転職を希望している場合、転職エージェントへの登録を検討したり、すでに転職サポートを受けたりしているという方も多いでしょう。
転職エージェントを利用する場合、登録後の面談の場をいかに活用できるかどうかが、その後の転職活動に大きく影響します。面談を最大限に生かすためにはどのような点に気を付ければよいのでしょうか。
Contents
転職エージェントとの面談とは?
転職エージェントとの面談は、求職者と転職エージェントがお互いの理解を深めるために行われます。面談を「求人案件を紹介してもらうためのステップ」と捉えるのではなく、転職活動を成功させるために最大限の活用をオススメします。
転職エージェントでの面談は、コンサルタントと話すことによって自身のキャリアの棚卸しをしたり、自分の可能性に気付けたりする場として活用できます。面談を通してキャリアプランが明確になったり自分の強みを見出すことで、他業界に転職したりキャリアアップした事例が多くあります。
理想に近い転職先を見つけるために、まずは面談の場でコンサルタントと深くコミュニケーションを図り、面談で得た内容を転職活動に生かしていくとよいでしょう。
面談の流れ
実際に転職エージェントに登録したあと、面談はどのように行われるのでしょうか。はじめて転職エージェントに登録した方は、事前に面談の内容を把握しておくと余裕をもって面談に臨めるでしょう。
自己紹介
面談はコンサルタントと求職者の自己紹介から始まります。求職者が安心してサービスを受けられるように、コンサルタントは転職サポートの内容やエージェントの特徴について詳しく説明してくれるでしょう。
通常、求職者の業種や専門分野に強いコンサルタントが担当してくれるので、コンサルタントが得意な分野や、業界の転職事情について積極的に質問することをオススメします。
経歴・仕事内容の確認
提出した職務経歴書をもとに、経験業務や役割、具体的な実績がヒアリングされます。コンサルタントからのさまざまな質問に回答することで、転職活動がはじめての方でもスムーズにキャリアの棚卸しを進められるでしょう。
コンサルタントは質問を通して、書類だけでは判断できない求職者の仕事への向き合い方や本心を見出そうとします。また、経歴を第三者視点でチェックしてもらうことで、自分では気付けなかったアピールポイントを見つける機会にもなるでしょう。
転職理由・目指す将来像の共有
経歴を確認したあと、転職を決めた理由やどのようなキャリアを築いていきたいかの確認が行われます。
これらは、エージェントが求人情報を絞り込んでいくために欠かせない情報です。転職エージェントによっては、職務経歴を確認する前にこの質問を先に投げかけることもあります。
希望に合った転職先を紹介してもらうために、現職で感じているマイナス面や、転職先に求める条件などを本音で話すことが重要です。
希望条件の確認
求人案件を絞り込むために、希望年収や勤務時間、年間休日や残業時間といった具体的な条件の擦り合わせを行います。重要なことは、譲れない条件と妥協できる条件を見極めることです。最初は自分の希望条件を漏れなく伝えることが大切です。ただ、すべての希望を満たした転職先はなかなか存在しないものです。
希望に合致した求人案件を探し続けるうちに転職のタイミングを逃したり、紹介したりしてもらえる案件の数を狭めかねません。
「年間休日120日は欲しいけれど、年収が○○円を上回るなら妥協してもよい」「年収にこだわりはないけれど、残業がない会社がよい」など、面談を通して優先すべき点を見極めていきましょう。
求人内容の紹介
転職エージェント側では、ここまでの面談で共有した内容を踏まえ、転職エージェントが求職者にあった求人案件をピックアップして紹介してくれます。一気に数十社もの案件を紹介するケースもあれば、小数に絞って紹介する場合など、案件の紹介の仕方はエージェントや担当者によって異なります。
予想外のものや、募集していないと思っていた案件を紹介されることがあるかもしれません。自分では見つけられなかった求人案件に出会えることこそ、転職エージェントを利用する大きなメリットです。
ただ、求人を紹介されたからといって必ず応募する必要はありません。自分の希望に合わない求人を紹介された場合は、具体的にどの点が「希望に合わなかった」のかを伝えるようにしましょう。
