血は「サラサラ」より「ドバドバ」を目指せ!血流を良くする食事&睡眠法

Instructor and students in medical school anatomy class

血流は心身の健康のもと

「ドロドロ血をサラサラ血に変えて、健康な体に!」という話はテレビや雑誌などで聞いたことがある人も多いはず。しかし人によってはいくら血流をサラサラにしたところで、健康になるどころか不調の原因になることもあるのだとか。

ここでは出雲大社の表参道で90年も続く漢方薬局の薬剤師・堀江秋佳さんが著書『血流がすべて解決する』を参考に、血流を本当によくするための食事法と睡眠法を紹介します。

血をサラサラにしてもダメな理由

仮にドロドロ血が原因で糖尿病や高コレステロールなどの生活習慣病を患っている場合は、サラサラ血にするメリットは十分あります。しかし前提として血の量が十分でなければ、サラサラ血になったとしても体の不調は良くなりません。血流が原因の症状を改善するには、何よりもまず血の量を増やす、つまり血をドバドバにする必要があるのです。

「血流が原因の症状」というと貧血やそれに伴う立ちくらみなどを連想しますが、実は血流の悪化はありとあらゆる不調に通じています。というのも血には体の水分を維持したり、酸素や栄養、ホルモンを体じゅうの細胞に届けたりする役割のほか、体温や免疫力維持にも重要な役割を果たしているからです。機能不全を起こせばむくみや不満、内臓の病気や精神病にまでつながります。

これを防ぐために必要なのは「血を作る→血を増やす→血を流す」の3つのステップです。「血を作れないから、血が不足し、血が流れなくなる」のだと堀江さんは言います。したがってこの3つのステップの順番は、決して入れ替えることを許さない鉄の掟です。

自分の「血のタイプ」を知るべし

血流を良くするための食事法と睡眠法を知る前に、まずは自分の「血のタイプ」を把握しておく必要があります。堀江さんは著書の中で、漢方の基礎となる3つの血のタイプを挙げています。

1.気虚体質→血が作れない。
2.血虚体質→血が足りない。
3.気滞瘀血(おけつ)体質→血が流れない。

以下は「血のタイプ」を知るためのチェックリストです。4つ以上あてはまる場合はその体質を持っていると考えられます。これを使って自分の血のタイプを知ったうえで、その特徴について知っていきましょう。

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引用:『血流がすべて解決する』第2章より

気虚体質の特徴は「胃腸の調子が悪い」「やる気が出ない」などです。消化器官は大量の血液を使うため、気虚体質の人は極端に消化機能が低下します。いくら食べても太らない人や、いくら食事を抜いても痩せないような人は気虚体質が強いと言えます。

また腸の調子が悪いと脳で分泌される幸せホルモン・セロトニンや、やる気ホルモン・ドーパミンなどのバランスが崩れてしまいます(「腸脳相関」と言います)。そのためやる気までも低下してしまうのです。

性別に関係なく不調になりやすい気虚体質に対して、血虚体質は特に女性に悪影響を及ぼします。漢方で「女性の体は血が基本(女子以血為本)」と言われるほど、男性よりも女性の方が血流の不調による影響を受けやすいからです。

血虚体質の女性は婦人科系のトラブルが多く、血流を改善するとそれらのトラブルも改善されることが多いのだと堀江さんは言います。

最後の気滞瘀血体質の特徴はイライラしやすく、感情のコントロールがしにくくなるなどです。ドロドロ血が原因で高血圧になっているのでなければ、この体質は気虚体質と血虚体質を改善することで自然と緩和されていきます。

これらの体質のうち、多くの人はどれか1つの体質ではなく、複数の体質が組み合わさって体に悪影響を及ぼしています。そのため「血を作る→血を増やす→血を流す」のステップを順番にたどることで、確実に体調を良くすることができるのです。

血を作るための「食べる方法」と「食べない方法」

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では次に「血を作る」ための食事法を見ていきましょう。人間の体はすべて食べたものでできています。血も例外ではありません。しかし血を作るためには食べる前に、食べないことが重要です。

私たちの胃は食後90分で空になり、強力な収縮を15回から30回繰り返します。こうすることで胃は腸も含めた体の中の食べ物の残りカスや古い粘膜をはぎとり、胃腸を掃除しています。

お腹が「ぐぅー」と鳴ると、ついついお腹が空いたのだと思いがちですが、実はあれは胃が体内の掃除をしている時の音なのです。この掃除は90分おきに行われますが、この時に食べ物を食べてしまうといつまでたっても胃腸はきれいになりません。

腸壁に食べ物が残って汚れていき、胃腸は機能不全を起こしてしまいます。だから空腹の時間を増やす、すなわち「食べないこと」が大切なのです。

しかし空腹の時間を増やすというと「じゃあ朝食を抜こう」となる人も多いと思いますが、実はこれ漢方的にはNG。朝食は体内時計を整えるための重要な食事なので、むしろしっかりと食べる必要があります。

そこでまずは堀江さんがおすすめする「朝と昼を食べて、夕食を抜く」食事サイクルを試してみましょう。一週間続ければお腹の調子が劇的に良くなるのだそうです。

血を増やすための「眠り」の作法

Lost in her dreams

血を作るための食事法が身についたら、次はその血を増やすために睡眠を整える必要があります。ポイントは3つです。1つ目のポイントは、「23時に寝ること」です。

漢方では子の刻(23時から1時)の間は体の陰と陽が入れ替わる時間、丑の刻(1時から3時)が血を作る時間とされています。この後も体の調子を整える時間とされており、卯の刻(5時から7時)に起きるのが良いのだそうです。

2つ目のポイントは「朝起きて朝日を5分間浴びる」こと。近年注目を集めている「造血幹細胞」という血を作る細胞があります。この細胞は太陽光のリズムを自律神経が伝えることでパフォーマンスを高めたり、低下させたりする可能性があると言われています。1日の予定を考えながらでも構いません。ぼんやりと太陽の光を浴びることが、より血の量を増やすことにつながるのです。

3つ目のポイントは「お風呂に入ること」です。陰と陽の切り替え、すなわち自律神経から副交感神経への切り替えはは40度のお湯に10分から20分ほど浸かることでよりスムーズになります。また睡眠時は体温が下がりますが、温めると体は自分を冷やそうとするため、よりスムーズに入眠することもできます。

確かにこの3つのポイントを完璧に守るのは難しいかもしれません。「23時に寝るなんて無理だろ!」という人も多いでしょう。しかし重要なのはこうした事実を知っておくことです。そうすれば「スマホいじるよりは寝ようかな」と無駄な夜更かしも減り、徐々に理想の睡眠に近づけていくことができるのです。

まずは一週間の夕食断食から

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『血流がすべて解決する』にはここで挙げた方法よりも、さらに詳しい内容が書かれています。すべて実践できれば確かに血流が良くなり、体調も劇的に良くなるでしょう。ただし何事も「始めること」が肝心です。

まずは夕食断食で気虚体質を改善するところから始めてみるのがオススメです。効果が実感できれば、きっと「もっと色々試したい!」となるはず。そうなったらぜひとも本書を手に取ってみてください。

参考文献『血流がすべて解決する』
Career Supli
夕食を抜く生活を実践している人に話を聞いたところ、始めの数日は辛いが、後は慣れてきて、胃も小さくなるので、無理なく続けていると言っていました。自分の体と相談しながら、試してみてください。
[文]鈴木 直人 [編集]サムライト編集部

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