あらゆる成功を引き寄せる自分との6つの約束

あなたにとっての「成功」はなんですか?

成功の形は人それぞれ。社会的、経済的な成功が自分にとっての成功になる人もいれば、愛する家族との時間を大切にすることや、自分の趣味で納得のいく成果を得ることが成功になる人もいます。

しかしどのような成功の形にせよ、実はそこに行き着くまでの基礎の部分はほとんど同じで、かつ非常にシンプルです。以下ではこの成功への基礎を作るために必要な「自分との6つの約束」をご紹介します。

「因果関係」は長い目で考える

この約束は以下で紹介する5つの約束を理解するための大前提となります。因果関係とはいうまでもなく原因があれば必ず結果が生まれるというものですが、同時に悪い原因は悪い結果につながる「悪因悪果」、良い原因は良い結果につながる「良因良果」という対応関係があるということも覚えておかなくてはなりません。

もし一見して「悪因良果」「良因悪果」になっていたとしても、長期的な視点で考えると必ず帳尻は合ってきます。例えば今目の前に「同僚をおとしいれて自分が出世する」という話があったとしましょう。

短期的な視点で因果関係を考えると、「同僚をおとしいれたから」という原因に「自分が出世した」という結果が対応しているように見えます。しかし悪い原因は、悪い結果に対応しています。

そのため長期的な視点でこの話を考えると「同僚をおとしいれたから、数年後その事実が露呈してリーダーとしての信頼を失う」といった因果関係が成立してしまうのです。

楽をすれば楽をしただけの結果しか生まれず、努力をすれば努力をした分の報いが必ずどこかでやってくる。この当たり前のルールを、まずは自分との「『因果関係』は長い目で考える」という約束で肝に銘じましょう。

「自分以外」のために行動する


自分のためだけの行動は前述した「悪い原因」になりがちです。一方で「自分以外」のための行動は「良い原因」になりやすい。だから2つ目の約束は「『自分以外』のために行動する」です。

情けは人の為ならず、結局は回り回って自分のためになる。使い古された考え方ですが、使い古されるにはそれに値する意味があるということです。

しかしダメな上司の常套句である「お前のために言ってやってるんだ」は、決して自分以外のための行動ではありません。そこには得てして「自分の価値観を押し付けたい」「自分の言うことを聞いてほしい」という「自分」が目的になっているからです。

また「いつか自分のためになるから」という考えを持って行動しても自分以外のための行動にはなりません。「情けは人の為ならず」なのはあくまで結果で、それが動機になっては結局自分のためだけの行動と大差ないからです。

したがってこの約束を守るためには、自問自答が必要不可欠です。自分は厳密な意味で「自分以外」のために行動できているか、常に問い続けなければならないのです。

厳しい約束かもしれませんが、まずは「いつも機嫌よくいる」とか「1日1回、自分以外のために行動する」といったところから始めてみましょう。

自分へのルールを作り、ひたすら守る

成功への道を最短ルートで歩くためには、ときに自分の欲求は邪魔になります。「ダイエットがしたいけど、ファストフードが食べたい」「出世したいけど、ちょっと手を抜きたい」こうした欲求をコントロールし、「我慢してジムに行く」「コーヒーを一杯飲んで仕切り直す」といった自分にとっての成功を見据えた行動に繋げなくてはなりません。

ただ人間の欲求というものは簡単にコントロールできません。なぜなら筋トレと同じように、欲求のコントロールにはトレーニングが必要だからです。今まであまり欲求をコントロールしてこなかった人や、長い間コントロールをサボっていた人には難しく感じるはずです。

そのような人の入門となるのが「自分へのルールを作り、ひたすら守る」という3つ目の約束です。単純に「嘘はつかない」とか「素直に謝る」とかでもいいし、「筋トレ」や「禁酒」「禁煙」でもかまいません。まずは自分の作ったルールを守るという習慣をつけましょう。

大事なのは「まあ今日くらいはいいか」といった曖昧な基準での例外を許さないこと。それでは結局惰性になってしまうからです。例外を許すなら、例外についてのルールまできちんと定めておきましょう。

「深呼吸+自問自答」で心の平穏を維持する

激しい怒りや喜びといった感情は、心を浮き足立たせます。そうなれば自分をコントロールするのも難しくなります。コントロールが効かなくなったF1レースカーがどうなるかは、いうまでもないでしょう。これは私たちの人生も同じです。

