体も資本、見た目も資本!いまさら聞けない男のアンチエイジング

チャンスに巡り合うには見た目も大事

仕事ができる・できない、信用ができる・できないは、たいていの場合その人の見た目と一致します。「いいものを作っていれば売れる時代」が終わったように、「いい仕事をしていれば評価される時代」も終わっています。評価されたり、抜擢されたりするためには、仕事そのものの質や量はもちろん、見た目も重要なのです。

ここでは仕事ができる・できない、信用ができる・できないに大きく作用する見た目の磨き方について、日本初のアンチエイジングセンター設立にも携わった平野敦之さんの著書『できる男の老けない習慣』を参考に、アンチエイジングのために必要なホルモンや、そのホルモンの分泌を増やす方法を紹介します。

能力は見た目で判断される

企業のコンサルティングなども担当するメンタリストのDaigoさんは、著書『面接官の心を操れ!無敵の就職心理戦略』の中で、男性の面接官は男女問わず容姿端麗な人やスタイルのいい人を採用する傾向が強いという心理学の研究結果を示しています。

また、ポーランド出身の心理学者ソロモン・アッシュ博士の実験によれば、人間は最初に認識したもので印象を形成し、そこで形成された印象はその後の評価に大きく影響を与えるということもわかっています(初頭効果)。ではそうした認識に対して最も影響力を持つ要素は何かと言えば、視覚情報=見た目です。

このように考えると人間がいかに見た目で相手の能力や評価を決定しているかがわかります。肌のコンディションが悪い人は、食事や睡眠に気を遣っている余裕さえないように見えますし、太っている人は自己管理が甘い人だという印象を与えます。ネクタイが曲がっていたり、靴が磨けていなかったりすれば、細かいところまで目が届かない人なのだと思われるでしょう。

逆にハツラツとしていたり、身だしなみのあちこちから知性が感じられたりすれば、「この人は仕事ができそうだ」「この人は信頼できそうだ」というふうに見られます。

もちろん見た目が良くても仕事ができなかったり、信頼できなかったりする人もいるので、見た目と能力が100%一致するわけではありません。しかしかなりの確率で一致することは確かなのです。

見た目は2つの男性ホルモンで「作れる」

できる人の見た目を形成している要素は、もともとのルックスやファッション、体型など様々です。しかしそれら全てに大きく影響を与える要素があります。すなわち男性ホルモンです。平野さんは何種類もある男性ホルモンのうち、見た目に大きな影響を与えるのは「テストステロン」と「DHEA」の二種類だと指摘しています。

●男性ホルモンの9割「テストステロン」

テストステロンは男性ホルモンの9割を占める最重要ホルモンです。主な働きは以下の通りです。

・骨や筋肉の発達を促し、男らしい肉体を作る。
・性欲を高める。
・精神や老化を司るミトコンドリアの健康を保つ。
・記憶力、判断力を高める。
・うつ状態を防止する。
・社交性、積極性、競争意識を高める。

男らしい肉体は見た目そのものですし、社交性が高くなれば身だしなみにも気を遣うためさらに見た目もよくなります。テストステロンはこうした好循環を作り出す要因になるのです。

またテストステロンは成功や勝利を収めたり、賞賛を浴びると分泌量が増えることがわかっていますが、高い記憶力や判断力、積極性や競争意識によってそうした機会が増えるため、テストステロンの分泌量が多い人はさらに分泌量が増えていく傾向にあります。

●テストステロンの素「DHEA」

DHEAはデヒドロエピアンドロステロンの略称で、若返りのホルモンや長寿ホルモンとも呼ばれています。このホルモンは体内器官ほとんど全ての機能を向上させる効果があるため、逆にDHEAの分泌量が減少すると心身ともに疲れやすくなる傾向があります。

またDHEAは様々なホルモンの素になるため「マザーホルモン」と呼ばれることもあります。テストステロンもDHEAから作られるホルモンの一つで、コレステロールなどから作られるDHEAにビタミンB3やビタミンA、ビタミンCや銅が作用してテストステロンになります。

そのためDHEAをしっかり作り出せるようにしなければ、男性ホルモンの9割を占めるテストステロンの分泌量も減ってしまうのです。

●男性ホルモンの分泌量は自分次第で変えられる

「あの人は男性ホルモンが多そう(少なそう)」「もう歳だから男性ホルモンも少なくなっている」といった言われ方をすることがありますが、これらは次のような認識を持っている人が多いということを示しています。

・男性ホルモンの分泌量は生まれつき決まっている。
・年齢を重ねれば有無を言わさずに減っていく。

確かに生来男性ホルモンの分泌量が多い体質の人もいますし、年齢を重ねれば活力がなくなっていくのを感じる人も多いでしょう。しかし平野さんは「男性ホルモンの分泌量は、ちょっとしたことでも大きく変動します」(引用:前掲書p4)と書いています。つまり男性ホルモンの分泌量は自分次第で変えられるのです。

