分を一瞬にして飛ばしてしまうため、使わないに越したことはありません。
もし髪が長くて乾きにくいという場合は、地肌に当たらないように毛先に向かって上からドライヤーをかけるようにしましょう。もちろん短髪の男性の場合はドライヤーは必要ありません。
ただし濡れたまま寝てしまうと頭皮に悪影響を与えるため、きちんと自然乾燥させてから寝るか、冷風で乾かしたり「スカルプ用ドライヤー」を使うなどして乾かしてから寝るようにしましょう。
「あの時やっておけばよかった」ではもう遅い!
いったん薄毛になってからそれを元の状態に戻すためにかかる時間や労力は、ケアをサボることによって節約できる時間と労力に比べると、圧倒的に長く大きくなります。「あの時やっておけばよかった」と後悔するのでは、もう遅すぎるのです。
辻さんの著書『世界一簡単な髪が増える方法』にはここで紹介した洗髪術以外にも食事の考え方や、自宅で作れてかつ効果の高い育毛液の作り方なども紹介されています。遅すぎる後悔をしたくない人はまず洗髪術から試し、さらに興味がわいたら同書の他の方法も取り入れてみましょう。