人はなぜ走るのか?村上春樹に学ぶランニングの素晴らしさ

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なぜランニングをするのか?

ダイエットのひとつとして走ることをエクササイズの一環で採用している方が増加の一途を辿っているは、ここ数年のランニング人気からしても明白です。この記事を読んでいる人の間でも相当数おられるのではないかと思います。

ダイエットという形で走ることを活用したケースでは、それほど期待できるような結果は望めません(とはいえそれ相当のキロ数をランニングすれば大いにその有効性が期待出来るわけですが)。

食事規制を行なった方がよほど時間をかけずに効果が現れるのに、どうしてあえて辛い思いをしてさえもランニングする人が増えているのでしょうか。

村上春樹氏のエッセイ「走ることについて語るときに僕の語ること」がランナーの思考を考えるのに非常に役立ちましたので、この本を参考にランニングによって獲得できるメリットをご紹介しましょう。

走ることを2ヶ月継続して3kgもの体重減少

こちらは村上氏ご自身のデータなので、さすがに誰にでも通用するものとは異なりますが、彼が50代中ほどに、ライフスタイルとなっている走ることを通じて手にできた利益です。

痩せにくいこの年齢だというのに2ヶ月間を費やして3kgの体重ダウン。これはなんとも見事な成果ではあるのですが、だとしたら彼は一体どれだけの距離数をランニングしてこのような数字をゲットしたと思われますか?

正解は、およそ600km!

1日当たりに換算するとなるとデイリー10km程度を走らなければなりません(凄すぎます!)。

当然、エネルギーバランスのルールから考えると、村上氏が1日毎にどれだけのカロリーを摂取していたかにも左右されますから一概には言えないのですが(余談ですがこのエッセイの中で村上氏はビールとドーナツが大好きであると話していますので、村上氏も僕達と変わらない食品を好んで摂取していたと思われます)、連日10kmのランニングを習慣付けるのは簡単ではありません。

こんな大変なやり方避けて、もっと効率性の良いやり方を選択することはできます。ランニングはダイエットだけを考えれば効率的ではない面を持っているにも関わらず、それを埋め合わせてもお釣りが返ってくるくらい、やりがいのあるものなのです。

走ることを通じて集中力を育て上げる

Writing with quill pen last will and testament or concept for law, legal issues or author

優れたミステリー作家であるレイモンド・チャンドラーは「たとえ何も書くことがなかったとしても、私は一日に何時間かは必ず机の前に座って、一人で意識を集中することにしている」というようなことをある私信の中で述べていたが、彼がどういうつもりでそんなことをしたのか、僕にはよく理解できる。引用:村上春樹(2010).走ることについて語るときに僕の語ること

こちらの一文から考えても理解できるように、小説家と呼ばれる職業の方は物語を作り上げるために、とんでもないレベルのエネルギーを必要します。真っ白な紙の上に磨きのかかったフレーズをパズルみたいに組み合わせていく。0から1を作り出す仕事なわけですから、それはそうだと思います。

村上氏は、そのための集中力を間違いなくランニングするを通じて育て上げているそうです。走ることを利用して我慢強さと集中する力を養うことで、何時間も何時間も、へこたれることなく机の上ので執筆に取り組むことができるのです。

スタミナをつけることで拡大する視野

Man running at autumn during sunrise

1年毎にフルマラソンを完走している村上氏すらも、フルマラソンの距離をあり得ないくらい超越した距離(驚くなかれ100km!)を走破することが必要であるウルトラマラソンを走った際には次にあげるような心の内だったことを語っています。

「僕は人間ではない。一個の純粋な機械だ。機械だから、何を感じる必要もない。ひたすら前に進むだけだ」その言葉を頭の中でマントラのように、何度も何度も繰り返した。文字通り「機械的」に反復する。そして自分の感知する世界をできるだけ狭く限定しようと努める。僕が目にしているのはせいぜい3メートルほど先の地面で、それより先のことはわからない。僕のとりあえずの世界は、ここから3メートル先で完結している。その先のことを考える必要はない。空も、風も、過去も、記憶も、僕にとってはもうなんの関係もないものごとなのだ。ここから3メートル先の地点まで足を運ぶーそれだけが僕という人間の、いや違う、僕という機会のささやかな存在意義なのだ。引用:村上春樹(2010).走ることについて語るときに僕の語ること

これほどまでに詩的に表現できませんが、なるほど確かに、彼の断言することは筆者も多分に理解できます。

ランニングスタート時はスタミナも保持していますから、遠くの情景もゆったりとのんびりと見渡すことができる訳ですが、息づかいも荒くなり、足の運びもスムーズにいかなくなるくらい持久力を消費すると、ちょっと前までのゆとりなどまったくもって消え失せ、正に一歩ずつが重い状態になって、3メートルから先のことなど見ることも気にかけることさえ、できない状態になってしまいます。