しかし「人間関係の面倒くささは「選択理論」でラクになる!」でも解説したように、私たちの感情は生理反応と同様に自分の意思ではコントロールできません。

したがって、激しい怒りや喜びを感じたときに「どうこうしよう」と考えるのは間違いです。正しい選択は「コントロールしよう」ではなく、「スルーしよう」なのです。このためのシンプルな方法が「深呼吸+自問自答」です。

感情ではなく、そのあとの自分の行動にフォーカスをあて、酸素の行き渡った頭で「今ぶつけようとしている怒りは、本当に自分以外のためのものなのか?」「それは本当に自分の作ったルールに反しないものなのか?」と自問自答する。これが癖になれば、心の平穏を維持し、自分との約束を守れるようになります。

なお、怒りに関しては「アンガーマネジメントに学ぶ!「怒り」を武器にする方法」で紹介した手法も役に立ちます。

何事も「寝食を忘れて没頭する」レベルを目指す

集中して短時間で終わらせた仕事ほど質が高く、集中せずに長い時間をかけてようやく終わった仕事ほど質が低い。社会で働いていれば誰もが一度や二度は経験があるはずです。

これはつまり物事に没頭することがいかに大事かを物語っています。「寝食を忘れて没頭する」からこそ質の高い仕事ができ、その本質見えてくるので成長もできる。

これは仕事に限らず家事や趣味でも同じです。だから5つ目の約束は「何事も『寝食を忘れて没頭する』レベルを目指す」なのです。

没頭するためには「没頭するぞ!」という気持ちだけではダメです。没頭するための環境や習慣を整えなくてはいけません。睡眠時間、食事、運動、人間関係……全てを没頭するために整えていくのです。

そのためには「集中力を高めて仕事のパフォーマンスをあげよう。ライフハックを実際に試してみた!」で紹介したような方法も役に立ってくれるでしょう。あらゆる場面で「寝食を忘れて没頭する」レベルまで集中できれば、あなたの成功への道のりは一気に圧縮できるはずです。

座禅や瞑想で「精神集中の基礎力」をコツコツ養う

・自分へのルールを作り、ひたすら守る
・「深呼吸+自問自答」で心の平穏を維持する
・何事も「寝食を忘れて没頭する」レベルを目指す

3つ目から5つ目の約束を守りきるには、「精神集中の基礎力」が必要不可欠です。例えばこの基礎力がないままに「何事も自分より他人を優先する」などといった難易度の高い自分へのルールを課してしまえば、あっという間に挫折するでしょう。だからまず基礎力を養う必要があるのです。

ただし精神集中の基礎力は、そう簡単に手に入りません。毎日の生活の中でコツコツ養おうという意識が大切です。そのために最も役立つのが座禅や瞑想です。座禅と瞑想は、短時間で3つ目から5つ目の約束を実践できる最良のトレーニングだからです。

「なんだか難しそう」と思う人もいるかもしれませんが、身近に始められる座禅や瞑想の方法もたくさんあります。通勤時間中や、昼休みでもできる「1分間瞑想」や「10分間瞑想」、体の一部に意識を集中させる「ボディスキャン」などはその一例でしょう。

詳しくは「転職するなら「瞑想」から!一流が実践する1日1分の頭のエクササイズ」で紹介しているので、ぜひ参照してください。

「基準」を知れば調整ができる

この6つの約束を全て完璧に実行するのは、至難の技です。したがって「6つの約束を全て完璧に実行できなければ成功できない」というわけではありません。しかし何事も基準は必要です。

基準があれば「6つの約束を全て完璧に実行していればものすごい勢いで成功できるが、自分はこの部分が不十分だ。だから伸び悩んでいるんだな」と、自分の位置を因果関係に照らし合わせて把握できるのです。

そのうえで「もっと完璧に実行しないと!」と考えるか、「まあこのくらいでも満足かな」と考えるかは個人の自由。大切なのはこの6つの約束を「基準」として胸に刻んでおくことです。

参考文献:『今を生きていく力 「六波羅蜜」』
Career Supli
成功という言葉にまどわされず自分が決めた自分なりのゴールを目指しましょう。
[文]鈴木 直人 [編集]サムライト編集部