最強の自己PRで転職面接を制す!面接官に響く自己PRの作り方

ベストのアイコンタクトは「毎分32秒以上」


まずは「目」の使い方から知っておきましょう。「目は口ほどに物を言う」の言葉通り、私たちは相手の目を見て本心や感情の変化を読み取ろうとします。これは面接官も同じ。面接室に入った時点で目が泳いでいれば、緊張や自信のなさが一瞬で伝わってしまいます。

●出会って1秒のアイコンタクト

心理学者の佐藤綾子さんは著書『できる大人の「見た目」と「話し方」』の中で、出会って1秒のアイコンタクトとそのあとのアイコンタクトに分けて、好印象を与えるためのアイコンタクトを紹介しています。

アメリカの心理学者の研究によれば、私たちは出会って1秒で視覚から1,100万画素の情報を集めて、そのうち40万画素を脳で処理しているのだそうです。たった1秒の間にそれだけの情報が入れば、第一印象がある程度決まってしまってもおかしくはありません。

そこで佐藤さんは「上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)」、すなわち上まぶたに力を入れ、その目に「あなたと会えて嬉しいです」という気持ちを乗せるようアドバイスしています。こうすると自然と口角が上がり、わざとらしくないソフトな笑顔が出来上がり、第一印象を改善できます。

●出会って1秒「以降」のアイコンタクト

出会って1秒以降も気は抜けません。面接の間中視線が泳いでいれば、どうしても印象は悪くなります。この1秒以降のアイコンタクトは「毎分32秒以上」が理想的とされています。ただこれは1対1の場合で、集団面接のように相手が複数人いる場合はもっとアイコンタクトを増やす必要があります。

またむやみに相手の目を見つけ続ければ、相手は「ずっと睨まれてるな」と感じてしまいます。ではどこを見ていれば「アイコンタクトを取ろうとしている」と認識されるのでしょうか。

両目の面積すべて、そして鼻のタテ2分の1までを結んだ扁平二等辺逆三角形のあたりを見つめれば、相手はあなたがアイコンタクトを保っていると感じます。引用:『できる大人の「見た目」と「話し方」』p99

目を見るのが苦手な人は、相手の鼻のちょうど真ん中あたりを見ていれば、アイコンタクトを保っていると認識してもらえるでしょう。またこの時も上まぶたにしっかり力がこもっていることが大切です。「上まぶたが下がる」は「興味がない、飽きた」のサインだからです。

表情筋が活発かどうかが分かれ道

続いて目以外の顔の部分が作る「表情」について解説します。無表情は心理学で「服従欲求」のサインとされています。服従欲求とは端的に言えば「長いものに巻かれたい」という欲求です。

こんなメッセージが面接官に伝わりでもしたら、採用への道のりは絶望的です。豊かな表情を作るのは表情筋。この表情筋の動きが活発かどうかが、採否の分かれ道となるのです。

特に笑顔が自然に作れるかどうかは重要です。笑顔には「言語調整動作(レギュレーターズ)」という役割があり、聞き手の笑顔の有無によって話し手の話が弾んだり、盛り下がったりするのはこのためです。

佐藤さんの行った二者間の実験では、人が相手との「快適な会話」と感じるのは聞き手が1分間のうち34秒以上笑顔でいる場合だということがわかっています。

●「採用される人の笑顔」は万全の準備とトレーニングが作る

しかしその笑顔も引きつったような笑いや、あからさまな作り笑顔では逆効果。自然な笑みを意識的に作るには「万全の準備」と表情筋の「トレーニング」が必要不可欠です。

万全の準備とは、面接に向けての自己PRを作成したり、自信を持って面接に臨めるよう練習したりすることです。表情研究家の広瀬真奈美さんは人を惹きつける笑顔を作る「マナミ式・スマイルスタイル」というメソッドを提唱しています。

著書『愛され笑顔のつくり方―誰でもできる表情レッスン トレーニングがクセになる楽しく学べる実践法』には笑顔について、以下のように書かれています。

そもそも「笑顔」とは、「頬の筋肉を動かすこと」だけが大切ではないのです。(中略)ありのままの自分を受け入れ、そんな自分を愛することができ、そして自分をポジティブに評価することも大切なことなのです。引用:『愛され笑顔のつくり方―誰でもできる表情レッスン トレーニングがクセになる楽しく学べる実践法』p54

