カレーがビジネスに向く理由は7つのスパイスの効能!薬膳としてのカレー

カレーは薬のひとつ?

日本の代表的な家庭料理として親しみやすく、誰もが大好きなカレー。それぞれの家庭のおふくろの味が時々恋しくなる人も多いでしょう。

メジャーリーガーのイチロー選手が一時、朝カレーを高いパフォーマンスを実現するためのルーティンの一つとして実施していたことは話題になりましたね。近年、カレーを食べることでスパイスの刺激により「セロトニン」という幸福感を生み出すホルモンが分泌され脳が活性化されることも明らかになりました。

カレーにスパイスが使われているのは常識ですが、一体どんなスパイスが使われているのか知っていますか?スパイスはカレーの美味しさの他にもカレーがもたらす様々な効果も担っています。

スパイスの薬効が科学的に解明される前から、大昔の人々はスパイスの効果を実感し自然と求めていました。最近「薬膳カレー」という健康食として特化したカレーを出すお店が増えていますが、カレーは元々、様々な薬効のあるスパイスが巧みに調合された医食同源の薬膳料理なのです。

カレーで縁起がかつげる?

今でこそ、料理を趣味にする人であれば気軽に何種も揃えられるスパイスですが、大航海時代には超高級品として扱われていました。

肉食が中心だったヨーロッパで、肉の臭みを取り保存料、そしてにもなるスパイスは大変重宝され、銀と同じ価値で取引され、貿易をする上でも軽くて輸送しやすいスパイスは最も利率の高い貿易品だったのです。

今も昔もビジネスの基本は高い需要を見つけ、少ない経費で高い利率を上げることにあります。大航海時代にビジネスの中心だったスパイスは現代のビジネスマンにとってとても縁起の良いものかもしれません。

縁起がかつげて体にも様々な効果をもたらしてくれる、カレーに使われている代表的な7つのスパイスの持つ薬効をご紹介します。

1.カレーの香りの主成分「クミン」

それがカレーだと瞬時に判断できる独特の香りの正体、それがクミンです。香りの他にも辛みもあり、このクミンがなくてはカレーは作れないといっても過言ではないでしょう。

一度嗅げばカレーが食べたくて仕方なくなってしまうクミンには、食欲増進と消化促進効果に加え、解毒作用、胃腸内にガスが溜まるのを予防する作用により腹痛を緩和するとされています。カレーを食べるとやる気や元気が湧いてくるのはクミンの持つ強壮効果のせいかもしれません。

クミンは植物の種状のスパイスで、カレーに使う以外にもキュウリの和え物に入れても美味しく食べることができます。

2.強力なデトックス効果「コリアンダー」

よくタイ料理に使われ、好き嫌いの別れる香菜、パクチーがカレーにも使われていることを知っていましたか?コリアンダーとはパクチーを乾燥させたスパイスのことで、これもカレーの香り付けにはかかせないスパイスです。

コリアンダーは香菜の中でも最もデトックス効果が高いといわれています。アレルギーや認知症の原因となるアルミニウムの体内蓄積の排出に効果があるとされ、患者さんにコリアンダーを進めるお医者さんもいるほどです。さらにコリアンダーには高い抗酸化作用があり、老化や動脈硬化の原因となる活性酸素の生成を押さえます。

パクチーが食べられなくても、カレーさえ食べられればこれらの効能の恩恵にあずかれます!

3.インド人の数学力の源泉?「カルダモン」

アロマテラピーでもよく精油が使用されるカルダモンはインドで最も古いスパイスのひとつで、芳醇な香りから「スパイスの女王」と呼ばれています。たくさんの効能がありますが、ビジネスマンにとって最もありがたい効能は「集中力が増す」ことです。

カルダモンを摂取することによって、脳の前頭葉の酸素消費量に変化が起こることがわかっており、その結果、脳が活性化し集中力が増すといわれています。

カルダモン特有の香りも口臭予防に効果がある上に気分がスッキリするため、インドには食後にカルダモンを噛む習慣があるようです。数学大国のインド人が実践しているのですから、集中力促進の効果はお墨付きです。

