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集中力がないが悩み
うまく集中できないために、仕事が進まず時間だけが過ぎてしまったという経験はありませんか?「もっと仕事が早くこなせるようになれば良いのに…。」働いている人ならば、一度は感じたことのある悩みかもれません。
集中力を上げるためのライフハックやアプリはたくさんありますが、実際の効果はどうなのでしょうか。今回は、集中力のなさに悩んでいる筆者が集中力を高めると言われている方法や、ライフハックを実際に実験してわかったポイントなどをご紹介します。
集中している状態とは
そもそも、集中できているとはどういった状態なのでしょうか?
仕事のできる人たちに話を聞いてみたところ、「気がついたら何時間も時間が経っていた」という経験をしたことがあると言います。
このように目の前のことに没頭し、パフォーマンスを最大限に発揮できている状態のことを“フロー状態”と言います。どうすればこのようなフロー状態に入ることができるのでしょうか。
「集中力を高めるためには、フロー状態を自分で意識的に作れるようになれば良いのでは?」と考え、集中力を高めると言われている方法やライフハックを試してみました。
集中力強化の実験期間スタート!
“フロー状態”“の提唱者であるアメリカの心理学者、チクセントミハイ氏は、フロー状態を下記のように説明しています。
1. 明確な目的(予想と法則が認識できる)
2. 専念と集中、注意力の限定された分野への高度な集中。(活動に従事する人が、それに深く集中し探求する機会を持つ)
3. 自己に対する意識の感覚の低下、活動と意識の融合。
4. 時間感覚のゆがみ – 時間への我々の主体的な経験の変更
5. 直接的で即座な反応(活動の過程における成功と失敗が明確で、行動が必要に応じて調節される)
6. 能力の水準と難易度とのバランス(活動が易しすぎず、難しすぎない)
7. 状況や活動を自分で制御している感覚。
8. 活動に本質的な価値がある、だから活動が苦にならない。
引用:Wikipedia
フロー状態に入るためには目の前の課題に対する明確な目的が重要になります。「その課題に信念や目的はあるか?」「課題が自分の能力より少し上か」「成果が分かりやすいか」といった点がポイントになります。
「その課題に信念や目的はあるか?」では、目の前の仕事を成し遂げて掴みたいスキルや夢があるか、そして「好き」「したい」という感情が大切になります。もし、目の前の課題にそれほど思い入れがないのなら、その課題をやりとげたあとの未来を見据え、成し遂げたいことと結びつけます。
そして“課題の難しさ”も、フロー状態に入る為には重要になってきます。自分のスキルに対して課題の難しさがあまりにも上だと、緊張したり不安に駆られたりして気が散ってします。
逆に、スキルに対して下の課題だと、退屈に感じてしまい、フロー状態に入ることができません。ギリギリ乗り越えられる程度の課題を見定め、自分のスキルに見合ったタスクにチャレンジするとフロー状態に入りやすくなります。
“環境の整理”をしよう
上記であげた条件のほかに、集中力を高めるために大切なのが「邪魔されない環境を作る」ということ。その対象というのは、他者や仕事をする環境、その他には自分の体調なども入ってきます。集中力を削ぐ邪魔な対象を排除し、他に気をとらわれることのない環境作りが重要です。
・フィジカルなケアを怠らない
集中力を高めるために、体の不調を取りのぞく必要があります。日中のほとんどをパソコンで作業をしている人の多くが、慢性的な肩こりや目の疲れを感じていると思います。ストレッチの習慣を身につけたり、自分にあった整体を見つけて定期的に通うなど、一定のコンディションを保つことを心がけましょう。自分でお灸を使ってケアする、セルフお灸にチャレンジするのも面白いかもしれません。
・集中できる音楽を聴く
プリンストン大学の心理学者ヴァーノンらが、「音も光もない空間に人を閉じ込めるとどうなるのか?」といった実験を行なったところ、約70%の人が幻覚を見たというアンケート結果があります。
無音という聴覚が遮断された状態だと、脳はそれを補完するために様々な妄想をし始めます。無音の環境にも同じことが言え、結果として集中力が散ってしまいます。
では、どういった音を流しておけば集中力は上がるのでしょうか?
ストックホルム大学の研究者が行なった実験により、注意力散漫で教師や親の話を集中して聞くことができない子供に対してホワイトノイズを流すことで集中力が高められ、学習能力が上がったという研究結果がでています。
ホワイトノイズとは、周波数が同じのノイズのこと。実際に聴いてみると、なんだか雨音や川のせせらぎなど、環境音に似ていますね。
このように一定のリズムの環境音は、脳は反応しめしません。環境音で周りの雑音をシャットアウトしてしまえば、気をとられることなく自然と集中状態に入ることができます。私が色々と使った中でおすすめなのは「おと風景」というサイト。さまざまな種類の自然音があり、無料で聴くことができます。
・時間を区切って作業をする
どんなに集中力を高める訓練をしても、人が集中できる時間というのは限度があります。個人差はありますが、30〜90分が限界と言われています。何時間も集中しようとするのではなく、「この時間内でこれを仕上げる」といった風に、こまめに時間を区切っていきましょう。
ポモドーロ・テクニックは25分集中タイム、5分休憩タイムでワンセット。25分のタイマーがなるまで、がむしゃらに目の前の課題を消化していきます。それを2〜4回繰り返したら、少し長めの休憩を取ってリフレッシュしましょう。
ネットや携帯アプリでも色々なタイマーがあるので、自分の使いやすいものを選びましょう。
集中は誰でも手に入れることができる
定性的ではありますが、今回の実験を通して確実に集中力は身につき、仕事のコストパフォーマンスも上がった実感がありました。
この取り組みをするまで、集中力は生まれ持っての才能だと思っていましたが、環境を生み出し、練習をすれば誰でも手に入れられるものです。集中力がなく悩んでいる人は、ぜひ期間を設けて集中力を高めるトレーニングをしてみてください。