転職の面接についてこのような感情を抱くためには、「ここまで準備したんだから、自分は大丈夫」というところまで準備をする必要があります。あるいは幅広い視点で業界や企業を見て、「ありのままの自分」で転職できる仕事を見つけなければなりません。

だからこそ、まず万全の準備が必要なのです。これと並行して行いたいのが表情筋のトレーニングです。ここでは特に緊張や不安を感じやすい人におすすめの「眉トレ」をご紹介します。

1日3分で変わる!表情筋のトレーニング

<トレーニング1>
1.息を吐きつつ、眉の内側に力を入れて両眉を中央に寄せる。
2.眉間の縦じわと、目の形が三日月のように細くなるのを確認する。
3.この状態を10秒キープする。

<トレーニング2>
1.眉の内側を力一杯引き上げる。
2.この状態を10秒キープする。
3.次に両目をできるだけ左斜め上に引き上げる。こめかみの上を見るようなイメージ。
4.左眉の外側が上がっていることを確認する。
5.この状態を10秒キープする。
6.右側も同様に行う。

<トレーニング3>
1.顔全体の表情筋を鼻に向けて引き寄せるように動かす。
2.できるかぎり表情筋を収縮させた状態で10秒間キープする。
3.この状態から、逆に顔の外側に向けて顔のパーツを解放するように動かす。口も開ける。
4.表情筋が伸びきるのを意識しながら、10秒間キープする。

広瀬さんの前掲書には、他にも顔全体の筋肉をほぐすためのトレーニング方法が紹介されています。写真付きでとてもわかりやすいので、もっと表情筋のトレーニングが知りたいという方はぜひ手にとってみてください。

背骨の美しさがバイタリティを示す

姿勢の良し悪しは即印象に影響します。特に背骨の影響力は絶大です。真っ直ぐ伸びていれば「元気そうだ」「明るそうだ」という印象を受けますが、逆に猫背になると「大人しそう」「自信がなさそう」というネガティブな印象につながります。姿勢の悪さには様々な原因がありますが、ここでは背中の筋肉の強化と、胸の筋肉のストレッチに焦点を当てて、具体的な方法を紹介します。

●背中の筋肉を強化して背すじを伸ばそう

背中の筋肉は主に広背筋、僧帽筋、脊柱起立筋で構成されています。広背筋は腕に持った物を手前や下に引っ張るために使う筋肉、僧帽筋は同じように物を手前に引っ張ったり、あるいは上に引き上げたりする筋肉です。脊柱起立筋は上半身を起こすときなどに使う筋肉です。

体の前側についている腹筋や、押すための筋肉「大胸筋」に比べて、背中の筋肉は弱くなりやすいとされています。結果前側の筋肉に引っ張られて猫背になったり、巻き肩になったりするのです。背中の筋肉の衰えが原因で姿勢が悪くなっている場合は、以下のトレーニングを2日に1回の頻度で繰り返せば徐々に改善するはずです。

<背中の筋肉全体のトレーニング>
1.うつ伏せになり、腕を前方に水平になるように伸ばす。
2.この時、つま先は地面につけたままにしておく。
3.この状態から、肩甲骨を寄せるのを意識しつつ、腕を後方に引っ張る。
4.同時に上体を引き上げていく。
5.限界まで引き上げたら腕と上体を元の位置に戻す。
6.これをを15回×3セットを目標に行う。

●胸の筋肉をほぐして背すじを伸ばそう

大胸筋を中心とする胸の筋肉に力を入れようとすると、腕を体の幅よりも内側に寄せる必要があります。胸の筋肉が緊張していると、知らない間にこの状態になってしまい、巻き肩や猫背になります。

これを防ぐためには鍛えるのではなく、緊張をほぐすストレッチとマッサージが効果的です。また胸の筋肉をほぐすと肺を守っている胸骨が動きやすくなるので、呼吸が深くなり、リラックス効果も期待できます。以下のストレッチとマッサージをできれば毎晩、難しければ背中のトレーニングと一緒に行いましょう。

<大胸筋のストレッチ>
1.柱などの横に立ち、右腕を肩と水平になるように挙げ、掌が前を向くようにして直角に曲げる。
2.肘から先の部分を柱に添え、息を吐きながら体を左側に回していく。
3.胸の筋肉が伸びるのを感じる位置に腕の高さを調整しながら、30秒間キープする。
4.逆側も同様に行う。

