地方創生はうまくいくのか?地域活性化の秘訣はココにあった!

何県出身ですか?

最近何かと話題になっている地域創生。2015年度の予算では、1兆円もの額が使われるそうです。

色々な場所で行われる地域活性化に向けた取り組み。もし、あなたが「生まれた地域を活性化してくれ」と言われたら、どんなことができるでしょうか?今回はそのヒントになるような、地域創生の良い事例をご紹介します。

アニメ×地域

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海外でも人気の日本のアニメ。政府が行っている「クールジャパン」でも、力が入れられているジャンルです。人気アニメの舞台に取り上げられると、アニメファンを誘致し、多大な地域活性効果を生み出すことがあります。

・ガールズ&パンツァー

2012年から13年にかけて放映された「ガールズ&パンツァー」の舞台に取り上げられた茨城県大洗町。東日本大震災の影響で海水浴客が激減するなか、作品に登場する場所を巡る「聖地巡礼」に訪れるファンが急増。7億円(野村総合研究所調べ)もの経済効果を生み出しました。

・花咲くいろは

石川県金沢市の湯涌温泉を舞台にした「花咲くいろは」。アニメの影響で、湯涌温泉の観光客数は約6万人(2013年)。放映前の前年度の数字を7.4%上回りました。さらにアニメに登場する「湯涌ぼんぼり祭り」を2011年から実際に開始。初年度は5000人、翌年には7000人の観光客が訪れ、祭りを楽みました。

・ハイキュー

岩手県軽米町を舞台にしたバレーボールマンガ「ハイキュー」。元々は自然が豊富ながらも室内の観光施設などは少ない地域。さらに東京から4時間半もかかる状況でありながら、多くの作品のファンが訪れています。

これまで聖地巡礼は、埼玉県秩父市や茨城県大洗町など、もともと観光地であった地域で行われていることの方が多いモデルでしたが、岩手県軽米町のような、アクセスが不便で自然が残るエリアでどのぐらいの経済効果を生み出すのか注目されます。

アニメを軸にした地域活性化は、今後も多大な経済効果を生み出す可能性を秘めたモデルです。しかし、ただ作品に取り上げられても、作品自体の魅力はもちろん、舞台エリアのロケーションにも魅力がないと人気に結びつけるのは難しいモデルと言えます。

さらに、このようなコンテンツには流行があり、一過性の経済効果になりがちです。作品の魅力によって訪れた観光客をどのように定着させるかが、課題といえるでしょう。

教育×地域

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・島根県立隠岐島前高校の進学実績向上による移住、地域活性化の促進

壱岐島唯一の高校「島根県立隠岐島前高校」は、全校生徒約100名という規模だからこそできる、手厚い指導のメリットを最大限に生かした教育を行っています。

著名講師を招いた特別プログラムや海外研修のほか、休みの期間中には大学生との交流などを通じ、島にいながらにして、本土の高校生との情報格差を感じさせない充実のプログラムが組まれています。進学実績も、本土の高校より優秀との評判が広まり、最近では、この高校に入るため、島に移住してくる一家もいるそうです。

・高知県高知市の土佐山の小中一貫教育

生徒数が現象したため、地元の小学校と中学校が合併されることになりました。これを機に中高一貫による計画的な9年間の「英語表現活動」の実施、「土佐山学」というコンセプトのもと、地域について学び、地元の人たちともコミュニケーションを行いながら、体験活動や人の交流の中で自分の生き方を考えることで、グローバル人材の育成を目指すという新しい取り組みが行なわれており、注目を集めています。ブロガーのイケダハヤトさんがブログで紹介したことでも話題になりました。

廃墟×アート

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・空知炭鉱跡を使ったアート

北海道の空知地方は日本最大の炭鉱の町として1960年代に栄えましたが、1990年代には閉山。地元大学生とアーティストが炭鉱跡をにアート作品を展示し、施設存続と地域再生を目的に活動しています。

・岡山県岡山市犬島

岡山県にある犬島は、明治時代後半に犬島製錬所の繁栄で栄えましたが、産業の衰退で人口の8割以上が高齢者という、過疎の島でした。2009年に「犬島アートプロジェクト」と題して、製錬所や島の空き家を利用して美術館をオープン。毎年約2万5千人が訪問し、地域活性化に貢献しています。

WEB×地域

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・「tab」を活用した岐阜県高山市国分寺通り商店街活性化プロジェクト

tabは、ユーザーが見つけた「行ってみたい場所」に近づくと、通知してくれるスマートフォンのアプリです。高山国分寺通り商店街では、このシステムを使って、位置情報とひもづけ、お客様に来店を促す取り組みを行っています。

約30店舗がこの機能を利用して、割引クーポンや特典などの情報を発信。スマートフォンを使ったコミュニケーションが、商店街の発展や地域活性化につながる可能性を秘めています。

・LINEマルシェを使った地域活性化

LINEのECサービス「LINEモール」内の「LINEマルシェ」では、収穫したての農作物や魚介類など、山地まで出向かないと手に入らない食材を現地の人から直接購入できます。

この「LINEマルシェ」を通じてまだ名前の知られていない地域の特産物や名産品をアピールすることで、その地域に興味をもってもらうキッカケになります。

地域活性プランのコンテスト

福井県鯖江市では、毎年9月に「あなたが鯖江市長になって、地域活性化を考える」というテーマで、「鯖江市地域活性化プランコンテスト -Be a Mayor of Sabae City-」を実施しています。

今年の最優秀賞は、鯖江でペット用メガネを作り、全世界のペットがかけるようになれば、鯖江市の活性化につながると主張した大学生3人組「チーム桜餅」(住吉昂太さん、塚本美帆さん、町塚俊介さん)のプラン。

メガネの聖地としてお馴染みの鯖江市、人間だけのものにしておくのはもったいないという所から企画を思いついたそうです。

こちらの「チーム桜餅」の面々は、世界遺産に登録された静岡県の「三保の松原」の活性化事業にも取り組んでおり、世界遺産の三保の松原を中心に地域活動との接点が少ない若者を取り入れ、地域活性化に繋げていくこと目標に活動しているとのこと。

日本が抱えている問題は山積みですが、魅力的な地域活性化のプランが生まれる土台は着実に整っています。

まとめ

地域創生という言葉が頻繁に聞かれますが、地域によって抱えている事情や条件はまったくことなります。政府や外部の人に任せているばかりでは、いくら多額な予算があっても実現が難しいのが現状です。

地域にいる一人一人が考えて、地域のために出来ることからはじめていくことが、一番の近道ではないでしょうか。

[文・編集] サムライト編集部