学習を継続できない人向け、学習を自動化するためのちょっとしたコツ

スキルの習得のステップ

プログラミング、デザイン、英語…将来のキャリアを考え、ずっと習得したいと思っていたスキルはあるのだけれど、どれも身についていない。

スキルの習得がストップしているのは大きく分けて2つのフェーズにあるでしょう。

①「最初の一歩を踏み出せていない」
②「学習が継続できない」

①「最初の一歩を踏み出せていない」

そもそもなぜ最初の一歩を踏み出せないのか考える必要があります。おそらく「漠然」とスキルを習得したいと思っているものの一体何から着手すればよいのか分かっていないからでしょう。

たとえば、英語を習得したいと考えているとします。しかし、英語を習得するために何を学習すべきなのかが分かっていません。ここでやる気が失せて何も着手できず終わってしまうのです。

ここで、習得すべきスキルを「細分化」するところまで踏み出せると状況は大きく変わってきます。『「週4時間」だけ働く』で有名なティモシー・フェリス氏はタンゴ、流鏑馬、日本語などを短期間で次々と習得化したことで有名です。

彼はDiSSS :deconstruction(分解) selection(選択) sequencing(優先順位付け)stakes(目標設定)という自ら編み出した学習プロセスのコンセプトを提案しています。

deconstruction(分解) selection(選択) sequencing(優先順位付け)の3つはつまり「細分化」のことです。

細分化:分解、選択、優先順位付け

フェリス氏は日本語の学習を例に上げています。日本語は外国人からすると学習すべきことが大量にありすぎて圧倒されてしまいます。一気にやる気が削がれる危険性が高いです。

そこでフェリス氏は学習対象を細分化することを提案しています。たとえば214の漢字の部首の学習から開始するなどです。

部首だけなら早い人なら1~2か月ほどで習得可能です。ここで大事なのはこのように細分化することにより、そのステップごとに達成感を感じやる気を減速させることなく学習できるのです。

自分が学習したいスキル習得に習熟しているコーチやおススメ書籍などを参考にして学習対象を細分化しステップごとに達成感を感じながら学んでいくと良いでしょう。

②「学習が継続できない」

学習に踏み出せたものの継続できない。そんな方も多いでしょう。

そこで学習を習慣化することが重要となります。習慣とは言い換えれば人間が無意識に繰り返している行動のことです。学習が習慣にまでなれば、学習の継続はやる気頼りではなくなります。

ここで重要なのは、あなたがすでに持っている習慣と学習習慣とを置き換えることです。振り返ってみてください。ついつい電車の中でスマホを見てしまっていませんか。無意識にしていることなら、もはやそれは「スマホ閲覧の習慣」なのです。

習慣形成に脳が関わっている

南カリフォルニア大学の心理学者Wendy Wood氏によると人間の行動の40%は無意識に実行されている習慣とのこと。

習慣形成には脳が関わっています。脳の基底核が脳へかかる負担を削減するために頻度の高い行動を意思決定の不要な習慣に指定しているのです。

ロンドン大学の実験で平均66日で何らかの行動が習慣化されるという結果が出ています。いったん習慣化されると強固です。なかなかその習慣は変わりません。

つい通知が来ればスマホを取り出してSNSを見てしまう、電車で席に座ればネットサーフィンをするなど莫大な時間が浪費されていきます。しかし、これを逆手に取ると良いのです。その習慣をスキルを学習する時間に置き換えるのです。

習慣化のプロセス

習慣に関する研究の知見の集大成といえる書籍『習慣の力』では習慣が形成されるプロセスが以下のように説明されています。

習慣化のプロセス

①キッカケ
行動をとらせる引き金となる物、状況

②ルーチン
キッカケをもとに起きる行動

③報酬
ルーチンの行動をもとに得られる物や感情

習慣を変えたければ、代わりのルーチンを見つけること。そしてグループの一員として変わることに専念すれば、成功率は劇的に上昇する。142P チャールズ・デュヒッグ著『習慣の力』講談社

ルーチンと学習を置き換える

無駄に時間を消費していたルーチンを学習と置き換えることが重要です。

キッカケ  通勤電車で椅子に座る
ルーチン  スマホでゲーム
報酬    退屈解消

キッカケ  通勤電車で椅子に座る
ルーチン  英語でTEDを視聴
報酬    退屈解消

グループに所属する

またグループに所属することも重要です。グループには現にスキルを上達させることに成功しつつあるメンバーもいるでしょう。彼らの姿を見ることで「自分にもできる」という自己効力感を得られるのです。この自己効力感はすべてのスキル習得において非常に重要です。

一度習慣化すると後は無意識に学習に取り組めるようになることでしょう。

まとめ

今回のおさらいです。身に着けたいと思っているスキルはあるのだけれどどれも身についていない。スキルの習得がストップするのは大きく分けて2つのフェーズにあります。

①「最初の一歩を踏み出せていない」の場合

自分が学習したいスキルの習得に習熟しているコーチについたり、おススメ書籍などを参考にして習得すべきことを細分化。ステップごとに達成感を感じながら学んでいくことが重要です。

②「学習が継続できない」の場合

キッカケ→ルーチン→報酬を理解し、これまで無駄にしていた習慣を学習の習慣に置き換えましょう。グループやもしくは講師やメンターがつくオンラインレッスンに応募しましょう。

Career Supli
習慣化のプロセスをじっくり考えることは非常に重要ですね。
[文・編集] サムライト編集部