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「女性×ビジネス」~ECサービスの軸となる2つのキーワード~
好きなことを仕事にして成功を収めている人は世の中で一握り。なぜなら、大半の人はリスクが少なく安定した職を求めるからです。
しかし、自分のやりたいことに向かって中学3年生で行動に移し、高校2年生には起業という形で早くも実現に結びつけたのが、株式会社ノーブル・エイペックス代表取締役社長の大関綾さん。
“平成のココ・シャネル”を志し、オリジナルネックウェアを展開する「Aya Ohzeki」ブランドを立ち上げ、現在は、オフィスで美しく働きたい女性たちが、より選びやすく、より買いやすく、日々の仕事に彩りを添えるファッションを楽しんでもらうことをコンセプトにしたECサービス『ALLABOUR(オーラボー)』を運営されています。
今回は、そんな女性起業家の大関さんに、「好きなことを仕事にする」ことに対しての現在の想いを伺いました。
― 本日はよろしくお願いします。最初に、現在大関さんが運営されているECサービス『ALLABOUR』を立ち上げた経緯について聴かせてください。
大関:近年「オフィスカジュアル」という単語が盛り上がりを見せていて、女性のオフィス市場は年に20%ずつ拡大しているんです。その中で、元々メーカーとして女性がオフィスで身に付けるアクセサリーを作っていたのがきっかけで『ALLABOUR』を立ち上げることになりました。

― なるほど。それに伴って周りの環境に変化はありましたか?
大関:男性物を主に扱うスーツ量販店が女性物に力を入れるようになりましたね。例えば、女性誌とタイアップしたりですとか、女性をメインターゲットとした店舗開発が行われたりしました。
その際に、女性のビジネスウェアの歴史って非常に浅いので、女性が満足して仕事の時に着る服を選べる環境がこれまでにないんだなと改めて感じましたね。
― 確かに。男性であればビジネスシーンに関わらず、スーツにネクタイというある程度決まった服装がありますからね。では、そういった中で何に重点を置いてECサービスを展開しているのでしょうか?
大関:やはり、女性から意見を伺うと、大衆向けのECサービスのブランドは安いイメージがあるので、「どこの服着てるの?」って聞かれた時に恥ずかしくて言いたくないって方々が多いんですね。
それに、一部のECサイトではビジネス向けとかフォーマル向けのもあるんですけど、ビジネスシーンごとに分けられずに全部一緒になっているので、女性側からすると非常に選びづらいと思うんです。
なので、弊社のECサイトでは、キチンとした品質のブランドを取り扱い、重要な商談であったり、内勤やカジュアルで許される職場だったりと、そういったシーンごとでの服装の選びやすさに重点を置き、メーターで5段階にカテゴリー分けしているんです。

― それは買う側にとってはとても助かりますね。では、ECサービスにおいて、これからの新たな方向性は何か描いていますか?
大関:ゆくゆくは、商談で映えるメイク講座であったり、キャリアアップセミナーやフィットネスなど、“物”だけではなくて“体験”といったような、かなり切り口を広げたECサービスを展開していきたいですね。
とにかく、女性がより美しく素敵に働ける環境を整えるために、「女性」と「ビジネス」という2つのキーワードにポイントを絞ってやっていこうと思っています。
好きな仕事を経営者として成功できているのは「周りの方々の支えがあってこそ」

― これまで経営者として活躍されていますが、高校2年生で起業して大変だったところと、やって良かったと感じる部分を教えてください。
大関:起業する当初ってやることがすごく多くて、ただでさえ時間がいくらあっても足りないのに高校に通いながらだったので、平日の夜と土日しか作業できなかったんですよね。
それに、社会経験ゼロで、全てが未知の世界だから何をやるにも手探りでしたし、一般的なベンチャー経営者の方とは違って一緒にやる人がいなかったので、精神的にも辛かった部分はありました。
逆にやって良かったと思うのが、年齢は23歳ですけど、会社を経営して今年で6年目なので、やっぱり昔と比べていろいろ経験を積んで知識をつけられた部分ですね。
― 若くして会社を背負っていて、かなりのプレッシャーを感じると思うのですが?
大関:やっぱり会社を背負うというのは、社員やインターンもそうですし、取引先や株主も含めて全部背負っているということなので、責任感とプレッシャーはありますね。
― そんな重圧のかかる中でも好きなことを仕事として成り立たせている要因は何だと思いますか?
大関:もうそれはひとえに周りの方々に支えられているからこそですね。スタッフが増えてきて思うのですが、自分一人でできることは非常に限られていて、周りの支えがないとできないことの方が多いんですよ。
なので、好きな仕事を経営者という立場でやらせてもらってることに対して、周りの方々には本当に感謝しています。だからこそ、社員、取引先、これまで関わった他の経営者などの全ての方々が、私と一緒に仕事をしてきて良かったなと思って頂けるように、自分がしっかりやっていかなきゃいけないなというのは日々思っていますね。
この生き方で幸せな人生を掴み、もっと若い世代の女性たちに繋げていく

― 2013年に、“平成のココ・シャネル”になりたいと言っていましたが、具体的にこれはどういうビジョンなのでしょうか?
大関:当時の考えからは脱線してきているのですが、最初にメーカーとしてやっていた頃は、今までにない新しいものを生み出すということをコンセプトにしていました。それは、女性ファッションの世界において、革命的なことをやる方がココ・シャネルさんという認識だったからです。
当時は今以上に男性がメインの時代だったと思います。でも、その中で「シャネル」ブランドを大成されたところにすごく勇気づけられたので、女性が働いてキャリアを作っていくという部分に関しては彼女をロールモデルにしています。
でも、憧れの女性の一人ではありますが、今は捉え方が少し違くて、会社の方向性や事業内容の変化による見方のズレは生じてきましたね。
― 最後になりますが、そのズレからビジョンが変わってきているというところで、一人の経営者、一人の人間としてこれからどうなっていきたいですか?
大関:やはり、自分が新しい文化や物を創造して時代に残していきたいというのは変わらずにあります。ありきたりな人生にしたくないというか、後々後悔したくないので、自分のやりたいことを全力でやって、私だけでなく、周りの協力してくれる方々全員が幸せになれるようなことをしたいです。
それから、女性っていろいろな働き方をするのは難しいと思うんです。でも、その中でも何かと両立して働きたいという方や、ある程度の年齢まではプライベートを犠牲にしてでもキャリアを積みたいとか、様々な働き方を望んでいる方がいる。
私は、そういった意味では仕事がしたいタイプなので、そういう生き方をする一人として、後に続くもっと若い世代の女性たちに、この生き方でも幸せな人生を掴めるんだってところを証明してみせてあげたいですね。
― 大関さんのご活躍を心より期待しています。本日は、貴重なお話、本当にありがとうございました。
[インタビュー] 吉野 庫之介 [執筆] 佐藤 主祥 [編集] サムライト編集部株式会社ノーブル・エイペックスを設立し代表取締役社長。中学3年(14歳)で神奈川ビジネスオーディションに出場し、来場者賞と月刊アントレ賞を受賞し出場最年少記録を樹立(14歳7カ月)。2010年1月、当時高校2年生(17歳)で株式会社ノーブル・エイペックスを設立し代表取締役社長に就任。