ドワンゴの川上さん、グロービスの堀さん…ビジネスエリートはやっている囲碁のすすめ

囲碁は天下布武に役立つ!?

かつては織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などの名だたる戦国武将たちも、たしなんだといわれている囲碁。

もしかして昔は娯楽が少なかったから、暇を潰すのには、そういう地味なゲームしかなかったんだな、なんて思っていませんか?

「人生50年・・・」と人間の一生の儚さを辞世の句に読み、天下布武に一直線だった織田信長が、ただの娯楽にうつつを抜かすと思いますか? 

そんな訳はありません。

囲碁が、天下布武に役立つと考えていたから積極的に打っていたのです。
もちろん他の武将も同様です。

囲碁ブームがジワジワきてる!?

そして現在でも、有名企業の社長や役員の多くが囲碁を愛好しています。ドワンゴの川上量生さんはご自身で打つだけでなくニコニコ生放送で囲碁中継を配信しています.

グロービスの堀 義人さんはグロービス杯という日本で唯一開催される世界棋戦を主催したり、若い人が参加できる新しいタイプの囲碁サークルを立ち上げるなど、積極的に囲碁の普及活動を行っています。

現代には甲冑(かっちゅう)に身を包んで挑むような戦はありませんが、企業経営と囲碁は非常に共通点が多いといわれています。堀 義人さんはあるインタビューで、効率的に時間を使うためにゴルフはやらないと明言されていました。

その堀さんが、囲碁にこれだけ力を入れて活動をされているということは、囲碁にそれだけの魅力と価値があるのだと思います。ではいったい囲碁の良さはどんなところにあるのでしょうか。

囲碁の魅力1. 創造性のゲーム

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囲碁は黒と白が互いに陣地を広げあって、囲った陣地の大きい方が勝ちという、シンプルなゲームです。日本棋院の公式ウェブサイトでは囲碁の効能をこのように説明しています。

創造性
盤上の交点ならどこに打ってもよい自由なルールで「かたち」を創り上げていくのが囲碁です。破壊・征服を目的とした他のゲームには無い創造性があります。丸暗記や詰め込みだけでは囲碁は上達しません。この創造性が発想を豊かにするのです。

棋士たちは碁石を置くときに最善の場所をさがします。一手前にミスをしたときには次の手で挽回しようと思考をめぐらせます。一手一手、その時の最善をさがし、よい戦況にみちびく囲碁は、現実世界で企業を勝利に導くために必要な発想力をつけるのに最適です。

また、囲碁を打つことで普段はあまり使われない前頭葉・右脳が活発に活動することは科学的に証明されているので、発想力の他にも集中力、パターン認識などを強化するのにも役立ちます。

囲碁の魅力2. 碁盤を挟めば自然と親しくなる

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囲碁を打つ時には約45センチの囲碁盤を挟んで座るため、自分と対局相手が約120cm以内の距離に収まります。

この「120センチ以内」という距離は社会心理学的に「個体距離」のパーソナルスペースと呼ばれ、友人同士で個人的な会話をする時の距離といわれています。

そのため、初対面の相手と会った時に囲碁をすれば自然と親しくなることができます。自分の考え抜いて置いた一石に対し、対戦相手も考え抜いて一手を置くという繰り返しにより、囲碁の一局が終わる頃には他人同士ではなく対局者同士・友人という関係になれるのです。

また自分の主張だけをするのではなく、相手に向けて発信し、それに対する意見に耳を傾けるというコミュニケーションの基本に立ち返ることができるでしょう。

棋士たちは皆、囲碁をすることによって人とのつながりや仲間を手に入れているのです。

囲碁の魅力3. なにより楽しい!

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なんといっても囲碁は2,000年以上前から多くの人たちに愛されてきたゲームです。二次的な効用はたくさんありますが、第一に楽しいから長い間受け継がれてきたのでしょう。

昨年の2月にニコニコ生放送で初めての囲碁電王戦が開催されました。

3人のプロ棋士と生活の党代表小沢一郎さんVS囲碁ソフトZenで試合が組まれましたが、Zenが勝てたのは小沢一郎さんだけでした。

オセロ、チェス、そして将棋さえもコンピューターが強くなりつつある中で、囲碁ソフトはまだプロ棋士には勝てませんでした。いかに囲碁が奥の深いゲームであるかというのがおわかりいただけると思います。一生の趣味としては不足ありません。

おわりに

4月になり、新しい趣味を探している人も多いのではないでしょうか?楽しむついでに仕事に役立つ発想力・コミュニケーション能力を伸ばせる囲碁はとてもオススメです。

将棋のできる人に比べて囲碁のできる人は少ないように感じますが、だからこそ囲碁を始めるチャンスです!全国の碁会所では初心者用に囲碁講座が積極的に行われているようなので、きっと丁寧に教えてもらえるでしょう。

[文・編集] サムライト編集部