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転職したいなら匿名アカウントはもったいない
Twitter、Facebook、Instagramなど、やっていない人が珍しくなくなったSNSですが、個人を特定されないように匿名のアカウントを利用しているという人も多いのではないでしょうか。
単にSNSを楽しむというだけならそれだけでも構いません。しかし転職や独立を考えている人の場合は別です。
今やSNSの使い方によっては、転職や独立に直結する時代だからです。ここではSNSが転職や独立につながった例を紹介しながら、「実名でのSNS活用」を提案します。
「SNSで転職」の新たな形
今まで「SNSで転職」というと、SNSのダイレクトメッセージ機能を使って企業内の人間とコンタクトをとり、そこから面接や採用に至るという形がメインでした。
しかし近年、個人と企業がつながるツールとしてのSNSという位置付け以外にも、面接・採用にあたって「個人としての発信力・影響力」を計測するためのSNSという位置付けが生まれ始めています。
メガネ・サングラス販売の全国チェーン「オンデーズ」は「インフルエンサー採用枠」なるものを設け、「主要SNSの個人アカウントのフォロワー数1,500人以上」を基準に、フォロワーの状況・発信内容を審査。
一般枠よりも優遇された条件での採用を実施しています。さらに同社ではインフルエンサー採用枠からの入社でなくとも、個人アカウントのフォロワー数1,500人以上の基準を超えていれば基本給とは別に月5万円の手当てを支給する制度を2017年10月からスタートさせています。
スタッフ個人の情報発信を禁止しているチェーン店も多いなか、オンデーズは「個人としての発信力・影響力」を重視したマネジメントとプロモーションを行っているのです。
オンデーズ以外にも、STUDIOSやUNITED TOKYOといったレーベルで国内発ブランドやオリジナルブランドの展開を行っている「TOKYO BASE」も、2018年入社の新卒採用からインフルエンサー採用を実施しています。
ZOZOTOWNを運営するスタートゥデイの着こなし発信アプリ「WEAR」で1,000人以上、もしくはInstagramで2,000人以上のフォロワーがいれば書類審査・一次面接の免除が受けられるというものです。実際内定者50人中1人がインフルエンサー採用枠での入社でした。
サイバーエージェントの連結小会社で、「to buy」や「Ripre」などソーシャルインフルエンサー事業を展開している「Cyber Buzz」も、2019年卒学生向けのインフルエンサー採用を発表しています。
応募資格はInstagram、Facebook、Twitterの直近1ヶ月以内の投稿で300いいね!以上の投稿があることとなっています。
確かに今のところは職務経験が問われない新卒採用や、インフルエンサーとの相性がいいファッション業界などがメインにはなっています。
しかし平成29年版「情報通信白書」が明らかにしているように、スマホ利用の中心がSNSに推移しており、SNSの利用者は年々増加傾向にあるということを考えると、今後この動きが他の業界や職種に広がっていく可能性は十分あります。
以下ではSNSによる「個人としての発信力・影響力」を利用してビジネスチャンスをつかんだ2人の実践者の例を紹介します。
「個人としての発信力・影響力」が転職・独立の武器になる
●短パン社長・奥ノ谷圭祐さん
キャリアサプリでも何度かご登場いただいている「短パン社長」こと奥ノ谷圭祐(おくのや・けいすけ)さんは、SNSを出発点としてビジネスを成功させている人物の一人です。
彼はニュースレター、チラシ、DMといった紙の販促物のほか、ホームページ、ブログ、Facebookなど、SNSのアドバイスも行い、全国各地での講演活動も行いつつ、2014年からSNS上で限定発表・受注のオリジナルブランド「Keisuke okunoya」を立ち上げ、これまでの累計売上は3億円とビジネス的に成功しています。
その成功の要因の1つが、奥ノ谷さんが毎日続けているブログ・Facebook・Twitterへの投稿です。
カレー、コーヒー、ビール、映画といった自分が好きなものについての情報を発信し続けた結果、現在の奥ノ谷さんのTwitterフォロワー数は1万5,000人超となっています。
「Keisuke okunoya」の商品を購入しているのは、SNSから奥ノ谷さん個人のファンになったという人たち。つまりインフルエンサー採用と同様「個人としての発信力・影響力」が仕事を生み出しているのです。
※短パン社長の最新記事はコチラ
●ファッション系YouTuber・ハズムさん
ファッション系YouTuberのハズムさんも、SNSを通じてビジネスチャンスを掴んだ人物の一人です。2016年11月15日に開設された彼のYouTubeチャンネル「ハズム」は、2018年4月現在でチャンネル登録者数8万6,000人以上。
