「多数派の一人」じゃ勝てない!逆張り思考を鍛えてラクして勝とう!

成功者が実践する「逆張り」

米国に、ジョン・ポールソンというヘッジファンドのマネージャーがいます。

サブプライムローンの破綻を予測、リーマン・ショックで最も稼いだ男として本になった伝説の人物です。

彼はみんなが「住宅価格は上がり続ける」と信じていた2005〜2006年の時点で、「近い将来に地価が暴落する」というシナリオに逆張り投資し、見事ボロ儲けしたのです。

ビジネスも、ライフスタイルも、ちょっとした買い物でも、必ず多数派と少数派が存在します。

大半の人は自分がそうしたいか・したくないか、そう思うか・思わないかに関係なく、多数派になろうとするもの。

しかしそこであえて少数派になることを選ぶこと、これが逆張り思考です。

ジョン・ポールソンだけでなく、成功者の多くは逆張りをして結果を残しています。

なぜなら逆張りをした方が、ラクに勝てるからです。

ではなぜ逆張りが成功につながるのでしょうか? どうすれば逆張り思考が身につくのでしょうか? 

以下では逆張りと成功の関係、逆張り思考を身につけるポイントを3つのステップに分けて紹介します。

「みんなと同じ土俵」で勝つのは難しい

多数派の戦い方にも向き・不向きがある

多数派として何か結果を出そうとするのは、「みんなと同じ土俵で戦う」ということです。

例えば結婚や就活、ファッションでの多数派は以下のような戦い方をしています。

・結婚……リアルで出会ってゴールインするのがまだまだ「多数派」。
・転職……転職サイトを使ってエントリーシートを書くのが「多数派」。
・ファッション……インフルエンサーなどを見て、ほとんど同じ服を着るのが「多数派」。

多数派の戦い方に向いている人はともかく、不向きな人はなかなか勝つことができません。

リアルでの出会いがない人が、リアルでの出会いを待って結婚しようとする。

エントリーシートでは語りつくせない経験や情熱をもった人がネットを使って就活する。

容姿や体型に自信のない人がほかの人と同じ服を着る。これで結果を出すのはちょっと難しいですよね。

でも逆張り思考で、みんなと同じ土俵に立たなければ、勝てる確率は大幅にアップします。

マイナースポーツの方がトップになりやすい

スポーツで考えてみましょう。たとえばサッカーの競技人口は日本だけで約750万人といわれています。

このなかに混じってトップをとるには、途方もない努力と実力、運が必要でしょう。

一方、オリンピック競技にもなっている「近代五種」は、馬術・ランニング・フェンシング・水泳・射的の5種目を1人で行う複合競技ですが、日本の競技人口は33人とされています。

近代五種がサッカーに比べて簡単な競技だというわけではありません。でも「700万人以上と戦って勝つ」と「32人と戦って勝つ」を比べたとき、どちらが勝てそうかは明らかではないでしょうか。

百獣の王こと武井壮さんは陸上の「十種競技」の元日本チャンピオンですが、彼がこの競技を選んだのは確実に日本一が取れるだろうと考えていたからだそうです。

陸上の花形といえば長距離や短距離ですが、大半の人が選ばない十種競技に逆張りをしたことで、武井さんは日本一を勝ち取ったわけです。

このように、あえて多数派の土俵から下り、ほとんど人がいないような土俵を選べば、それだけで勝ちやすくなるのです。

逆張り思考はどうすれば身につくの?