これは、生活に置ける別の状況にも該当し、ビジネスでも、家庭の事でも、ストレスがかかってスタミナを消費してしまうと、周囲が見えなくなってしまうのと変わりません。

お金を持久力と考えれば、経済面で自由になるお金がなくなると首が回らなくなって、その日暮らしに必死になってその他の差し迫った状態ではない事柄に対しては、さすがに気を配ることなど不可能です。

そんな事態にならないよう、また、仮にそうなったにせよいくつかはゆとりが感じられるよう、走って体力のギリギリのラインを知り、その上そこを超越することにより、人生のいくつものシチュエーションにおいても機能する「ストレスに抵抗する力」が鍛えられるわけです。

「ランニング=健康的=長寿願望」の勘違い

世間にはときどき、日々走っている人に向かって「そこまでして長生きをしたいかね」と嘲笑的に言う人がいる。でも思うのだけれど、長生きをしたいと思って走っている人は、実際にはそれほどいないのではないか。むしろ「たとえ長く生きなくてもいいから、少なくとも生きているうちは十全な人生を送りたい」と思って走っている人の方が、数としてはずっと多いのではないかという気がする。同じ十年でも、ぼんやりと生きる十年よりは、しっかりと目的を持って、生き生きと生きる十年の方が当然のことながら遥かに好ましいし、走ることは確実にそれを助けてくれると僕は考えている。与えられた個々人の限界の中で、少しでも有効に自分を燃焼させていくこと、それがランニングというものの本質だし、それはまた生きることの(そして僕にとってはまた書くことの)メタファーであるのだ。引用:村上春樹(2010).走ることについて語るときに僕の語ること

これについても激しく支持します。

筆者もこのような(健康的なダイエットについての)説を投稿している身分上、時として世間から「そこまでヘルシーマニアになってどうするの?走って疲れ切ってというのはかなり我慢してない?食べたいものが食べられなくて人生ハッピーなの?」という風に(ストレートにではないですがこのような意味を含めて)指摘されることだって時にはあります。

そのときは笑顔でその場をやり過ごすわけですが、胸中では、「そうではなくて、僕は、健康でタフでいることにより、一生涯でやり遂げたいことがあるのです。守りたいものを守れるようにありたいのです。誰にでも広い心で情愛を抱き接したいのです」と考えています。

こんな大げさなことは、恥ずかしくてそう簡単には口にできませんが、そう意識して健康に関して学習したことを実行検証し、その結果をもとに情報発信しています。それに加えて、食べものについて言えば、食べたいものを食べたい量だけ食べています。

ただ今では、ファストフードがカラダに良くない影響を及ぼす(かも知れない)ことを潜在的に理解しているのでフライドポテトを毎日食べるようなことはありません。

仮に、なんとなく強烈に食べてみたくなって食欲に歯向かえなかった場合でも、結局のところ、食べたあとはコンディションが不調になる(ように感じる)のです。これは、単なる偏見が要因の、言い換えれば悲観的に作用するプラシーボ効果に近いものかも知れないのですが、悪い影響ではないと思います。

ランニングで潜在意識から変わる

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このようにして、「健康的なダイエットにおいてのメリットとデメリット」を認知から潜在意識に及ぶまで落とし込むことにより、最初から「我慢をしている」という思考そのものが少しずつ薄れていくのです。

この点はドキュメンタリームービー「スーパーサイズミー」をご覧になることをお勧めします。筆者のファストフードに対する心情が伝わるのではないかと思います。アマゾンなどのショッピングサイトで、このDVDのレビューに目を通すだけでも役立ちます。

ランナーはどんな人も、ランニングすることによって、体調管理を含めて、将来的に実りあるライフスタイルを送るための土台作りをしているのです。走るのは骨が折れる行為ですが、ストレスに抵抗する力が養えます。逆説的だと思われますが、(過剰なアルコール飲用やドカ食いに比べるとよほど期待して良い)ストレス発散にもなります。

走ることを通じて基礎体力が身に付けば、アクティビティになり1日の間にできることの総量が増加します。仕事の作業効率もアップし、趣味などの好きなことにものめり込めます。

選択するのは、あなた自身

A group of seniors traveling in a converable.

また、ランニングするおかげで体全体の筋肉と骨が強化されると同時に基礎代謝量が増加し、不要な体脂肪が減少され、スタイル・姿勢が改善され、鏡に映った自分に誇りが持てるはずです。

ドレスアップをして外出したいテンションにもなるでしょうから、交流関係も広がりますし、公私両方ともに嬉しい影響をもたらしてくれます。

もっともっと走ることの良いところを数え上げればキリがありませんが、これだけであっても納得していただけるのではないでしょうか。それならばあなたはこれから先どちらをチョイスしますか?

いつも走っている人を「それほどまでして生き長らえたいか」と冷笑しますか。もしくはランニングなどのエクササイズを日常生活の一つとして主体的に導入しますか?選択するのは、あなた自身です。

Career Supli
ダイエットのために走るなんて効率が悪いとバカにしていましたが、この本を読んでランニングを始めようと思いました。
[文]ダイエットデザイナー相澤 辰典 [編集]サムライト編集部

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