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「雑学王」やくみつるの習慣
やくみつるさんは漫画家としてよりも、クイズ王としての顔の方がメジャーかもしれません。あらゆるジャンルの難問にもスラスラと答え、いったい何者なのかというほど博識なやくさんですが、その知識は地道な(しかし楽しい)積み重ねあってこそのもの。ここでは著書『雑学の威力』の中から、実践的なやくさん流の雑学習得法を5つ紹介します。
TOP画像出典:youtube
■雑学が持つ3つの効能
雑学習得法の紹介に入る前に「雑学なんて身につけてどうするの?」という人のために、3つの雑学の効能を見ておきましょう。第一に「何をおいても、楽しい」ということです。雑学を身につける、と言っても受験のように勉強しても仕方がありません。
雑学はあくまで「雑」学なのです。しかしだからこそ気軽に楽しめるというメリットがあります。「最近面白いことないなあ」という人に、これほどおすすめの「学問」はありません。
第二に「雑談の話題に事欠かない」点です。プライベートでも仕事でも、あまり話の盛り上がらない相手は必ずいます。しかしそこに雑学があれば「そういえばこんな話すがあるんですが……」と湯水のように話題が湧いて出るのです。
そして第三に「あの人はなぜか○○にやたら詳しい」というキャラ作りができる点です。例えば天気の雑学を身につければ、営業先で天気の話題が出るたびに自分の顔を思い浮かべてもらえます。それだけで営業成績が伸びるわけではないかもしれませんが、必ず結果につながるでしょう。
このように雑学は人生を面白くするためのとっておきの「学問」でもあり、自分を売り込む営業ツールでもあるのです。では早速やくさん流の雑学習得法を学んでいきましょう。
雑学習得法1「身の回りのモノの名前を調べる」

自分の周囲を眺めます。いろいろなものが視界に入ってくると思いますが、それらひとつひとつの正式名称を口に出して欲しいのです。
引用:『雑学の威力』第4章
「どこからでも雑学の種は拾える」それがやくさんの雑学習得法の基本です。周囲のものの正式名称を改めて言おうとしてみると、実は知らないものが多いことに気づくはず。普段はなんとなく自分や家族の間の共通語で呼んでいるものも、正式名称を調べるとまったく違う名前だったりするわけです。
この「名前がわからないものを見つける→調べる」を繰り返すだけでも雑学はどんどん増えていきます。通勤電車の中やオフィスの中、居酒屋やバーなどあらゆる場所で「名前がわからないもの」を探しましょう。コツは「いつも見ているものを細分化して見る」ことです。
例えば電車の中吊り広告を挟んでいる部分の名前や、居酒屋の店先に出ているメニューが立てかけてある台……「今までそんなところ気にしたこともない!」というところを気にしてみれば、すぐにわからないものは見つかりますよ。
雑学習得法2「専門誌(紙)を読んでみる」

より目新しいネタを入手したい場合には、少しだけ専門的な媒体を選んでネタ探しをしてみるといいと思います。
引用:『雑学の威力』第4章
やくさんはインターネットやテレビ、新聞、書籍などあらゆるメディアがネタ探しに使えると言います。しかし「人とは一味違う雑学を身に付けたい」という人は、専門性の強い雑誌や新聞などを選びましょう。
一般向けのメディアでは触れられないとびきりマイナーな情報が、たっぷりと仕入れられるはずです。
ところでやくさん自身は情報収集にインターネットよりも図鑑を使うことが多いようです。図鑑には少なからず作り手の創意工夫が凝らされています。
例えば百科事典なら重要だと思う項目には大きく紙面が使われ、そうではない項目には申し訳程度の解説しか使われないということはよくあります。
やくさんは図鑑のこうした性質を生かし、各図鑑の作り手が「ここが目の付け所ですよ!」と主張しているところを重点的に読むのだそうです。
雑学習得法3「幼少期の記憶をたどる」

「そうは言うけど自分が何に興味があるかわからない」という人も多いはず。やくさんはそういう人たちに対して「なんのことはありません、幼少期の記憶をたどってみればいいだけの話です」とアドバイスします。
どんなに冷めた人でも、子供の頃はたいていの人が好奇心の塊です。絵本や電車、駅の名前に昆虫、プラモデルに貝殻、石、砂……その頃に熱中していたものの中には自分の好奇心の「余熱」が眠っています。
今一度それを掘り起こせば、とっておきの雑学の種になります。しかもすでに大人になった今なら、あの頃にはない「お金」があります。手に入れられるモノや情報の量が何倍、何十倍にもなるので、より一層楽しめるはずです。
雑学習得法4「キーワードを収集して調べる」
・新聞の用語解説欄を集中的に読む。
・ネットの「検索ワードランキング」の上位単語を調べる。
・中吊り広告や街中の看板などで興味を持った言葉を調べる。
これらの方法で情報を集めていくと、時事性の高い知識を効率良く蓄えることができます。日常的にやる時間がなければ、手帳などにメモしておいて休みの日にゆっくりと時間を作って調べてもいいでしょう。
時事性の高い知識のメリットは、言葉を調べていくだけで今世の中で起こっている出来事のおおまかな流れが把握できるという点にあります。「マニアックな雑学を披露したら周りから引かれそう……」という不安を抱いている人にもオススメのジャンルです。
雑学習得法5「土を飼う」
知的好奇心を養う方法としてやくさんがオススメしているのが「土を飼う」です。やり方は簡単。植木鉢などにどこからでもいいので土を持ってきて、それを入れるだけです。あとはときおり水をかけるなりして湿気を与え、毎日気が向いたときに観察します。
するとよほど過酷な環境でもない限り、何かしらの植物が芽を出していることに気づくはず。このとき「なんの植物かな?」と思ったら、自分の中に好奇心が芽生えた証拠です。植物の種類を調べたり、花が咲くまで育ててみたり、自分なりに楽しんでみましょう。
この土を飼うことのメリットは「手軽さ」だけではありません。毎日1つの対象を観察し、変化を探すことで「何の変哲もないものに着目する習慣」が身につくのです。これが雑学にとってどれだけ重要な習慣かは、他の雑学習得法をみれば自ずとわかるのではないでしょうか。
ちなみに、やくさんはこうして土を飼っていて芽を出したスミレ科の植物に興味を抱き、以降スミレ科の葉を見ると思わず観察してしまうのだそうです。
「雑学王」に、あなたもなろう!
「毎日同じことばかりで退屈だ」と思うことほど人生をつまらなくさせる考えはありません。「雑学を身につける」という視点からは、世界はこんなにも面白く見えるのです。ぜひともここで紹介した方法を実践して、あなたも雑学王になりましょう!
参考文献『雑学の威力』