<大胸筋・小胸筋*のマッサージ>
1.胸での呼吸を意識する。
2.胸の上部の肋骨の間をなぞるように、指でゴリゴリと大胸筋をマッサージする。
3.大胸筋の緊張が解けるのを感じたら、肩と胸の間のくぼんだ部分(烏口突起)を強く押して、小胸筋を緩める。
※小胸筋:大胸筋の深層にある筋肉

声は印象の38%を左右する

「メラビアンの法則」と呼ばれる心理学の学説では、人は多様な解釈ができるメッセージの印象を「言葉7%」「声38%」「見た目55%」で判断しているとされます。この説によれば、私たちの印象の約四割が声で構成されているのです

。転職の面接の前に電話のやりとりをする場合もありますが、すでにその時点で一定以上の印象が形成されている可能性さえあります。心理学者の佐藤さんは、前掲書の中で同じ声のトーンで話され続けると人は退屈してしまうと指摘しています。これを防ぐには声にメリハリをつける必要があります。声のメリハリとは次の五点です。

①声の強弱、②話す速度、③声の高低、④イントネーション、⑤間(ポーズ)をつける 引用:『できる大人の「見た目」と「話し方」』p173

大事な部分は語気を強くしたり、ゆっくり話したりと、どのような印象になるか自分で試してみてください。問題はこれを自由自在に行い、「良い声」で話すためにはある程度の筋力が必要だという点です。以下では声優や歌手など声を生業とする人たちが行う筋トレのうち、三つのエクササイズを紹介します。

●「良い声」を作る3つのエクササイズ


「良い声」を作るためには腹式呼吸が必要不可欠。そして腹式呼吸のためにはお腹周りのインナーマッスルを鍛えておく必要があります。以下で取り上げるのは「大腰筋」「腹横筋」「横隔膜」の三つの筋肉です。

大腰筋は内ももあたりから背骨の中央に向かって伸びている筋肉で、上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉です。腹横筋はお腹周りをベルトのように覆う筋肉で、お腹を意識的に凹ませるときに使います。横隔膜は体の中央にお椀をひっくり返しているようについていて、空気を取り込むために胸の中の空間を広げる役割を担っています。

<大腰筋のトレーニング>
1.壁や柱などに左手を添える。
2.体をなるべく地面に対して垂直に保ちながら、右足を伸ばしたまま水平まで挙げる。
3.このとき背中が丸まらないように気をつける。また急に引き上げず、できるだけゆっくり挙げる。
4.ゆっくりと元に戻す。
5.これを15回×3セットを目標に行う。
6.逆側も同様に行う。
※伸ばしたままが難しい場合は曲げて行っても良い。

<腹横筋のトレーニング>
1.仰向けになる。
2.お腹に手を当てて腹横筋を意識しながら、思い切りお腹を凹ませる。
3.呼吸を維持しながら、この状態を10秒間キープする。
4.これを15回×3セットを目標に行う。
※楽になってきたら1回あたりの時間を増やす。

<横隔膜のトレーニング>
1.仰向けになる。
2.お腹に手を当てて、下腹部ができるだけ大きく膨らむように息を吸う。
3.最大に膨らんだところで5秒〜10秒程度キープする。
4.口から息を全て吐き出す。
5.これを15回×3セットを目標に行う。

あとは最後まで走りきれ!

最強の自己PRを作るためには、徹底した自己分析と業界・企業研究が必要です。したがって最強の自己PRができた頃には、志望動機や面接中の質問に対する受け答えも十分実践に耐えうるものになっているはずです。

ここに最高の第一印象が加われば、まさに鬼に金棒。面接が終わるまで気持ち良く走りきれるでしょう。しかし本番で確実に最高の第一印象を実現するためには、日頃の練習と鍛錬が欠かせません。その場限りで実践しようとしても、わざとらしくなってしまうだけだからです。転職戦線で生き残るため、万全の準備を怠らないようにしましょう。

参考文献
『面接の達人2017 バイブル版 (MENTATSU)』
『決定版 セミナー講師の教科書』
『また会いたい!と思われる自己紹介のルール』
『愛され笑顔のつくり方―誰でもできる表情レッスン トレーニングがクセになる楽しく学べる実践法』
『できる大人の「見た目」と「話し方」』
Career Supli
自己PRもここまで準備をして臨めば余裕が持てます。いかに準備に時間をかけることができるかが合否のポイントになります。
[文]鈴木 直人 [編集]サムライト編集部