新卒では絶対入れない大手企業に滑りこむタイミングと用意すべきマインド

大手企業は一流大学のエリートだけが入るもの?

昔から「いい大学に入れば、いい会社に就職できる」という決まり文句がありますが、大学通信が出している2016年卒業生を対象とした「有名企業400社の実就職率ランキング」でも、一橋大学、東京工業大学、慶應義塾大学などいわゆる”エリート大学”が名を連ねています。

実際に大手企業の中を見てみても、そういった一流大学出身者が多く、新卒で滑り込むには、非常に狭き門であると言わざるを得ないでしょう。

しかし、一度就職し、その企業に見合ったスキルや専門性を身につけたうえで挑む”転職”であれば話しは変わってきます。私自身、地方のいわゆる”Fランク大学”を卒業後上京し、現在社会人4年目となりますが、就職難易度が最も高いと言われるIT企業に転職して働いています。

今回は、そんな新卒では絶対に入れないような大手企業に転職で滑り込むタイミングと、用意しておくべきマインドについて触れていきます。

大手企業にも転職で滑りこみやすい時期がある

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大手企業への転職を狙ううえで重要なこと、それは転職のタイミングです。まず第一に、狙っている企業の新規事業をチェックしてみましょう。それが自分の専門としている分野の仕事であれば、かなりチャンスがあると言えます。

多くの人材を抱える大手企業とはいえ、新規事業を立ち上げたばかりのときには、その事業に特化した人材を一から集めなければなりません。最も良いのは事業立ち上げのタイミングと同時に入社することですが、半年から一年ほど経過し、事業の売り上げの目処が立って、規模拡大のタイミングの求人に応募するのもよいでしょう。

また企業や業種にもよりますが、3月か9月あたりに転職活動をするのもおすすめです。この時期は中途採用が毎年活発な時期とされており、大手企業も含めて様々な求人が多く出やすい傾向にあります。逆に閑散期に転職活動をすると、自分が就きたいポストの求人が出ていなかったりもするので、タイミングをよくはかって行動するようにしましょう。

社風・社訓を正しく理解することの重要性

転職しやすいタイミングであり、必要なスキルセットが揃っている…。この2つの条件さえクリアしていれば、あとは面接を成功させるだけです。

有名企業の選考ルートというと、新卒採用は5次、6次面接まであるのが当たり前でしたが、中途採用では多くの企業で人事面談と部門責任者面談の2〜3回のみとなります。簡略化されている分、一次面接のハードルは高くなっているので、たとえ人事面談であっても論理的な回答が求められます。

面接をクリアするためにまず必要となってくるのが、その企業の社風・社訓を正しく理解していることです。例えば「多様性を重視している」という企業であっても、それは「自分のやりたいようにやれる」という意味ではなく、「事業の目標に対して各々が役割を理解し、専門性を発揮する」という意味となってきます。

チーム単位で動くことがほとんどの企業にとって、社風・社訓は社員がバラバラにならないようにするために設けている最低限の指針のようなものです。その企業のマインドを正しく理解しているか、そうでないかは数回しかない面接において大きな差となります。

「たかが社風・社訓」と侮ることなく、しっかりとリサーチしたうえで適切な回答を用意し、面接に臨むことをおすすめします。

前職での信頼は次の仕事を生み出す

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ここで採用側の視点から転職回数について考察していきます。一般的に「転職回数が多いほど転職が不利になる」という説がありますが、これは採用方針によっては判断材料となる企業もありますが、採用後の即戦力化を重視している企業では、これまでの実績やスキルセットを中心にチェックしている場合が多いように思われます。

また近年では、「ダイレクトリクルーティング」という採用方法を取り入れる企業が増加しています。これは「自分たちで即戦力となる求職者を呼び込む」というもので、この手法を採用に組み込んでいる企業では「社員が一緒に働きたい人を推薦し、自分の会社に連れてくる」という流れができています。

つまり、人脈が広くスキルのある人材ほど、この「ダイレクトリクルーティング」に引っかかりやすくなり、様々な仕事に携われる機会が多くなるのです。もし行きたい会社に前職の知り合いがいるという方は、転職について相談してみるのも、門を広げるひとつの有効な手段となるでしょう。

規模の大きい企業ほど多様なスキルを持った人材が集まる

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転職は企業に蓄積されたノウハウを吸収するのに非常に効率的な手段となります。さらに言うと、転職するほど自分にはない多様なスキルを持った人と出会えるチャンスを作れるのです。

「百聞は一見にしかず」という言葉がありますが、一冊の分厚いビジネス本を読むよりも、プレイヤーとして高いレベルを持った人と一緒に働くことの方が、今まで自分が持っていなかったスキルを身につける上で効率的だと思います。

業種にもよりますが、ある程度のスキルを身につけてしまいさえすれば、その企業コミュニティの中で難無く暮らしていけるようになります。もちろん、この働き方も正解だと思いますが、将来もっと面白い“多様性のある働き方”をしたいという人は、ひとつの企業コミュニティに縛られることなく行動した方が、より自らのスキルを柔軟に活かしやすくなるでしょう。

Career Supli
新卒から数年経過して自分のスキルに自信が持てるようになったのであれば、キャリアアップや更なるスキルアップのために大手企業の門を叩いてみるのも良いかもしれません。きっと新たな出会いやチャンスをもたらしてくれるはずです。
[編集]サムライト編集部