カレーを食べて摂取するほかにも、コーヒーや紅茶の香り付けに使ってもリッチな気分が味わえます。

4.お酒を飲むなら「ターメリック」

ちょっと飲みすぎたな…と感じた時にコンビニでウコン成分の入ったドリンクを飲み干したことはありませんか?ターメリックとはウコンのことで、カレーの色付けに使われているスパイスです。

ウコン成分の入ったドリンクが二日酔いに効くとされているのは、ターメリックに含まれる「クルクミン」という成分のおかげです。クルクミンが胆汁の分泌を促し、肝機能を高めることから二日酔いの予防やアルコールの分解をサポートします。

ターメリックが活躍する場はお酒を飲んだ時だけではなく、春先に苦しむ人の多い花粉症にも役立ってくれます。クルクミンには抗炎症作用も備わっており、アレルギーの起きた炎症を鎮めてくれます。アーユルヴェーダではターメリックを漬けたオイルを点鼻して症状を和らげるようです。

二日酔いからも花粉症からも守ってくれるターメリックは、一年中ビジネスマンの味方です。

5.ダイエットの味方「フェヌグリーク」

7つの中ではもっとも耳にしないスパイスの名前かもしれません。フェヌグリークはメープルシロップのような香りでカレーの香りを華やかにし、苦味によってカレーにコクを出します。

もしあなたが体脂肪を気にしているなら、フェヌグリークは強い味方です。フェヌグリークに含まれるガラクトマンナンという成分が腸内で糖質が吸収されるのを抑え、血糖値の急な上昇も防いでくれます。それどころかガラクトマンナンには肝臓でのコレステロールの生成を抑制する働きもあり、メタボリックシンドロームや糖尿病に対する新たなアプローチとして研究が進められています。

カレーは太る、というようなイメージがある一方で、インドカレーは脂質が少なく食物繊維が多いため、意外にヘルシーな食べ物です。フェヌグリークの効能もインドカレーのヘルシーなおいしさに一役かっているのでしょう。

6.マニアは多い「カイエンペッパー」

カイエンペッパーとは唐辛子のことです。カレーに辛みがなくてはきっと物足りないでしょう。お好きな人はカレーショップで激辛パウダーを何杯も追加して食べているかもしれませんね。

カイエンペッパーに含まれる、辛み成分カプサイシンは有名ですが、実はビタミンAも豊富に含まれています。辛いものを食べると体が熱くなり発汗しますが、この発熱発汗作用が体の毒素を排出するデトックスになります。また、血液を循環さえ、ビタミンAを供給することから免疫システムの向上にもつながるようです。

辛いものが大好きな方は、さらなる刺激を求めて辛さをエスカレートさせてしまいがちですが、カイエンペッパーは胃腸に負担をかけます。適度な量を守ればとても体に良い効果をもたらすので、節度を守って使いましょう!

7.「クローブ」

クローブはカレー以外にも様々な料理に使われる香り付けのためのスパイスです。ポリフェノールをはじめとした抗酸化成分が高濃度で含まれているスーパーフードと言われています。

クローブには、アンチエイジング・心筋梗塞予防・動脈硬化予防・糖尿病予防・消化促進・リュウマチ予防・免疫力向上・消炎・鎮痛など様々な作用があるため、漢方の分野からアロマテラピーの分野まで大変重宝されています。歯が痛いときには応急処置としてクローブを噛むことで痛みが和らぐそうです。

クローブの効能は人体に作用するだけではありません。クローブの香りは害虫を寄せ付けないことで知られており、体に優しい防虫剤として部屋の片隅におく人もいるようです。

カレーはビジネスマンのための食べ物

主に使われる7つのスパイスだけでもこれだけの効果があるのに、日本で通常食べられるカレーにはおよそ30種以上のスパイスが含まれています。

どこで食べてもある程度の味の保証があり、どこにでもある定番メニューで、たくさんの効能があり、さらには大航海時代の演技かつぎまでできるなんて、カレーはビジネスマンのためにあるような食べものですね。

おいしいカレーを食べるときには医食同源の考えのもと長い間、愛されてきたスパイスに想いを馳せてみましょう。

[文・編集] サムライト編集部