“外部リソースを使って組織を活性化させる”クラウドサービス「YeLL」株式会社もくてき 與良昌浩氏 インタビュー

與良昌浩

“社員のマネジメントが難しい”と感じる日本のマネージャー層

組織において、人材の育成やチームの業務管理など多彩な役割を担うマネージャー層。日本の人事部「人事白書」が行った調査によると、ミドルマネージャー層が抱える問題として、「業務が過多である」と回答したのが70.2%、「部下の育成能力が不足している」と回答したのが64.7%と、数多くの企業で同様の課題を感じているようです。

そのような状況下で、2015年には「社員のモチベーション向上」のようなマネジメント部分をクラウド上でサポートしてくれるサービスが相次いで登場しました。今回は、組織活性化クラウドサービス「YeLL」を運営する、株式会社もくてき代表取締役の與良昌浩氏にお話を伺いました。

クラウドサービス「YeLL」の組織活性化メカニズム

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ー YeLLの新しさや魅力について教えてください。

他のサービスで多いのは、「業務を進めるためのコミュニケーションツール」だと思うのですが、YeLLは「チームビルディング」や「成長」をコンセプトにしています。一番の魅力は、コーチングやカウンセリング、心理学などを学んだ”応援の専門家”であるクラウドサポーターがいるというところですね。

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ー クラウド上で専門家がマネジメントをサポートしてくれるというのは新しいですよね。

やはり上司が忙しくなる中で部下とのコミュニケーション量が減って、チームとして一体感が持てなかったり、活性化しなかったりというのは多くの企業が抱える問題になっています。

そんな時リーダーに、会社が「コーチング研修を受けてください」と言っても、実務との兼ね合いもあり、とても難しいという事実があります。一方で、キャリアカウンセリングとかコーチングを学んだけれども、生かす機会のない人たちというのは、世の中に何万人もいるんですよね。

そのような人たちをマッチングすることで、組織のコミュニケーション量を増やして活性化させて、その状態からマネジメントさせるというのがこのサービスの新しいところですね。

ー 実際にサービスを使用しているリーダー層の方に変化は現れていますか?

やはりYeLLを使うことによって、「部下のことを考える時間」というのをリーダー自らが作り始めていますね。それは、「やればできる」という話なんですけれども、上からの指示でやれと言われても、できないんですよね。

人に行動を起こさせるためにはある程度、前向きなルールや仕組みが必要です。それを回していくことで組織のカルチャーが変わってきます。ユーザー様にはその兆しが見え始めているなと感じています。

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ー なるほど。多くの企業では日報などで部下の進捗管理をしていると思いますが、YeLLではどのようなルールを採用しているのでしょうか。

YeLLでは「週報制」をルールにしています。日報だと、毎日書く部下も、フィードバックをするリーダーも大変ですよね。しかし、週報であれば、木曜日か金曜日にレポートを書いて、それに対しリーダーが一週間以内に返信すればいいので、ちょうど良いサイクルで、部下のことを考えることができるようになります。

他にも、メッセージを送る際の文字数を最も読みやすい600字までと制限を設け、伝わりやすい文章づくりのサポートをする機能や、人の気分の状態をグラフィックで確認できる機能もついています。

ー 12月からはメンタルヘルスが不調な社員が出ないようにケアを行うことを義務付ける「ストレスチェック制度」が開始されますが、その対策にもYeLLを活用できそうですよね。

「ストレスチェック制度」はどちらかというと、クローズドで行われるものなので、目的実現や、オープンな環境づくりに重きを置いているYeLLは市場的には参入していないのですが、コミュニケーション量を増やすことが、人を安心させることにつながっていくので、ストレス予防にはなると思っています。

組織を活性化させるのは”本音”か”文句”か

ー 組織を活性化させるためのポイントはどこにあるのでしょうか。

「考える」という機会をつくるというのは、大きなポイントですね。社内SNSやグループウェア等、様々な仕組みにおいて”無反応”という問題があると思うのですが、YeLLではクラウドサポーターがコメントをすることで常に一定量の反応があります。人は反応があると嬉しくて、その反応に対して何かしらのアクションをとります。例えばコメントを返すとか、人に話してみるとかですが、そのアクションをとることが、「考える」良い機会になります。

普通は部下に「最近どう?」と声をかけなければ状態がわからないと思うのですが、YeLLではその状態が一人一人可視化されているので、問題解決や目的共有などに割ける時間が生まれて、より高い次元でのマネジメントや反応ができるようになります。

ー 部下の本音を引き出すのにも有効な手段になりそうですね。

現在ユーザー様の状態を見ていて、「この仕事のこの部分に関して、どうしたらいいかわからない」といった本音は結構出ています。ただ、不平不満といった文句は出ていませんね。むしろ、クラウドサポーターが第三者視点から行うアドバイスを見て、それを実際に行動に反映して変わろうとしている方がとても多いです。1人1人が本音を出しつつ、その本音を前に歩むための原動力にすることができているのでは、と感じています。

ー 逆に、文句が組織を活性化させることはあるのでしょうか。

誰が文句を言うかというのはあると思いますね。文句というよりも、それが”前向きな愚痴”のようなものであればいいかなと。他者を批判するだけみたいなものは、本人が変わろうとしていなかったり、現状に依存している場合で。そのような意見がいくら出てきてもなかなか組織はよくならないのかなと思います。

本音だけに限らず、組織を良くしようという問題意識や違和感をぶつけることで、それが揺らぎを起こして変革の兆しが現れることはありますね。

ー 素敵なお話、ありがとうございました!

與良昌浩 氏
東京都出身。伊藤忠商事、アクセンチュア、ユーエスエスを経て、2010年スコラ・コンサルトへ。大手商社、戦略コンサルタント、中小企業経営というまったく異なる土俵でのビジネス経験を持つ。社会貢献ビジネスにも関心を注ぎ、個人の活動として、学生と社会人が「何のために働くのか」を気楽に真剣に語り合う場「ハタモク」を立ち上げ、代表を務める。2013年6月、「株式会社もくてき」を設立、代表取締役に。

▼株式会社もくてきHPはこちら
http://mokuteki.co.jp/

▼YeLL HPはこちら
http://yell4u.jp/

Career Supli
今回は組織活性化クラウドサービス「YeLL」について、開発者の與良氏にお話いただきました。近年では、いわゆる「ぶらさがり社員」の増加が一種の社会課題となっていますが、YeLLのようなツールを活用し、「風通しの良い組織環境」をつくることも、解決のための有効な手段となり得るのかもしれません。
[インタビュー] 吉野 庫之介 [編集] サムライト編集部

與良昌浩