Twitterのフォロワー数は1万2,000人近くにのぼり、Instagramでも2万8,000人以上からフォローされています。
もともとブランド古着の全国チェーン「カインド」の吉祥寺店店長として活動を開始したハズムさんでしたが、2018年3月にかねてから夢であった自分のセレクトショップを経営する計画を実行。
中目黒に期間限定のポップアップショップ「DAN」をオープンさせています。ハズムさんが動画で紹介するファッションアイテムは玄人向けのものも多く、幅広い年齢層から支持されています。
そのためDANの商品の売れ行きも好調のようで、入荷する商品がことごとく完売している状態です。今後カインドの仕事をどうするかなどは語られていませんが、独立のきっかけは十分掴んでいるといえます。
●「個人としての発信力・影響力」はビジネスの種になる
インフルエンサー採用、そして奥ノ谷さんやハズムさんを見るだけでも「個人としての発信力・影響力」にはビジネスチャンスを生む力があることが明らかです。
もちろん一朝一夕に手に入るものではありませんが、何もしなければ身につくはずがありません。以下では「実名SNSを転職に活かすための3原則」と題して、転職・独立のきっかけをつかむためのSNSの使い方を紹介します。
実名SNSを転職に活かすための3原則

●「自分なんかが発信しても……」という考えを捨てる
「SNSのフォロワー数を増やして発信力・影響力を強化しよう」というと、「プロでもない自分が発信してもしょうがない」と最初から諦めたくなる人もいるでしょう。
SNSを転職・独立のきっかけに利用したいのであれば、こういった考えは一切捨てなければなりません。なぜなら何もせずに諦めてしまったら、何ひとつ変わらないからです。
「プロでもない自分が発信しても誰も見ていないんだし、自分のやりたいようにできる!」と前向きに考えるべきです。
また少しずつ発信力・影響力がついてくれば、心無い言葉で批判してくる人たちや馬鹿にしてくる人たちも出てきますが、それも気にする必要はありません。
なぜならそれは批判する人間が出てくるほど、発信力・影響力があるという証明だからです。わざわざ批判したり、馬鹿にしたりする人は全体のごく少数です。
分母が大きくなければ批判の数も増えません。むしろ「自分にもこういうことを言う人たちが出てきたか」くらいにどっしり構えましょう。
●自分の好きなことを発信する
「何を発信しよう?」と悩む必要はありません。SNSで発信する内容は、奥ノ谷さんのように自分の好きなことで良いのです。
自分の好きなことを延々と発信していれば、同じことが好きな人たちとのつながりが生まれ、「今度こんな集まりがあるから来てみないか?」「こんなビジネスの話があるんだが、やってみないか?」といったお誘いにつながっていきます。
好きなことが転職や独立のきっかけになるということは、すなわち好きなことが仕事になるチャンスがあるということでもあります。
人気テレビプロデューサーの角田陽一郎さんが著書『「好きなことだけやって生きていく」という提案』で書いているように、近い将来好きなことを仕事にしなければ食っていけない時代がやってきます。
その前に実名SNSで好きなことを仕事にする足がかりをつかんでおきましょう。
●「前向きな内容」を「毎日」発信する
先ほど「プロでもない自分が発信しても誰も見ていないんだし、自分のやりたいようにできる!」と書きましたが、これは他人を傷つけたり他人の気分を害するような投稿をしてもいいという話ではありません。
よく多くの人にファンになってもらうには、SNSを見ている人たちが気分を害さないようにする必要があります。その方法は簡単です。
内容を前向きにすればいいのです。具体的には「こういう結果が出た。もうだめだ」ではなく、「こういう結果が出た。でも明日はきっと大丈夫」という具合です。
そしてこれを「毎日」続けること。特に本格的にSNSを利用し始めた当初は、どんな内容をどうやって投稿すればいいかと悩みがちですが、そんなことはある程度数を投稿しなければわかりません。
だからとにかく毎日続けて投稿し、どんな投稿にどんな反応があるのかを見極めていきましょう。そうして「求められていること」と「自分が発信したいこと」をうまく組み合わせていくのです。
「今から」実名アカウントで発信しよう
仕事でも趣味でもどんなことでも同じですが成功するためには、まずは始めること、次に継続すること、そして絶えず改善し続けることです。
転職・独立のきっかけをつかむためにSNSを利用したいと考えている人、特に自分の好きなことを仕事にできないかと考えている人は、今すぐ実名アカウントで発信し始めましょう。
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