4人飲みはなぜ面白い?数学で考える飲み会の最適人数

飲み会の最適人数は?

飲み会は何人でやるのが楽しいものなのでしょうか。大人数でとにかく賑やかに楽しむ飲み会もあれば、少人数でしっぽりと会話を楽しむ飲み会もありますね。

昔から、筆者は飲み会の人数として「4人」が最適だと感じていました。4人で飲むと、おもしろい飲み会になるのです。友人に聞いても、確かに4人くらいがちょうどいいね、と言われることが多いです。

今日の記事では、なぜ飲み会の人数は4人がベストなのかということを、数学という武器を使って証明したいと思います。数学と言っても、大枠は中学レベルの知識があれば理解できる内容ですので、ぜひ読者の方も一緒に考えてみてください。

「おもしろい飲み会」の定義


まず、「おもしろい飲み会」とは、どのような飲み会でしょうか。記憶が飛ぶくらいのどんちゃん騒ぎをして、真っ白に燃え尽きたぜ…みたいな飲み会もある意味で「おもしろい」ものですが、ここでは「普段話すことのない、その人自身のエピソードや考え方が聴ける飲み会」を、「おもしろい飲み会」と定義します。

例えば、普段からとても斬新なアイデアを次々と実現させている同僚が、「昔モテなかったこと」を原動力にして仕事をしていることを知ったりだとか、面倒見が良く優しいと評判の先輩が、「人にあまり期待していないから誰にでも優しくできるんだ」という話をしてくれたりだとか…。

言い換えると、とても個人的な話が聴ける飲み会が、「おもしろい飲み会」になるのです。

それでは、「おもしろい飲み会」の定義が完了したところで、なぜ「4人飲み」が「おもしろい飲み会」になるのか、実際に証明していきます。

証明の流れとしては、まず「5人以上の場合ではおもしろい飲み会にならないこと」を示し、その後「4人以下の場合では4人がベストであること」を示す、というものになります。

なぜ5人以上の場合ではおもしろい飲み会にならないのか

先ほど、「おもしろい飲み会」というのは、「個人的な話が聴ける飲み会」である、と定義しました。

個人的な話というのは、基本的には「1対1でのコミュニケーション」です。仮にAさんの個人的な話がAさん、Bさん、Cさんの間で展開されていたとしましょう。

3人でのコミュニケーションかと思いきや、よくよく観察してみると、「AさんとBさんのコミュニケーション」や「AさんとCさんのコミュニケーション」といった「2人でのコミュニケーション」が、交互に行われているに過ぎないことがわかります。

なぜなら、個人的な話というのは、その人にフォーカスした会話でなければ出てこないためです。「なんでそんなに人に優しくできるんですか」「人に期待していないからだよ」というやり取りを、大勢と話しながらすることはできませんよね。

これと対照的なのが、大人数での飲み会におけるコミュニケーションです。大人数の場合、みんながわかって盛り上がれる最大公約数的な話題が中心となります。

よくあるのは、仕事の話、恋愛の話、テレビの話などですね。これは、「3人以上でのコミュニケーション」と呼べると思います。

つまり、「おもしろい飲み会」は、「2人でのコミュニケーション」の割合が「3人以上でのコミュニケーション」の割合を上回っている飲み会である、と考えられます。

ここからは、それぞれの飲み会の人数について、「2人でのコミュニケーション」の組み合わせの数と、「3人以上でのコミュニケーション」の組み合わせの数を考えます。

わかりやすいように、数学の公式は利用せず、実際に数え上げていく方法を取ります。

1) A・Bの2人で飲む場合(さし飲みの場合)

2人でのコミュニケーション…A・Bの1通り。

3人以上でのコミュニケーション…なし(0通り)。

1>0なので、「2人でのコミュニケーションの割合」が上回っています。

2) A・B・Cの3人で飲む場合

2人でのコミュニケーション…A・B、A・C、B・Cの3通り。

3人以上でのコミュニケーション…A・B・Cの1通り。

3>1なので、「2人でのコミュニケーションの割合」が上回っています。

3) A・B・C・Dの3人で飲む場合

2人でのコミュニケーション…A・B、A・C、A・D、B・C、B・D、C・Dの6通り。

3人以上でのコミュニケーション…A・B・C、A・B・D、A・C・D、B・C・D、A・B・C・Dの5通り。

6>5なので、「2人でのコミュニケーションの割合」が上回っています。

4) A・B・C・D・Eの5人で飲む場合

2人でのコミュニケーション…A・B、A・C、A・D、A・E、B・C、B・D、B・E、C・D、C・E、D・Eの10通り。

3人以上でのコミュニケーション…A・B・C、A・B・D、A・B・E、A・C・D、A・C・E、A・D・E、B・C・D、B・C・E、B・D・E、C・D・E、A・B・C・D、A・B・C・E、A・B・D・E、A・C・D・E、B・C・D・E、A・B・C・D・Eの16通り。

10<16となり、初めて「2人以上でのコミュニケーション」の割合が「3人以上でのコミュニケーション」の割合を下回りました。

上の例から直観的にわかりますが、5人以上で飲む場合においては、常に「2人でのコミュニケーション」の割合が、「3人以上でのコミュニケーション」の割合を下回ることになります。

念のため、その数学的な証明もつけておきます(ここだけ高校1年生レベルの数学になるため、不要な方は読み飛ばしてください)。

5人以上で飲む場合において、常に「2人でのコミュニケーション」の割合が「3人以上でのコミュニケーション」の割合を下回ることは、下記の不等式①を証明することに等しいです。

n≧5のとき、いかなるnについても、

nC2<nC3+nC4+…+nCn-3+nCn-2+nCn-1+nCn ― ①

2項係数の公式 nCk=nCn-kから、

nC2=nCn-2 ― ②

①②より、

nC2<nC3+nC4+…+nCn-3+nC2+nCn-1+nCn

⇔ 0<nC3+nC4+…+nCn-3+nCn-1+nCn ― ③

n≧5のとき、右辺は正の数ですから、③は明らかです。

よって、n≧5のとき、いかなるnについても①が成立します。

(証明おわり)

 

これで、「2人でのコミュニケーション」の割合が「3人以上でのコミュニケーション」の割合を上回る飲み会の人数は、2人、3人、4人の時だけであることが示されました。

言い換えれば、「5人以上の場合ではおもしろい飲み会にならない」ということですね。

なぜ4人以下の場合では4人がベストなのか

これは単純な話で、なるべく多くの人の個人的な話が聴けた方が、参加者にとってはおもしろいと感じるためです。

2人よりも3人の方が、3人よりも4人の方が、たくさんの個人的な話を聴くことができるでしょう。

したがって、「4人以下の場合では4人がベストであること」がわかります。

以上、「5人以上の場合ではおもしろい飲み会にならないこと」と「4人以下の場合では4人がベストであること」の2点から、「おもしろい飲み会のための最適人数は4人である」と結論できました。

「おもしろい飲み会」とは、誰かの個人的な話が聴ける「2人でのコミュニケーション」の割合が高い飲み会であり、その最適な人数は4人である、ということを書きました。

飲み会を企画する際はぜひ、「4人」というマジックナンバーにも注目してみてください。

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4人以上いると2つにグループが分かれてしまいがちですよね。