今日から「愛される人」になるための3つの対話テクニック

「愛される人」は何かと得をする

周りから愛される人というのは、困っていると手助けしてもらったり、失敗をしても良い面を見てもらえたりと、何かと得をします。

ひとりでできる仕事には量も質も限界がありますが、愛される人ほど周囲の人から手を差し伸べてもらえますから、出世の可能性も高くなります。

愛される理由にはさまざまな要素がありますが、対話の腕を磨くことは最も手っ取り早く、しかも高い効果が期待できます。

そこで今回は、愛される人がやっている3つの対話テクニックと、それを身につけるための3つの「口癖」を紹介します。

これらを実践するだけで、あなたも今日から少しずつ、愛される人になっていくはずです。

「愛される人」がやっている3つの対話テクニック

従業員から愛されている経営者、多くの取引先から愛される営業マン、なぜかみんなが助けたくなる可愛い部下……彼らが行なっている対話には、大きな共通点があります。それは次の3つです。

・何でも面白がって、楽しそうに話を聞く
・知ったかぶりなどをせず、等身大で接する
・相手の話を促すために自分の話を織り交ぜる

以下ではなぜこれらを実践することで、人から愛されるようになるのかをひとつずつ解説していきます。

●何でも面白がって、楽しそうに話を聞く

自分の話で相手が盛り上がり、何でも面白がって、楽しそうに話を聞いてくれたら、誰でも嬉しいもの。自分が認めてもらったような気分になりますし、楽しそうな相手の表情を見ていると自分まで楽しくなってきます。

そんなハッピーな気分になる相手とはもっと一緒にいたいと思いますし、相手が困っていれば助けたいと思います。したがって「何でも面白がって、楽しそうに話を聞く」というのは非常にシンプルですが、とても大切な対話テクニックです。

●知ったかぶりなどをせず、等身大で接する

知ったかぶりとは知らないことを知っているように振る舞うことですから、早い話が嘘です。噓も方便ということわざがありますが、基本的に嘘をつく人は「心を許せない人」という印象を与えます。愛されるはずがありません。

「自分の知ったかぶりはバレていない」と言う人もいますが、社会的地位が高い人や、実績や実力がある人ほど、その手の嘘を敏感に察知することができます。そのため、バレていないと思っていても、かなりの確率でバレているものです。

また、等身大で接してくれる相手には、自分も飾らずに接しやすくなります。そういう人は一緒にいてラクですから、いろいろな人から愛されるのです。

●相手の話を促すために自分の話を織り交ぜる

価値観や、過去の経験など、自分の情報を相手に伝えることを「自己開示」と言います。他人から自己開示を受けると、人はその人に好感を持つということが心理学の実験で明らかになっています。

知人などから相談されたり、秘密を打ち明けられたりすると、なんだか嬉しい気持ちになるのは、人間にもともと備わっている感覚なのです。

加えて人間は「返報性」と言って、何かをされたらお返しをしたくなる性質を持っています。自己開示も例外ではなく、相手に自己開示をされると、自分も自己開示をしたくなります。愛される人というのは、そうやって人間関係を深めているのです。

ただし愛される人は、人間が自分の話を聞いてほしい生き物であることを理解しています。そのため自己開示も、あくまで相手の話を促すために行っているのが上手いところです。

3つのテクニックは3つの「口癖」で身につけられる

ここまで見てきた3つのテクニックを「じゃあ今日から実践しましょう」と言われても、「そんなすぐにできたら苦労しない」と思う人も多いのではないでしょうか。そこでおすすめしたいのが、次の3つのフレーズを口癖にしてしまうことです。

