食べてすぐの歯磨きは万病のもと!最先端医療が明かす歯磨き4つの事実

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ビジネスマンは歯が命?

みなさんは正しい歯磨き、できていますか?健康に気を遣ってお酒やタバコを控え、週に何日かは運動する習慣を身につけ、食べるものにこだわっていても、間違った歯磨きを続けていると徐々にカラダのパフォーマンスが低下していき、ビジネスマンとして第一線で働き続けられなくなるかもしれません。

唾液に注目した臨床歯科の第一人者・森昭(もり・あきら)さんによれば、この間違った歯磨きの最たるものは「食べてすぐの歯磨き」なのだそうです。ここでは森さんの著書『歯は磨いてはいけない』の中から、正しい歯磨きのための4つの事実を紹介します。

歯の健康=カラダの健康

人間の口の中には約100億、約700種もの細菌が存在していると言われており、まだ正体不明の細菌も多数存在します。通常の細菌数でも「肛門より多い」と言われていますが、あまり手入れされていない人の口の場合はその数が1兆を超えるというデータもあります。

中でも歯垢(プラーク)には1mg当たり1億〜1兆個の細菌が生息しており、これらが口の中の毛細血管を通じて全身を駆け巡っているのです。これだけでも歯の健康がカラダの健康に直結していることがわかりますが、実際に様々な臨床データから、歯の健康と命につながる重大な病気との密接な関係が明らかになっています。

・脳梗塞などの梗塞疾患

→口の中の毛細血管から入り込んだ細菌が、血管内で炎症を起こし「血管プラーク(汚れの塊)」を作り、梗塞疾患の原因になります。

・糖尿病

→歯周病による歯ぐきの炎症が起きると、その組織に「炎症性サイトカイニン」が分泌されます。これが毛細血管から血液中に入り込み、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の働きを阻害し、糖尿病のリスクを高めます。

・アルツハイマー

→歯の噛み合わせは脳のパフォーマンスに大きく影響しているため、残っている歯の本数と認知能力は比例するという研究結果が数多くあります。またアルツハイマー病の専門誌『ジャーナル・オブ・アルツハイマーズ・ディジーズ』には、認知症で死亡した人の脳を調べると歯周病菌が見つかり、そうでない人の脳からは見つからなかったという論文も発表されています。

狭義の日本人の歯周病の有病率は20代後半から30代前半で20%弱、30代後半から40代前半で25%程度、広義では「日本人の8割は歯周病」とも言われます。より長く健康なカラダを維持するためには、歯の健康の維持は必要不可欠なのです。

「食後の歯磨き」は大きな間違い!

Keeping his teeth clean and healthy
「大丈夫!毎日きちんと歯磨きしてるし!」と言いたくなる人も多いでしょう。しかしその歯磨きは本当に「きちんと」しているのでしょうか。

糖質を含む飲食をすると人間の口の中は酸性に傾きます。すると歯は一時的に軟らかくなります。この硬さを元に戻しているのが通常の唾液よりも性能の高い「食後の唾液」です。

ところがここで「食後の歯磨き」をすると、歯磨き粉の泡と一緒にこの高性能な唾液まで吐き出すので、唾液の持つ歯の修復効果を無駄にしてしまいます。

しかも軟らかくなっている歯を研磨剤入りの歯磨き粉と歯ブラシでゴリゴリと削るため、歯が削れて知覚過敏にもつながります。知覚過敏になれば自覚症状があるので改善しようとしますが、知覚過敏にならずに歯を削り続けると、歯の根元がくさび状にえぐれる「くさび状欠損」という症状に陥ります。

森さんによれば30歳以上の日本人のほとんどが知覚過敏ないしくさび状欠損を経験しているのだそうです。つまり私たちが「きちんとしている」と思っている歯磨きは、歯にとっては全く「きちんとしていない」のです。

しかも私たちが通常「歯ブラシ」と言われて思い浮かべる三列歯ブラシは食べかすを取るには効果的ですが、歯垢が発生しやすい歯と歯の間や歯の付け根に対してあまり効果がありません。

さらに歯ブラシは一ヶ月も連続使用していると細菌の温床となり、歯に対してグリグリと病原菌を押し付けているのと同じ状態になります。マンチェスター大学の調査によれば、皮膚炎の病原菌(ブドウ球菌)を含む1億以上の細菌が住み着いていたのだそうです。

