なんでもやる。Yes to ALL!チームラボ 堺 大輔氏インタビュー

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これからの仕事のヒントが欲しい人、必見

前編では、プロジェクトベースで机を並べて物理的な距離を近くすることでコミュニケーションを密にすることや、役割をあえて明確にはせずに自分の領域という概念を曖昧にすることで共に考え、感覚の共有を行っている点など、チームラボのチームづくりの特徴について伺いました。

後編では堺さんの情報収集方法や、仕事をする上で大切にしていることなどについてお話を聞いていきます。

お給料の決め方は?

− 先ほど役職の話を伺ったんですが、役員以外に役職が特になくてフラットな組織で、お給料はどんな感じになっているんですか?

堺:給料は毎月一回役員会議みたいなのがあって、各プロジェクトの結果に対しての貢献度などをカタリストなどからヒアリングしながら役員で話し合って決めています。みんなにその人と一緒にやりたいと思ってもらえてるかというのに応じてお給料は上がります。

− ボーナスはみんな一緒なんですか?
インセンティブという形でボーナスがあって、年二回、利益額の一定割合を新卒から十年目の人まで全く一緒の額で支給します。これは、大入り袋みたいなものです。みんな全体で頑張ったねって。

堺:もちろんお給料は違う前提ですが、ボーナスに関しては、10年以上前に社員のひとりが「そうしたらいいんじゃないか」って言い出して、当時はみんな20代中頃で、とりあえず寝ない!みたいな時だったから(笑)でも、あれから時間が経って、そろそろ変えたほうがいいんじゃないか?と聞いても「あれでいいです」って言われます。

− そうなんですね!チームラボっぽい、いい話ですね。これからチームラボ展みたいなことも定期的にやられていくんですか?

堺:できたらいいですよね。「チームラボアイランド -学ぶ!未来の遊園地-」は世界各地で開催させていただいてます。言葉もいらなくてわかりやすいですからね。「チームラボアイランド -学ぶ!未来の遊園地-」のテーマは「共創」、体験を通じて「共同で創造していく」というものです。

現状の教育は、暗記重視で、クリエイティブな面は伸ばされるどころか、押さえつけられます。そして、小さい頃から徹底して均質的な能力を伸ばすことに集中されます。宿題は個人で行い、テストも個人で受け、受験は個人で評価されます。

つまり、個人プレイを叩きこまれているのです。しかし、社会では、チームでクリエイティブな成果を出す力が非常に大事になってきていると思っています。「共創」、それが、今、子どもたちの学びにとってもっとも大事だと思っています。

最新のデジタルテクノロジーを使い、子どもたちが同じ空間で、自由に体を動かし、互いに影響を与えながら、共同的で創造的でアートな体験を楽しむ。そのような体験を通して、共同で創造していくことができる人間になってもらいたい、そういう願いから生まれた未来の遊園地です。

堺さんの関心領域は?

− アート、教育など、チームラボの手がける領域は年々広がってますが、堺さんが個人的に興味のある領域はどのへんになりますか?

堺:僕はなんにでも興味があるし、なんにでも興味がないんですよ。ずっと会社をやってきて、もちろんチームラボのことに一番興味はあるんですけど、なにかにすごい興味があるってわけではないんですよね。

まあ、もともと宇宙が好きで、元電通のクリエイティブディレクターの高松聡さんが宇宙に行こうとしてるじゃないですか。そんな高松さんとかめちゃくちゃいいなと思うんですよね。超個人的な話しをすると、そういう宇宙に関する仕事できたらいいなとかは、ありますけどね。

だけど基本的に僕はなんにでも興味があるというタイプですね。逆に猪子は「これがやりたい」というのがすごいあるから、猪子がそれやって、僕が周りやるみたいな感じでバランスが取れているんじゃないですかね。

− 情報収集はどのようにされてるんですか?

堺:仕事でいろんな案件を見ることになるから、自分の関係しそうな情報の幅がめちゃくちゃ広いんです。いろんなプロジェクトに入りながら、アンテナを立てていろんな情報を聞いてると、そこで各分野の新しい情報が早く入ってくるし、当然気になるワードは聞いた瞬間にすぐ調べます。周りの人たちによって情報収集してる方が多いかもしれませんね。

− よく見るサイトとかあります?

