投資について本気で考えてみたい人のために
投資を将来のためにマジメに始めたい。終身雇用制や年功序列賃金制などの日本的経営が完全に崩壊し、年金システムまで事実上崩壊してしまった今の日本で、そのように考える人は少なくないはず。
ここではそんな人のために投資の考え方を読み物として楽しみながら身につけられる良書を15冊紹介します。ライトなものから歴史に残る名著までありますので、自分にあったものをチョイスしてみてください。
投資を真剣に学びたい人におススメの書籍15冊
1.『お金持ち入門 資産1億円を築く教科書』
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「資産1億円なら誰にもできる!」と豪語する投資の入門書。貯蓄や保険、株式投資、税金などそれぞれの分野に精通した11人のプロがそれぞれの持論の展開しています。
「社長の顔写真がホームページに掲載されていない企業の株式は購入しないほうがいい」「評価が下がらない不動産の見分け方」など具体的なメソッドも惜しげもなく開陳されており、「ちょっとやってみようかな」という気持ちにさせてくれる1冊です。
2. 『投資バカの思考法』
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投資家として25年のキャリアを持ち、「ひふみ投信」のファンドマネージャーとしてR&Iファンド大賞を4年連続受賞した著者の本。本書では投資とは切っても切れない「チャート分析」や「日経平均予測」は置いておいて、客観的な分析力と利益のためにリスクを選択する決断力を身につけるための考え方を紹介しています。
「盗撮力」「決断力」「リスクマネジメント」「損切り」などの7つの力を主軸として、投資だけでなくお金についての考え方も学べる1冊。
3. 『あらゆるニュースをお金に換える 億万長者の情報整理術』
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超情報化社会となった現代において、情報をうまく読めずに投資を成功させるのは不可能に近い芸当です。本書は『お金持ちの教科書』などのベストセラー著書で知られる加谷珪一氏が、現代に溢れかえる情報をお金へと換えてしまうための「マネー・インテリジェンス」の使い方を紹介したもの。
ニュースや日銀総裁のコメントの解釈の方法、有象無象のブログから信頼の置ける情報を選び出す方法など、投資についての思考力と同時に情報リテラシーも身につく1冊になっています。
4. 『日本株は、バブルではない―――投資家が知っておくべき「伊藤レポート」の衝撃』
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『投資バカの思考法』の著者が今の日本で起きつつある経済的な変革を支える「新・三本の矢」とその影響について解説した本。「新・三本の矢」とは経済産業相が主宰するプロジェクトから生まれた「伊藤レポート」、「責任ある機関投資家」の諸原則・通称「日本版スチュワードシップコード」、これに対になるものとして2015年6月から実施された「コーポレートガバナンスコード」の3つです。これらが投資に、そして日本経済にどんな影響を及ぼすのか。これから投資を始める人にも必読の1冊です。
5. 『気づきの投資術』
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投資のテクニックというよりは、投資を行うにあたっての心構えについて著者の考え方を説いた本です。もちろん心構えだけで投資を成功させられるわけではありません。
しかし同時に心構えなくして投資を成功させるのも難しいでしょう。その意味で本書は投資の入り口に立とうとしている人にとっては魅力的な1冊です。ただし、ある程度投資の思考法を学んだ人にとっては物足りないかもしれません。
6. 『敗者のゲーム〈原著第6版〉』
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全米累計100万部を超える不朽の名著の最新版を翻訳したもの。本書は個人投資でどんどん稼いでいくのではなく、将来のために堅実に確実に資産運用を成功させるための方法を論じています。その方法とは「インデックス・ファンド」です。
これは日経平均株価などの株価指標と同じ値動きを目指して資産運用をする投資信託の一種。チャールズ・エリス氏はこのインデックス・ファンドこそが最も手堅い投資先とし、その優位性と効率性を説きます。投資で大成功できない「敗者」のための戦い方指南書。
7. 『バフェットからの手紙 [第3版]』
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Amazonのビジネス・投資部門で上位100人の著者の1人に挙げられるローレンス・A・カニンガム氏が、20世紀最高の投資家ウォーレン・バフェット氏の真実の姿を描いた1冊。
『フォーブス』や『フィナンシャル・タイムズ』などでも「バフェットについての本では抜群の1冊」との評価を受けている名著です。「買った株は一生手放さない」とすら言われる長期投資の鬼・バフェット氏の手堅い投資哲学を学びたいという人におすすめ。
8. 『相場師一代』
著:是川 銀蔵
