SIer営業転職のポイントと実践の難しさ
「転職活動とSIer営業は似ている」採用高確率を誇るコンサルに聞くSIer営業転職の秘訣では、LHH転職エージェントでSIer営業専門のコンサルである濱口卓也(はまぐち・たくや)さんに、SIer営業転職の秘訣をお聞きしました。
その時お話しいただいた、SIer営業転職のポイントは次の3点でした。
・応募先の企業の事業ビジョンや人材ニーズを理解したうえで、自分を採用することが最適なソリューションであることを理解してもらう。
・キャリアの棚卸しを通じて自分のPRポイントを整理し、応募先の企業で具体的に活躍できるイメージを持たせるようにアピールする。
・応募先の企業を取り巻くマーケットの流れを理解したうえで、将来必要になるであろう人材像と自分を結びつけてPRする。
しかしこれらのポイントを実践できている人は多くはありません。今回のインタビューでは濱口さんに転職活動が失敗する理由についてより深く話していただくとともに、濱口さんが採用高確率を維持するために実践している「内定までの道筋が見える面接対策指導」についてもお聞きしました。
なぜ転職活動は失敗するのか?
−濱口さん、今回もよろしくお願いします。
濱口卓也さん(以下、濱口):はい、よろしくお願いします。
−転職ブームの影響なのか内定までに至らない人や、内定は決まっても入社してから「こんなはずじゃなかった」と後悔する人など、転職活動に失敗してしまった人の話を最近よく聞きます。そもそも、なぜ転職活動は失敗するのでしょうか?
濱口:典型的な例はやはり「面接で自分の話ばかりしている」ということです。もちろん自分がなぜ転職したいのか、入社したら何をしたいのかという話はある程度必要です。でもそれだけだと「視座が低い人だな」と思われてしまうんです。
−視座ですか?
濱口:企業が新しく採用する人材に求めているのは、「自分」の視座、「相手(企業)」の視座、「社会」の視座です。例えば志望動機一つとっても、視座が変わるだけで内容が変わります。
ごく簡単な例を挙げてみましょう。自分の視座に立つと「今までの経験を生かして、より挑戦的な職場で働きたいと思ったから」となったとします。
一方、相手(企業)の視座に立つと「御社が今後展開を予定されている事業でなら、私の今までの経験を生かすことができると考えたから」となります。
また、社会の視座に立つと「今後日本社会は○○になっていきます。御社の事業はその時必ず役に立つと私は考えています。そのため私の経験を生かして御社の事業を推進することで、より多くの人の悩みを解決できると考えたからです」という具合になるのです。
ただし、こうやって自分→相手→社会の順に視座を高めることは、時間をかけて考えさえすれば求職者様一人でできないわけではありません。
しかし内定を勝ち取る可能性を高めるためには、視座を高めたうえで、転職を希望する企業に合わせる必要があります。この合わせる作業には企業についての情報が必要ですから、求職者様だけでやり遂げるのはなかなか難しいんです。
採用高確率コンサルがやっている最強の面接対策指導
−視座を合わせる作業というのは、具体的にどういったものなのでしょうか?
濱口:企業や配属を希望する部署のトップが、どんなビジョンを持っていて、どんな人材を必要としているかを踏まえたうえで、自分の魅力を最大限に伝えられるように事前に準備しておく作業です。
私の場合は企業毎にオリジナルの面接対策資料を作成し、資料に沿ってオーダーメイドの面接対策指導を行なっています。

濱口さんが独自に作成している企業毎の面接対策資料の雛形。企業毎の情報や面接のポイントをSIer営業専門のコンサルの視点からまとめ直し、求職者それぞれの志望動機やアピールポイントを考えるための事前資料としている。

企業に関係なく、面接の基本として共通するポイントも資料の中に盛り込んである。
−ここまで具体的にまとめてくれていると、志望動機やアピールポイントを整理するのに便利ですね。
濱口:これとは別にホームページやIR情報で知っておくべき情報があれば、確認してもらうようにしています。
「こんな感じの回答を用意しておきましょう」といった漠然としたアドバイスをすると、せっかくの経験やスキルをアピールできずに不採用になる可能性が高まってしまいます。
なので私は、「どのスキルや経験を、どんなふうに伝えればいいか」というところまでみっちり指導して、内定までの道筋が見える面接対策指導になるよう心がけています。
例えば志望動機のところでは、自分の視座からのものだけでなく、相手、社会の視座からのものもきちんと一緒に考えます。
そうすることで、最初は自分の視座からしか考えられなかった人も、社会の視座から仕事やキャリアプランを考えられるようになっていき、自分の魅力をより的確に伝える力が身につくのです。
時間と労力をかけてコンサルするからこそ得られる情報がある
−まさに至れり尽くせりですね。どうしてそんなことができるのでしょうか?
濱口:理由としては、私がSIer営業職の専門コンサルだからです。LHHでは業界毎だけでなく、職種毎にコンサルタントチームやコンサルタントを配置しています。
これによってクライアント企業の深いところまで入り込んで情報を取ってくることができるため、より的確なアドバイスが可能になります。
時間と労力をかけてコンサルをするのは、クライアント企業にとっても求職者様にとっても最善の結果を手にして欲しいからですが、そうすることで求職者様からの厚い信頼を得られる場合がたくさんあります。
すると内定を獲得してその後入社した人から、面接指導の効果や不足点などの細かなフィードバックを受けられます。私の面接対策資料や面接対策指導は、こうしたフィードバックをもとにPDCAを回し、ブラッシュアップを繰り返しているのです。
−時間と労力をかけるからこその、面接対策資料・面接対策指導なんですね。
濱口:はい。SIer営業として転職を検討されている方は、ぜひ転職のお手伝いをさせていただければと思います。
−濱口さん、本日もありがとうございました。