さてこれらの事実を見てもまだ「大丈夫!毎日きちんと歯磨きしてるし!」と言えるでしょうか。

「市販の歯磨き粉」はほとんど意味がない

実は私たちが日頃使っている歯磨き粉にも問題があります。市販の安価な歯磨き粉には必ずと言っていいほど「ラリウル硫酸ナトリウム」が含まれています。

これは合成洗剤にも含まれている泡立ちを良くするために入れられている洗浄成分です。これがいわゆる「歯磨きをした後のすっきり感」を演出しているわけですが、歯周病予防に対してはあまり意味がないどころか、場合によっては悪影響すら与えます。

というのもラリウル硫酸ナトリウム配合の歯磨き粉で歯を磨くと、良く泡立つので「磨いた気」になってしまい、細かい部分まで磨いているかを確認しなくなるので、歯磨きが適当になってしまうからです。

また口の中に歯磨きの味が残ってしまうので、食前に磨くとご飯が美味しくなくなるという理由で、食後に歯磨きをするようになります。その結果柔らかい歯を歯ブラシでゴリゴリ削るという結果につながります。

特に「研磨剤入り」「ツブツブ入り」は最悪です。研磨剤入りの歯磨き粉は長年使い続けることで歯を削り、知覚過敏やくさび状欠損の原因になります。ツブツブの顆粒入りの歯磨き粉の顆粒は歯ぐきや被せ物の奥に何ヶ月も溶けずに残り、歯周病の原因になります。

これらのことから森さんは「市販の安価な歯磨き粉は使わないほうがマシ」と断言しています。

「デンタルフロス×音波歯ブラシ」がベスト

ではどのようにすれば歯周病をより効果的に予防できるのでしょうか。森さんは著書『歯は磨いてはいけない』の中で、自身の方法を次のように紹介しています。

1. 起床後「デンタルフロス」+「電波歯ブラシ」
2. 朝食後「デンタルフロス」+「舌回し」
3. 昼食後「デンタルフロス」+「舌回し」
4. 寝る前「デンタルフロス」+「音波歯ブラシ」
5. 3ヶ月〜4ヶ月に一度、歯科衛生士によるプロフェッショナルな口腔ケアを受ける
引用『歯は磨いてはいけない』p62

これらに加えて歯の着色や歯ぐきの調子を見てたまに歯磨き粉(市販の安価なものではない)を使うのだそうです。「デンタルフロス」とは歯の間の歯垢を除去するための細い糸のこと。

使い慣れるまでには時間はかかりますが、慣れれば歯ブラシよりも格段に歯垢を取り除けるようになります。「舌回し」とは唾液の分泌を促し、高性能な食後の唾液の効果を最大限引き出すための舌の体操です。やり方は次の通りです。

1. 口を閉じる。
2. 右上の奥歯と頬の間に舌を置き、左上奥歯、左下奥歯を通って右下奥歯まで舌を歯に沿わせながら動かす。
3. 2を10回行った後、逆回りを10回行う。

「音波歯ブラシ」は1分間で3万回〜4万回振動する電動歯ブラシの一種です。振動によって発生する唾液の水流によって歯の間の歯垢を除去してくれるので、ほかの電動歯ブラシよりも歯垢除去に効果があります。

森さんのおすすめはフィリップスの「ソニッケアーシリーズ」。最上位モデルは実勢価格1.5万円程度と高級品ですが、エントリーモデルであれば1万円以下から手に入ります。

それでも手で磨くのと比べると圧倒的な歯垢除去力なので、ぜひ一度通販サイトや家電製品店で調べてみましょう。全てを森さんと同じにするのは時間や手間の観点から難しいかもしれませんが、どれか1つを導入するだけでも歯周病の危険は大幅に軽減できるはずです。

「正しい歯磨き」を積み重ねよう!

歯磨きだけで歯周病の原因全てを予防できるわけではありません。しかし間違った歯磨きの習慣が、歯周病の大きな原因になっていることは間違いありません。

ここで紹介した内容を参考にして、これまでの自分の歯磨きを見直し、正しい歯磨き習慣を身につけましょう。そうして毎日「正しい歯磨き」を積み重ねていれば、ビジネスマンとしてだけでなく、人としてより長く高いパフォーマンスを維持できるはずです。

参考文献『歯は磨いてはいけない』
Career Supli
健康な歯は財産ですよね。後悔しないようにいまからケアしましょう。
[文]鈴木 直人 [編集]サムライト編集部

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