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個人投資家として数百億円の株取引に成功し、「最後の勝負師」とまで呼ばれた著者が95年の生涯に幕を引く2年前に書いた自伝。16歳の時から商売をはじめ、生涯を通じて独学で経済を自分のものとし、世の中を渡り歩いた男のドラマチックな生涯と、現代の「勝負」にも通じる名言の数々は一読の価値があります。この本を読んで投資に強くなるわけでは全くありませんが、投資の世界に身を投じた男の生き様を楽しむにはとっておきの1冊。
9. 『リスク−神々への反逆』
著:ピーター・L. バーンスタイン / 訳:青山 護
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1720年にロンドンで起きた南海泡沫事件からアメリカのサブプライムローン問題まで、人類の投資の歴史は常に大きなリスクと背中合わせです。ニューヨーク連邦銀行や投資顧問会社経営の経歴を持つ著者は、古代ギリシャの人々の思考様式からルネッサンスや宗教改革における「思考」の自由化、保険システムの誕生など、人類史における「リスク概念」の形成史を本書で辿ってみせます
。投資とは切っても切れない「リスク」。それをとことんまで考え抜ける、年代記風にしたためられた1冊。
10. 『賢明なる投資家』
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先ほども登場したウォーレン・バフェット氏が師として仰ぐ、ベンジャミン・グレアム氏の著書。本書は個人投資家やウォール街を牛耳る金融のプロたちが投資理論のバイブルとして読み継がれている1冊です。
証券の分析や投資のテクニックなどについては書かれておらず、「投資」という行為の原理のほか、投資家のあるべき姿などについて丁寧に綴られています。また投資収益については、一獲千金のような儲け方でなく、手堅い儲け方こそ真なりという姿勢を示しています。
11. 『ウォール街のランダム・ウォーカー <原著第10版>』
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累計150万部を超える大ベストセラーの最新版の翻訳書です。先ほど挙げた『敗者のゲーム』同様、インデックス・ファンドの投資効率性を説いた本。かなり詳細なデータを挙げて解説しているので、「投資理論をどう考えるか」という点においても一読の価値ありです。
「テクニカル分析手法」や17世紀にオランダで起こったチューリップバブルから現代のITバブルに至る人類バブル史についての記述など、随所に散りばめられたエピソードが全483ページというボリュームを感じさせないほど面白く読ませます。
12. 『テンプルトン卿の流儀』
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『マネー』誌が「20世紀最高のストックピッカー」と称する著者の理論と、その取り入れ方を解説した必読書です。本書の副題が「伝説的バーゲンハンターの市場攻略戦略」となっている通り、テンプルトン卿は他の投資家が「もうダメだ!」と投げ売りした株を積極的に買い、他の投資家が「これは買わなきゃならん!」と必死に買いあさる銘柄を売る、というスタイルがお家芸。
このスタイルを確立するには度胸と努力が必要ですが、成功するためには投資を始める前に読んでおきたい1冊です。
13. 『フィッシャーの「超」成長株投資』
著:フィリップ・A. フィッシャー / 訳:高田 有現・武田 浩美
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ウォーレン・バフェット氏の師匠の1人であり、同氏と同じく超長期投資によって財をなした著者による本。厳しい基準で選び抜かれた銘柄だけに投資し、何年もかけて利益が何倍にもなるような儲け方をせよ、というストイックな投資哲学が語られています。
本書の内容をそのまま実践するか否かは、ほかの本と同様読者に委ねられますが、最もオーソドックスな投資哲学だけに、はじめに読んでおきたい1冊でもあります。
14. 『ファンダメンタル投資の教科書』
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公認会計士であり、個人投資家でもある著者が四季報や決算短信、有価証券報告書を使った銘柄の選び方や売るタイミングまでを懇切丁寧に解説した本。ファンダメンタル投資とは先ほど挙げたような企業の業績を読み解くことで、どの銘柄が伸びるのか、低迷するのかを見極める手法です。投資の基本の「き」とも言える理論なので、知っておいて損はありません。
15. 『実践 生き残りのリーディング』
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ここに挙げた本を何冊か読み、実際に投資をいくらかやってみた後にぜひ手に取ってほしい1冊。トレーダー・投資家がいずれはぶち当たるであろう数々の壁についてのアプローチを100項目取り上げた、いわばトラブルシューティングのためのヒントが盛りだくさんです。
また、投資を始める前に1冊を買っておいて読み進めれば「いずれ自分はこの壁にぶつかるな」という予防策を講じることも可能でしょう。
技術よりも思考力
投資を成功させるためには、様々なテクニックも必要かもしれません。しかし本当に大切なのは集めた情報や蓄積した知識を生かすための「思考力」です。ここで紹介した15冊は、この最も重要な部分を実際の経験と実績に基づいて解説したものばかり。先駆者の著書に学び、「将来のための投資」に役立ててください。
[文・編集] サムライト編集部