・「それはすごい!どうしてそんなふうに考えられたんですか?」
・「わかりません。教えてください」
・「私の場合はこうでした。あなたならどう考えますか」

当然、状況や相手に応じたアレンジは必要ですが、このフレーズを使うだけで徐々に3つの対話テクニックが身についてきます。

以下では各フレーズのバリエーションを3〜4個ずつ紹介するとともに、なぜこれらを口癖にすると対話テクニックをマスターできるのかを説明していきましょう。

●「それはすごい!どうしてそんなふうに考えられたんですか?」

これは「何でも面白がって、楽しそうに話を聞く」を身につけるためのフレーズです。ほかのバリエーションは以下のようなイメージです。

・流石ですね!何かコツなどはあるんですか?
・なかなかできないことだと思います。「キツイな」と思ったりしなかったんですか?
・それは面白い!そのあとどうなったんですか?
・本当ですか!信じられない!そのときどうされたんですか? など
など。
このフレーズのポイントは、言葉だけでなく表情や身振りでもリアクションをとることです。

有名な「メラビアンの法則」によれば、人の印象を決めるのは言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%。いくら口で「それはすごい!」と言っていても、声の調子や表情で表現できていなければ、相手には「嘘をついている」と解釈される可能性があります。

また表情や身振りをフレーズに合わせると、自分の気持ちまで「何でも面白がって、楽しそうに話を聞く」モードになるというメリットもあります。

人間の脳は意外と単純で、笑顔を作ったり、力強いポーズを取るだけで、楽しくなったり、自信が湧いてくるように作られています。この性質を利用することで、「何でも面白がって、楽しそうに話を聞く」を身につけることができるのです。

●「わかりません。教えてください」

「何も知ったかぶりをせず、等身大で接する」を身につけるためのフレーズ。状況や相手によって、次のようなバリエーションが考えられます。

・勉強不足ですみません。よかったらどういうことか教えてくれませんか?
・ここまでは理解できたんですが、ここがどうしてもわからなくて……。教えてくれませんか?
・○○というのは△△ということですか?(知っていることに言い換えてみる) など
など。

大人になればなるほど、変なプライドが邪魔をして「知らない」と言うのが怖くなってしまう人は少なくありません。しかし抵抗感が少しでもあると、とっさのときに無意識に知ったかぶりをしてしまいます。

このフレーズを口癖にする最大のメリットは、「知らない」と言うことに対して抵抗がなくなることです。自分でもバリエーションを考えてみて、「わからないな」と思ったら自然と口をついて出るくらいになりましょう。

それができるようになった頃には、「何も知ったかぶりをせず、等身大で接する」をが身についているはずです。

●「私の場合はこうでした。あなたならどう考えますか」

「相手の話を促すために自分の話を織り交ぜる」を身につけるために効果のあるフレーズです。ほかにも以下のようなバリエーションがあります。

・私にも以前同じようなことがあったんですが、その時私は○○と考えました。あなたならどう考えますか?
・私の会社だったら○○になっていたと思います。どうしたらあなたのように行動できるんでしょうか?
・以前知人から聞いた話だと、○○だと言っていました。これってどういうことなんでしょうか? など。

これらのフレーズはいずれもアドバイスを求める形になっています。立場や年齢が上の人ほど、誰かに教えるのが好きですし、自分が詳しい分野について誰かに教えるのは老若男女問わず誰でも好きです。

そのためアドバイスを求められると嬉しくなり、饒舌になっていくのです。結果として「相手の話を促すために自分の話を織り交ぜる」を実践できるようになるわけです。

話していて「気持ちよくなる」人を目指そう


人間は自分を暗い気持ちにさせる人との接触を避け、自分を明るい気持ちにさせてくれる人と一緒にいたいと思う生き物です。

そのため、対話を通じて愛される人になるのであれば、話していて気持ちよくなる人になるのが一番の近道です。

今回紹介した対話テクニックと口癖は、そのための効果的な第一歩になります。ぜひとも今日から実践してみてください。

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意識して生活すると数年後には大きな違いが生まれます。ぜひ試してみてください。
[文]鈴木 直人 [編集]サムライト編集部