以下では平野さんの著書の中で紹介されているアンチエイジングの方法から、3つの方法を紹介します。

元気で若々しくいるための3つの方法

●正しい糖質制限食を食べる

テストステロンもDHEAも腎臓のそばにある器官「副腎」で作られています。炭水化物を摂取しすぎると、この副腎が疲れてしまい、男性ホルモンの分泌量が減ってしまうことがわかっています。

白米や砂糖などの炭水化物を摂取すると血糖値が急上昇しますが、すると血糖値を下げようとして膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。しかしこのときインスリンは血糖値を下げすぎるため、再度正常な血糖値に戻す必要があります。そのためのホルモンであるコルチゾールを分泌するのが副腎なのです。

そのため炭水化物の摂取量を調整したり、玄米やオートミールなど血糖値が上昇しにくい炭水化物を食事にとりいれると、副腎のコンディションが整い、男性ホルモンが分泌されやすくなるというわけです。

またオートミールには人間のテストステロン値を改善したという報告や、男性ホルモンに似通った作用が認められたという報告もあります。オートミールは玄米に比べて調理もしやすく、安価なので、アンチエイジングの第一歩としてオートミール食を初めてみてもいいでしょう。

●お酒のおつまみは「チーズ」と「ナッツ」

朝型の生活は人間の生体リズムに沿っているため、朝型人間ほど若さや活力、集中力や判断力を発揮しやすくなります。しかし朝型人間が高いパフォーマンスを発揮している要因は生体リズムと一致しているからという理由だけではありません。これは朝からしっかりとテストステロンが分泌されているからなのです。

ではどうすれば朝のテストステロンの分泌量を増やせるのでしょうか。その答えは「入眠後3時間の質を改善すること」です。なぜならこの3時間の間が、男性ホルモンや成長ホルモンが最もたくさん分泌される時間帯だからです。

そのためにはマットレスやパジャマに気を遣ったり、カフェインの摂取時間やスマートフォンのブルーライトを意識したりするのも効果的ですが、お酒のおつまみにチーズやナッツを食べるのも効果が期待できます。

人間を眠りへと誘うセロトニンという物質があります。これはもともと必須アミノ酸であるトリプトファンから作られる物質です。

トリプトファンは体内で作ることができないため食事から摂取する必要がありますが、このアミノ酸を豊富に含む食べ物こそがチーズとナッツなのです。このほかマグロやカツオなどの魚、レバーをはじめとする肉類にも豊富にトリプトファンが含まれています。

ソースやマヨネーズたっぷりの炭水化物や、唐揚げやフライなどの揚げ物、「シメのラーメン」などはスッパリやめて、チーズとナッツでグラスを傾ける。これもまた、男性ホルモンたっぷりのできる男への第一歩となるでしょう。

●「ときめき」と「競争」を生活に取り入れる

実はDHEAの分泌量は「ときめき」によって促進されることがわかっています。恋愛関係になるかどうかは関係なく、「女性と会うからおしゃれをしよう」とか「女性と会うからダイエットをしよう」という気持ちがあれば、DHEAの分泌量に作用するのです。

逆に「スーツ以外は頓着しない」「異性に興味がない」「休日は家でゴロゴロするだけ」というライフスタイルを続けていると、どんどんDHEAの分泌量は減っていきます。前述したようにDHEAはテストステロンの素ですから、このようなライフスタイルは男として、そしてビジネスパーソンとしての老いを進めてしまうでしょう。

また生活の中に「競争」を取り入れることも男性ホルモンの分泌に大きく兵強します。なぜならテストステロンは成功や勝利、賞賛によって分泌が促進されるからです。これはロンドンの株式取引のトレーダー、囲碁や将棋、チェスなどのプレイヤーなどを対象にした調査でも証明されています。

そのため仕事中はもちろん、趣味にも競争意識を感じられるような要素を取り入れるとアンチエイジングにつながる可能性があります。例えばスポーツを趣味にしてみるとか、運動が苦手なら前述したようなテーブルゲームの教室に通ってみてもいいでしょう。

人生100年時代だからこそアンチエイジング

人生100年時代がキーワードとなっていく今後の日本において、男性が人生を充実させるためには男性ホルモンの分泌量を維持し、健康だけでなく見た目の維持にも気を遣う必要があります。できれば30代、最低でも40代からアンチエイジングに取り組んでおくことをおすすめします。

Career Supli
アンチエイジング、ぜひ試してみてください!
[文・編集] サムライト編集部