ベンチャー企業は新卒と中途のどちらで入るのが正解か?

ベンチャー企業は中途での入社がおススメ?

タイトルへの回答ですが、ケースバイケースなので単純に比較できる内容ではありません。それを踏まえた上で筆者の経験に基づくイチ意見という形で今回はベンチャーは「中途の入社がおススメ」というスタンスでご紹介させていただきます。

もちろん、新卒でベンチャー企業に入社して成功している人もたくさんいます。それでも筆者が身内からベンチャー企業に就職しようと考えていると相談されれば、まずは中堅以上の企業に就職して、3年ほど経験を積んでからでも決して遅くはないと答えます。その理由について述べていきます。

新卒はイケてるベンチャーを判断できない

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あなたは新卒採用のときにベンチャー企業を候補に入れていましたか?何社ぐらいベンチャー企業の面接を受けましたか?受けた人はどれくらいそのベンチャー企業について知っていたでしょうか。

ベンチャー企業の9割は失敗するともいわれてますが、その中から、社会人経験のない新卒が、有望な企業を見抜くのは非常に難しいです。また、ベンチャーの社長はたいてい自分のビジョンを持っていて、情熱的で勢いがあります。学生から見るとほとんどの社長が魅力的な人物に見えると思いますので、社長でベンチャー企業を判断するのも難しいでしょう。

基本的なビジネスマナーや社会人の一般常識が身につかない

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ベンチャーの場合、新入社員をゆっくり育てている余裕がないので、大した研修もなく、いきなり前線に放り込まれて、仕事を覚えていくことになります。

そのため、大企業で働くよりも実務経験を早く積める点は良いのですが、基本的なビジネスマナーや、社会人の一般常識、社会人としての正しい振る舞い方をしっかりと学ぶ機会が圧倒的に少ないです。

上司も20代や30代前半だったりする場合も多く、あまりうるさく言われることも多くありません。その点、大手の企業であれば、こういった点は厳しく指導されます。

電通マンの気遣いを紹介した著書『戦略おべっか どんな人でも、必ず成功する』で紹介されている例を一部ご紹介すると、

「ボールペンは同じ安物を必ず2本持ち歩く」
「接待の席には、相手の家族向けのおみやげを用意する」
「トヨタの人を接待して送るときはトヨタ車のタクシーを拾う」

といった内容が紹介されています。ここまでされたら気分も良くなるし、一緒に仕事がしたいなと思いますよね。こういったマナーや振る舞いが脈々と受け継がれているので、電通は広告業界のトップに君臨していられるのです。

そしてこういったマナーや振る舞いは若い時に覚えないと、なかなか身につきません。最近はこういった一般常識やマナーの価値は軽視されがちですが、仕事をする業界や相手のレベルによっては、これが仕事の成否につながることも少なくありません。

大手からベンチャーは転職しやすい

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だいぶ転職をするのが当たり前になってきてはいますが、まだまだ新卒以外には入りづらい企業が多く存在します。もし入れるチャンスがあるならば、新卒で、いったんある程度の規模の企業に入ったほうが良いでしょう。

そして、一定の経験を積んでから、自分が関心のある業界の中から、将来性のあるベンチャー企業を見極めてから転職すれば良いでしょう。一般論になりますが、大きな企業からベンチャーに転職するのは比較的できますが、逆はなかなか難しい場合が多いです。3年ほど体制の整っている企業で学び、そこからベンチャーに転職でも遅くはありません。

それでもベンチャーに就職したい人は

ここまで、新卒でベンチャー入社することをあまりおススメしない理由を書いてきましたが、それでもベンチャーで働いてみたいという人はどうしたら良いのかというアドバイスをしたいと思います。基本的には、上で述べたおススメしない理由を解消する方法を考えればオッケーです。

対策その1. 専門家や業界人のアタマを借りる

新卒が自分でイケてるベンチャーを探そうとしても難しいでしょう。そんな時におススメなのが、キャリアサプリで以前インタビューさせていただいた、グリーベンチャーズ堤さんのアドバイスです。

詳細はぜひインタビュー記事をご覧頂きたいのですが、堤さんいわく「イケてるベンチャーキャピタルが出資しているベンチャーは成功する確率が高い」そうです。

そしてイケてるベンチャーキャピタルを見分けるには、すでに成功しているベンチャー企業に、早い時期に出資しているかどうかです。これは企業のWEBサイトを見ればわかるので、このやり方でまずはイケてるベンチャーキャピタルを探して、そこが出資している企業をチェックしてください。

それ以外の方法としては、その業界で働いている社会人に「◯◯さんがもし今新卒で就活をするとしたらどこを受けますか?」と質問し、その理由を聞いてください。これを何人かに行えば、自分で選ぶよりも数段精度の高い有望な企業が見つけれると思います。

対策その2.会社外の人たちと積極的に交流する

ベンチャーでいきなり働くとその会社の常識が自分の常識になりますが、それは世間の非常識である場合も多いです。社会人の振る舞いや、一般常識が自分には不足しているという認識を持ち、著書などで学び、偏りを減らす努力をしてください。

また、仕事以外で、積極的に違う業界や世代の異なる人たちと交流してください。特に30歳以上歳の離れた人たちとは普段の仕事の中で触れ合う機会がほとんどない人も思いますので、そういう世代や価値観の異なる人たちとの付き合いを深めると、自分に足りない部分が理解できると思います。

対策その3. 専門的なスキルを身につける

いつ会社がなくなってもいいぐらいの気持ちで専門的なスキルや経験を身につけることを心がけてください。ベンチャーでは手をあげればどんどん仕事が回ってきますので、短期間で大量の経験を積むことができます。

求人サイトを定期的にチェックしながら、いま世の中ではどんなスキルや経験が求められているのかを意識しながら、今いる環境で経験できることを貪欲に追求してください。専門的なスキルがあれば、もし会社が倒産した場合も、より有望なベンチャー企業に転職することができますので、大したリスクはありません。

ベンチャー企業で働くのは楽しい

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ベンチャー企業に足りないものはたくさんありますが、ベンチャー企業で働くのは楽しいです。

安定した企業では味わうことができない新しいものをつくりあげていくというワクワクや高揚感や、いろんなものがめまぐるしく変化していくスピード感、ベンチャーならではの濃い人間関係、部活っぽいハイテンションなノリなど、まさにアドベンチャーです。面白いことを人生のプライオリティにおいてる人はベンチャー企業が合うと思います。

また、経営者の仕事ぶりを間近でみることができる点は非常に勉強になります。どういった状況の時にどんな判断を下して、その結果がどうなったのかをすべて見ることができるのは、貴重な体験です。これらを参考に検討して、後悔のない決断をしてください。

[文・編集] サムライト編集部