堺:ない。グーグル!(笑)特定のメディアはチェックしてないです。たとえばIT系のこのサイトいつも見てるとかいうよりは、各プロジェクトのなかでフィルターされて、みんなが教えてくれたりとかしますよね。自分のFacebookのタイムラインでもそういうのがバーっと入ってきます。それは見てます。そういうのはありますけど、いつも見るサイトっていうのはないですね。

捨てられた文化に可能性がある

− 猪子さんが以前の対談で言ってたんですが、過去に栄えた慣習や文化でテクノロジーがない時代は価値を見出されていなかったけど、テクノロジーによってその価値が復活するものがあるのではないかという意味のお話をしていて、今日の堺さんの話と通じる部分がありますね。

堺:それはですね、日本の長い歴史の中で、例えば江戸時代に作ったもの、絵とかでもいいんですけど、すごい狭い分野の閉じられた範囲をずっと細かくやり続けて、綿々と受け継がれてきた技術ってたくさんありますよね。そしてそういったものが文化を作っていたりしますよね。

でも、あまりに細部にこだわったものは産業革命後の大量生産の時代には、めちゃくちゃ相性が悪い話ですよね。だからその間に捨てられた文化もたくさんあるんです。でもその捨てられたもののなかには、実はクオリティの高いものがたくさんあって、その延長線上でつくっていくモノの中で面白いものがあるかもしれないし、あると思っています。

そして情報社会になって、情報の流通コストが圧倒的に下がったので、その価値を理解してくれる人に届けやすくなったわけじゃないですか。だからいったん捨てられたものを引き継いで、それを今のデジタルで表現したらこうなるとか、デジタルにのせて配信することで、今までだったら経済合理的に成り立たなかったものが、成り立つようになるのではないかと思います。

− なるほど、それでいうと文字が生まれる前に重要視されていた語り部は、今でいうとYouTuberかもしれないと思いました。そうやって捨てられたものを見なおしていくと面白い発見がありそうですね。

堺:まあ、語り部は以前であれば、1人の語り部が話を伝えられる範囲は限られていたんですが、今では多くの人に語れるようになりましたよね。それによって語り部の中でも面白い人がより多くの人に伝わる、ニコ動とかがまさにそうですよね。やってみたとかホント凄いですよ。そんな感じで見ていくといろいろとあると思います。

この人と一緒にやりたいなと思ってもらう

− 最後に、堺さんが仕事をする上で一番大切にされていることや心がけていることを教えてください。

堺:仁義。仁義ですかね。仁義は心がけてるというか大切ですよね。結局仕事は人どうしでやったりするし、いろんなものは巡り巡って自分のところに帰ってくるから、いいものを作って、まっとうに頑張り続ける。もちろん世の中まっすぐじゃないことも当然あるんですけどね。ほんとあれですよ、本を借りたらちゃんと返す、そういうレベルのことが重要といえば重要な気がします。もちろんプラクティカルにはいっぱいありますよ。

だけどほんと根本的なところで大切だなって思うのは、結局社内のチーム作るのも、社外で仕事するのも、人がいないと動かないですよね。

そう考えたときに、この人と一緒にやりたいなと思ってもらいたいですね。それって人じゃないですか。まっとうに、まっとうなことをやりつづけることは難しいけど、感謝するとか、借りたものを返すとか、そういったことが重要だと思います。

あとは、なんでもやる。基本ノーとか言わないんですよ。それは昔からです。自信がある訳ではないんですけど、とりあえずやってみる。Yes to ALLでいきましょう!

− Yes to ALL、キャッチコピーまでいただきました!ありがとうございました!

堺 大輔氏
ウルトラテクノロジスト集団チームラボ取締役。札幌市出身。東京大学工学部機械情報工学科、東京大学大学院学際情報学府卒。大学では、Web空間のパーソナライゼーションについて研究。01年4月入社。02年8月株式会社への組織変更に伴い、取締役に就任。主に、ソリューションを担当。
[インタビュー・執筆] 頼母木 俊輔  [編集] サムライト編集部

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