内藤 誼人の失敗しない転職の秘密vol.2転職して真っ先にするべきことは?

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ビジネス心理学の第一人者として実践的な心理学の応用に力を注ぎ、多数の著書を出版されている人気作家の内藤 誼人さんに「失敗しない転職のコツ」について寄稿いただきました。3回に渡ってお届けするスペシャル連載、第2回めです。第1回めはコチラ。

内藤 誼人の失敗しない転職の秘密vol.1転職選びは人間関係

新しい職場に自分を受け入れてもらう

転職を成功させるコツは、とにかく新しい職場に自分を受け入れてもらうことである。
新しくやってきたみなさんは、すでに元からいる社員からすると、得体のしれない人物であり、異端者である。

元からいる社員は、みなさんが何者なのかをよくわかっていない。どんな性格なのか、どんなスキルを持っているのか、そういうことがわからない。そして、人間というものは、よくわからない人に対しては、どうしても不信感や警戒心、嫌悪感を抱きやすいものである。

まずは職場になじむこと

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米国ミシガン州にあるウェイン州立大学のキャロリン・シャンツによると、ある人物が、すでにあるグループに入ろうとするとき、54%はいったん拒否的な対応を受けるという。

そんなにすぐに仲間に入れてもらえるわけではないのだ。また、シャンツによると、自分から話しかけずにグループの周りをうろちょろしても81%は無視されるという。

転職してすぐにやるべきは、新しい仕事を覚えることではなく、職場になじむことだ。
そして、新しい職場になじむためには、どんどん自分から積極的に他の人たちに話しかけることが絶対に必要である。こちらから声をかけず、相手から声をかけてもらうのを待っていたら、いつまでも無視され続けるだけである。

最近は、どの会社もそうなのだが、人の入れ替わりが激しくなり、いちいち新しく入ってきた人に対して、親切な対応をしてくれる人が少なくなってきた。だから、自分から相手の懐に飛び込んでいかないと、口もきいてもらえなくなってしまうのである。

まず「人の名前」を覚える

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転職したときには、とにかくまず「人の名前」を覚えよう。いいかげんな自己紹介をするのではなく、しっかりと相手の名前を自分の脳みそに叩き込んでいこう。お互いの紹介が終わったら、必ず、相手の名前を自分のメモに書き入れておき、絶対に忘れないようにしよう。

初日の勤務をするときに他の社員と自己紹介をする。しかし、たいていの場合、いっぺんに大勢の人と次から次へと自己紹介していく。ひどいときには、上司が職場の人を集めて、「右から、渡辺君、石川さん、服部君、新井さん、田中さんです、よろしくね」と代わりに紹介してしまうこともある。これでは、まったく相手の名前が頭に残らない。

相手の名前を覚えられなければ、相手を呼びかけることもできない。私なら、いっぺんに自己紹介されそうなときにも、「ちょっ、ちょっと、待ってください。お一人ずつ、しっかりお名前を覚えたいので、メモを取らせてください」と上司を遮るであろう。そして、一人ずつに自己紹介をし、相手の名前を教えてもらいながら、メモをとっていくであろう。

会話に名前を加える

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翌日からは、もちろん、すべての人を「名前で呼ぶ」ようにする。単純に、「おはようございます」と言われるよりも、「おはようございます、渡辺さん」といわれたほうが、相手だって嬉しいに決まっているからである。

 「この書類は、どこの棚にしまえばよろしいのですか?」と質問するときにも、「吉田さん、この書類は、どこの棚ですか?」と相手の名前をちょっと挿入するようにするのである。

こうやって、職場の人の名前を覚えて、名前で呼びかけるようにすると、みなさんは早く職場になじむことができるであろう。米国アラスカ大学のクリス・クラインクの実験によると、会話をするときに、ちょこちょこと相手の名前を呼びかける人のほうが、一度も名前を呼ばない人よりも、好印象を与えることが確認されたという。

「ありがとう」ではなく、「ありがとう、佐藤さん」というように、いちいち相手の名前を挿入しながら会話をするのが、好かれるコツである。

下の人にも自分から謙虚に接する

元から職場にいる人たちからすれば、新しくやってきたみなさんは異端者以外の何者でもない。

だから、自分からどんどん話しかけ、しかも、相手の名前をたくさん呼びかけるようにするのが、新しい職場に自分を受け入れてもらうための効果的な作戦である。

たとえ高い地位や役職が与えられる職場へと転職したのだとしても、それでも自分から下の人たちに声をかけ、相手の名前を呼びかけることは重要である。

「俺のほうが、役職が上なんだから、むこうから挨拶してくるのが筋だろう」などと思ってはならない。みなさんは、元からの人たちからすれば異端者なのであるし、新参者なのである。だから、謙虚に、自分から声をかけるのが正解だ。

自分からどんどん話しかけるようにすると、元からいる人から、「なんだか、カワイイ人だな」と思ってもらえる。

ちょうど、ご主人さまが帰ってくるなり、尻尾を振りながら駆け寄ってくるワンちゃんのようなイメージを相手に与えるであろう。そういう可愛らしい人物であることをアピールしよう。これが失敗しない転職先での振る舞い方である。

今の職場で実践しよう

ちなみに、相手の名前をしっかりと覚えて、その名前をどんどん呼びかけていく、というテクニックは、別に転職した人だけに有効なのではなく、だれがやっても効果的である。

もちろん、今の職場の人たち、あるいはクライアントを相手に、このテクニックを使っていただいてもかまわない。ぜひ実践していただきたい。

内藤 誼人 氏 プロフィール
心理学者。有限会社アンギルド代表。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。ビジネス心理学の第一人者として、実践的な心理学の応用に力を注いでいる。自然を愛するナチュラリスト。どんな女性にもやさしいラディカル・フェミニスト。主な著書に「仕事力より“社渡り”力 会社でなぜかうまくいく「人たらし」の心理テクニック」「「不安」があなたを強くする 心配性だからこそうまくいく54の法則」「「他人に怒れない」をやめる6つの方法」「人たらしになる会話術」など。

 

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当たり前のようで意外とできていない人が多いです。普段の生活でも名前を呼ぶのは効果的です。
[文]内藤 誼人 [編集] サムライト編集部

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