笑福亭鶴瓶さんに学ぶ愛されるコツ

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鶴瓶師匠に人心掌握術を学ぶ

「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と言ったのはベストセラー『嫌われる勇気』で有名になった心理学者アルフレッド・アドラーです。これは実に的を得た指摘で、人間関係の問題さえクリアできれば毎日はきっと何倍も楽しくなるでしょう。

かつて、映画界の重鎮・山田洋次監督は「いいよなあ、鶴瓶さんは。寄って来たら、みんな笑ってる」と鶴瓶さんに言ったのだそうです。ここでは周囲を笑顔にし、慕われる鶴瓶さんに、どうすればそんな風に人から愛されるのかを学んでみましょう。

「人当たりの良さ」を鍛錬する

「自然にしてるというよりも、目指さないとできない」鶴瓶さんは周囲の人から慕われることについて、このように語っています。

つまり鶴瓶さんが愛されるのは彼に天賦の才があるからでも、何か不思議な力があるからでもなく、「人当たりの良さ」を鍛錬しているからなのです。鶴瓶さんは「いちばん大事なのは、毎日の自分の姿勢ですね」とも言っています。

家族や会社の同僚や上司に対してはもちろん、日常で起こる見知らぬ人とのやりとりも丁寧に、笑顔で対応する。そうしたことが無意識的にできるようになるまで、とにかく意識的に鍛錬する。それが板についてくれば、知らない間に周囲の評価はガラリと変わっているはずです。

「ネタ帳作り」を習慣にする

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「鍛錬」という意味では鶴瓶さんのネタ帳作りも、人に愛されるための鍛錬の1つと言えます。人から愛されるためには「凄い人」であるよりも「面白い人」である必要があります。

そのために鶴瓶さんは日々の中で自分が体験した「おもろいこと」を毎日ノートにつけているのだそうです。2005年の1年間に鶴瓶さんは584個の「おもろいこと」を見つけたのだとか。

これだけを見るとものすごい数のように思えますが、1日平均にしてみると1.6個。普通の人でも難しい数ではありません。大事なのは「ネタ帳作りを習慣化する」ことです。

何も洗練された爆笑必至ネタだけをネタ帳に書く必要はありません。「今日はこんなことで笑ったな」「あれは密かにクスリときたぞ」というレベルのものを積み重ねていくだけでいいのです。

そうしているうちに「おもろいこと」を見つける目が養われ、どんどんネタのクオリティも上がっていくはずです。また面白いと思えるコト・モノを見つける習慣がつけば、自然と毎日が楽しくなってくるという嬉しい副産物もあります。

「プライド」を捨てる

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「『プライド』をなくすほうが、みんなから愛される」と著書『本音で生きる』で書いたのは堀江貴文さんです。鶴瓶さんもまた周囲から慕われるためのテクニックの1つとして「まず、自分の恥部を言う」ことを挙げています。

はじめにこちらが自分の恥部をさらけ出すと、相手も自分の弱い部分を見せやすくなります。相手が弱い部分を見せたら、すかさずさらに自分の恥ずかしい部分をさらけ出していく。これを繰り返すことで鶴瓶さんは相手の心を開いていくのです。

このテクニックを意識して使うと、ネタ帳作りの時と同じように嬉しい副産物が生まれます。それは「謙虚さ」です。このテクニックを効果的に使うためには、まず自分の恥部を把握するために自己分析をしなくてはいけません。

また相手の心を完全に開くには1つや2つではなく、より多くの恥部を把握する必要があります。

そうして自分の「弱さ」「恥ずかしい部分」を把握していけば、自ずと傲慢にならなくなり、謙虚さが身についてくる、というわけです。

「オリジナリティ」を追求する

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誤解を恐れずに言えば、鶴瓶さんは「話がうまい」わけではありません。鶴瓶さん以前の大阪お笑いスターと言えば笑福亭鶴光さんや桂三枝(現6代目・桂文枝)さんなど独特の「話の技術」を持った人たちばかり。

こうした人たちは「話の匠」と言っていいほどです。対して鶴瓶さんは「近所のお兄ちゃん(あるいはおっちゃん)」がするような面白い話を気の向くままに展開します。もちろん面白いのですが、そこに息を呑むような技術はありません。

しかしここには明確な鶴瓶さんの意図があったのです。著書『哀しき紙芝居』の中で、鶴瓶さんはこう書いています。僕の中には、はっきりとした、芸人としての指向がある。それはマイナー指向ということだ。

他の人がやらないマイナーな方向に、自分のオリジナルのスタイルをこつこつと築き上げる。それこそが「笑福亭鶴瓶」の流儀なのです。メジャー指向になるとどうしても「万人ウケ」を狙ってしまいます。

しかしそこには多くのライバルがひしめきあっています。これを避けてマイナー指向を追求したからこそ、鶴瓶さんは独自の「フリートーク」というスタイルを確立したのです。

「上機嫌」が大前提

人に愛されるための鍛錬を積み、自分のプライドを捨ててオリジナリティを追求していても、「機嫌の悪い人」が人から愛されることはありません。

鶴瓶さんはテレビを見ていてもわかるように「ニコニコする場面」「マジメな顔をする場面」をしっかりと見定め、使い分けています。無意味に不機嫌になったりは決してしません。鶴瓶さんは上下関係の厳しい芸人の世界でも、若手から「絡みやすい」「イジリやすい」と言われているそうです。これは鶴瓶さんが、わけもなく機嫌を悪くするような人ではないということがわかっているからではないでしょうか。

何をするにしても「上機嫌」を第一とする。人から愛されるための大前提です。

カギは「笑顔」と「積み重ね」

鶴瓶さんから学べるのは、人から愛されるための2つのカギ「笑顔」と「積み重ね」です。楽しいときだけ笑っているのではなく、笑顔でいるための努力をしっかりと積み重ねることが、「愛される人」になるための最速メソッドなのです。まずは「ネタ帳作り」と「自分の恥部探し」から始めてみてはいかがでしょうか?

TOP画像出典:photo by Roberto Maxwell
参考文献『「誰からも好かれる術」を笑福亭鶴瓶に学んだら』
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どんな時でもフレンドリーにファンに接する姿勢はなかなかマネできないですね。
[文・編集]サムライト編集部

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