とはいえ、実際に逆張りをするのは勇気がいります。
「失敗したらどうしよう」「変な空気にしちゃったらマズイぞ」と思ってしまうと、「みんなと同じやり方にしておこう」と多数派に舞い戻りたくなるものです。

でも大丈夫。逆張り思考は鍛えられます。以下では逆張り思考を鍛えるためのポイントを、3つのステップに分けて紹介します。

●「ちょっとした逆張り」にお金をかける

独立してビジネスを立ち上げる、海外に移住してみるなど、仕事や人生の大きな決断でいきなり逆張りをするのは、誰でも怖いものです。ですから、まずは気軽にできる逆張りから始めればOKです。

リアルで出会いがないならマッチングアプリを始めてみる。転職サイトではなくて転職エージェントを使ったり、SNSなどを通じて企業に直接コンタクトをとったりしてみる。誰も知らないようなマイナーなブランドの服を買ってみる。

最初は失敗するかもしれませんが、この程度の逆張りならうまくいかなくても大した損にはなりません。

大切なのは失敗と成功を繰り返しながら、「逆張り思考をして、その通りに行動する」というのに慣れること。「みんなと違っても、何も問題ないんだ」と思えるようになれば、大きな第一歩を踏み出せたと言っていいでしょう。

●「慎重な分析と冷静な判断」で精度を上げる

逆張り思考の実践に慣れてきたら、次は逆張りの精度を上げる段階です。

リーマン・ショックで最も儲けた男ジョン・ポールソンのところでも触れたように、投資の世界には「逆張り投資」という言葉があります。

この投資手法で失敗をする人の典型的な特徴が以下の2点です。

1.投資対象を取り巻く環境を把握できていない。
2.焦りや後悔によって感情的な判断をする。

これは投資以外の逆張りでも同じです。

あえて少数派を選んで勝てる確率を上げるのが逆張りです。

ですから、「少数派だと思ったら、実は多数派だった」「少数派ではあるが、精鋭ばかりで自分が入り込む余地がなかった」となれば台無しです。

「○○が気に入らないから」「○○を見下したいから」といった感情で逆張りをすると、分析がおろそかになるため、やはり失敗する確率も高くなります。

そのため逆張りの精度を上げるには、「本当に少数派で、しかも自分が入り込む余地があるのか」を、余計な感情を追い出したうえで、慎重に分析する必要があるのです。

●こだわりのある分野で「だけ」逆張りをする

人間は多数派だということにほっと安心する生き物です。もともと集団生活するように進化したのですから当然です。だから逆張り思考ばかりしていると、「人と違うこと」に疲れてしまいます。

そんなときに思い出すべきが、日本映画界の宝、小津安二郎監督の「なんでもないことは流行に従う、重大なことは道徳に従う。芸術のことは自分に従う」という言葉です(『キネマ旬報』1958年8月下旬号)。

つまり逆張り思考を使う場面を選べばいいのです。ファッションなんてどうでもいいと思うのなら、なんとなく流行の服を着ていれば十分。
でも食べ物に人一倍こだわりがあるのなら、周りがランチでファストフードやジャンクフードを食べていても、自分は隣駅の老舗カレーを食べに行く。

そうして少数派になる場面を使い分けていれば、逆張りをすることに疲れず、コツコツと自分のものにしていけるはずです。

逆張り思考で「無駄のない努力」をしよう

多数派のなかには、母数の分だけ「才能のある人」の数も増えます。なので、多数派のなかに混じって努力をするとなれば、どうしたって才能のある人と戦う可能性が高くなります。すると、努力が結果につながらないリスクも高くなります。

もちろん結果が出なかったからといって、努力がすべて無駄になるわけではありません。知識・経験にはなります。

でもどうせだったら、知識・経験にもなって、かつ結果にもつながる方がいいと思いませんか?

逆張り思考を身につければ、知識・経験・結果すべてを手に入れられる可能性が一気に増します。

最初は勇気もいるでしょうし、逆張りの精度が悪ければ失敗のリスクも高まります。逆を考えてばかりで「もう疲れた」と思うこともあるかもしれません。

ここで紹介した方法を実践すれば、そうした逆張り思考のデメリットを最小限に抑えることができます。

ぜひ逆張り思考を鍛えて、「無駄のない努力」でラクに勝っちゃいましょう。

Career Supli
あなたが逆張りしたいところはどこか、考えてみてください!
[文・編集] サムライト編集部