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書類より先に自分を見てもらう方法
転職しようにも「転職回数が多い」「学歴が低い」「働いていない期間がある」などが原因で書類審査を突破できず、いつまでたっても直接会ってもらえない人の場合、そのまま正攻法で挑んでもなかなか結果に繋がらない可能性があります。
ここではそんな人のために「ハローワークや転職サイトから書類で応募する」という正攻法以外の方法で、書類より先に自分を見てもらう方法を紹介します。
「勝手にコンサル」でネット上で認知される
FacebookやTwitterなどのSNSや企業名の上がっているブログなどは、自分が考えている以上に色々な人が見ています。特定のビジネス領域などについて頻繁にポストを繰り返していれば、その領域を生業とする人の目にも触れることになるでしょう。
実際、米ジョブバイト社の2012年の調査によれば、米国の企業人事担当者らのうち92%が、採用活動においてSNSの活用が必要不可欠と回答しています。採用におけるSNSのウェイトは日本でも徐々に存在感を増していると考えていいでしょう。
信頼性の高い情報を積極的に発信していれば、目当ての企業の関係者からダイレクトメッセージが来る可能性も十分あります。
また「この企業に入りたい!」という目的がはっきりしているのであれば、SNSやブログを使って「勝手にコンサル」をするのも効果が期待できます。店鋪のある企業なら実店舗に行ってじっと観察してみる。
店鋪のない企業なら財務諸表やプレスリリースなどから事業状況を推測する。そうして得た情報を基にして、頼まれてもいないのに勝手にコンサルをしてしまうのです。
経営者目線で的確なコンサルができれば、漫然と情報を発信するよりも効率的に企業の関係者に対してアプローチできるでしょう。
有名講師の講座に参加してコネクションを作る

画像出典:菅付雅信の編集スパルタ塾
菅付雅信さんの「編集スパルタ塾」や宣伝会議が開催するセミナーなどに参加して、コネクションを作るのも効果的です。例えば2016年から2017年にかけて開かれる「編集部スパルタ塾(第四期)」では、『ブルータス』や『新潮』『文藝春秋』の編集長のほか、博報堂ケトルの代表に電通やサン・アド エグゼクティブの現職クリエイティブ・ディレクターなどが特別講師として参加しています。
宣伝会議のセミナーにも、各領域のプロフェッショナルが講師として登壇します。受講料などコストはかかりますが、その分書類審査はありません。そのため書類より先に自分を見てもらうことができるのです。過去の編集スパルタ塾の受講生で、講義を通じて知りあった企業に転職した人がいるそうです。
もちろんこれらの講座の目的は「優秀な人材を講師が見つけて採用する」ではありません。しかし参加すれば必ず得るものはありますし、真面目に取り組めば講師が勤めている企業でなくとも「こんな会社が人を探してるんだけど興味ある?」という話をもらえる可能性は十分あります。自分磨きもできて、一流の業界人との面識もできる。まさに一石二鳥の戦略です。
目的の企業の「外注先」に入社する
人気企業は採用希望者も多く、書類審査である程度ふるい分けなければ効率的な採用ができません。そのため履歴書の見栄えを悪くする経歴がある場合、なかなか直接入社するのは難しくなります。
一方、その企業が継続的に外注している企業であれば、比較的入社しやすい可能性があります。書類審査に通らない人が狙うべきはそういった企業です。
外注先の企業に入社したら、目的の人気企業の担当になれるよう努力しましょう。晴れて担当者になれたら、「引き抜きたい」と思われるくらい積極的にアピールするのです。これに成功すれば、すでに貴方自身を「欲しい」と思ってもらっているので、見栄えの悪い履歴書でも問題なく受け取ってくれるはずです。
この方法のデメリットは「リスクの高さ」です。外注先企業に入社できても、目的の人気企業の担当になれるかはわかりません。担当になれても「引き抜きたい」と思ってもらえるかは実力と運次第です。
こうしたリスクを考えると、「外注先だから」という理由だけで入社するのは危険でしょう。長く勤められる企業なのか、自分の履歴書に転職回数をいたずらに増やすような企業なのか、しっかりと見極める必要があります。
「欲しいメディア」を手土産にする
自前で作ったメディアを一定の更新頻度、アクセス数やSNSのファン数を持つ魅力的なものに育て上げ、それを手土産にアプローチをかけるという方法もあります。
クオリティの高いメディアを運営して行くためには様々なノウハウが必要です。例えば一定の更新頻度を確保するためには、自分一人で書くだけではなく、クラウドソーシングなどを使って質の高い記事が書けるライターと手を組む必要があります。
アクセス数を稼ぐためにはコンテンツの質だけでなく、広告の出し方にも考慮しなくてはなりません。SNSのファン数を増やすにはライターのスキルだけでなく、運営側のディレクションも重要です。
したがって採用側にとって「人気メディアをマネジメントしている」という経歴は、学歴や職歴などの形骸化しがちな指標よりも、よほど説得力のあるアピールポイントになるのです。
メディア運営には綿密な計画はもちろん、サイトデザインやコンテンツ作成のためのコストもかかります。また採用側に「欲しい」と思ってもらえるメディアに育つまでには時間もかかります。
決して楽な道ではありませんが、魅力的なメディアに育て上げた頃には今より広い人脈と多様なスキルを身につけているはずです。チャレンジする価値は十分にあるでしょう。
転職エージェントを活用する
「マイナビエージェント」「リクルートエージェント」「アデコ」などの転職エージェントも、正攻法では書類審査を通過できない人にとって効果的なツールです。
転職エージェントに頼んだからといって書類審査がなくなるわけではありません。しかし専門のエージェントによるカウンセリングや適性の把握に基づいて、選考書類の添削や向いている企業の提案などをおこなってくれるので、転職活動を効率化することができます。
また転職エージェントは採用したい企業と採用されたい求職者の両方と繋がっています。そのため転職エージェントから企業に対して「こんな人材がいますが、どうですか?」とアプローチをかけてもらえるチャンスもあります。
企業側からすれば「書類の見栄えは多少悪いが、信頼できるエージェントのすすめなら一度会ってみようか」となるわけです。
しかもこちらが求職者の場合、転職エージェントの利用は無料です。転職エージェントの資金源は求人を出している企業だからです。ここまで紹介してきた方法に比べると派手さはありませんが、もっともコストとリスクの低い方法と言えます。
自分を見てもらわなきゃ始まらない
履歴書の見栄えが悪い人の場合、勝負できるのは「自分自身」です。実際に会って話し、企業が求めているスキルや経験を積んでいることをアピールできなければ、いつまでたっても転職活動は前進しません。
ここで挙げた5つの方法は、ネックとなる書類審査をすっ飛ばして自分自身を見てもらうための方法です。そこから先は実力勝負です。書類より先に自分を見てもらうために、「これだ!」と思うものを選んで、道を切り拓いていってください。
[文・編集]サムライト編集部