転職エージェントにとって、よりマッチした求人をリサーチするための重要な情報となるので、遠慮せずに本音で伝えることが大切です。
面談可能な場所と時間
面談場所はこのコロナ禍を背景にWeb面談(リモート面談)や電話面談が増えていますが、エージェントによってはオフィス内の面談スペースで行うケースもあります。デリケートな個人情報を扱うため、音漏れしないように配慮された個室やパーテンションで区切られたスペースが面談場所として用意されています。
面談の時間帯は、求職者の都合にあわせて柔軟に調整してもらえます。遅い時間でなければ夜間でも対応してもらえるため、仕事が終わった後に面談を設定することも可能です。休日しか時間が取れない場合は、エージェントによっては週末に対応してもらえる場合があるので相談してみましょう。
エージェントのオフィスに行けない場合は、都合のよい場所での出張面談に応じてもらえる場合があります。ただプライバシーを確保するという点で、オフィス外のお店での面談は周囲の環境に気を配る必要があります。
上記に記述したように今は、Web面談、電話面談はどの転職エージェントも通常面談の形式として対応していますので、最寄りにオフィスがないからという理由で登録を諦めるのではなく、気になる転職エージェントがあれば登録してみましょう。転職エージェントの選び方は次の章で解説しています。
転職エージェントを選ぶポイント
転職エージェントの数は多く、どのエージェントに登録すればよいか迷う方も多いのではないでしょうか。転職活動を成功させるためにもエージェントの特徴を理解し、自分に合ったエージェントを見極めましょう。
転職エージェントの種類
転職エージェントは、「総合型」と「専門特化型」の二種類に分けられます。総合型とは、業種や職種に限らず全国の幅広い求人を扱っている転職エージェントのことです。専門特化型は、業種・職種・地域など特定分野に特化した求人を扱っているエージェントです。
大手に多い総合型エージェントを利用するメリットは、多くの求人を紹介してもらえたり他業種の求人を提案してもらえたりすることです。実績の多さや企業との強いパイプがあることも強みとして挙げられます。大手ならではの膨大なノウハウがあり、利用者に使い勝手のいいシステムが用意されていることも大きな特徴です。
専門特化型のエージェントは総合型に比べると扱う案件数が少ないものの、コンサルタントの専門性が高いという特徴があります。広く案件を提案して欲しいか業界を絞った求人に応募したいかを考えて、「総合型」「専門特化型」どちらのタイプのエージェントがよいか比較検討するとよいでしょう。
どちらがよいか迷った場合は、業界ごとに専門性の高いコンサルタントが所属している総合型エージェントをオススメします。
サポート内容
転職エージェントの基本的なサポート内容として、「面談の実施や求人紹介」「履歴書や職務経歴書の添削」「面接などのアドバイス」「企業との交渉」などが挙げられます。基本的なサポート内容はエージェントによって大きな差はありませんが、どの部分に力を入れているかは異なります。
「面接スキルが足りていない」と感じているなら面接サポートが充実しているエージェント、転職初心者ならキャリアカウンセリングに時間をかけてくれるエージェントなど、自分の足りない点をカバーしてくれる点を重視して選ぶとよいでしょう。
求人数
複数の転職エージェントで迷う場合は、求人数の多さでエージェントを選ぶのもひとつの手です。選択肢の数が多ければ、理想的な求人案件と巡り会うチャンスが増えるでしょう。
転職エージェントにはホームページなどで公募していない案件や、エージェントが採用を代行している案件があります。
いずれの場合もエージェントを経由しないと応募できないため、ひとりで転職活動する場合と比べ、希望する求人に出会える可能性が高くなります。
転職エージェントを利用するメリット
自分の力だけで行う転職活動と比べると、転職エージェントを利用した転職活動にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
キャリアカウンセリングが受けられる
転職エージェントに登録する最大のメリットは、転職のプロであるコンサルタントからキャリアカウンセリングを受けられることです。自分では気づけなかったアピールポイントをコンサルタントが客観的な目線で見つけてくれるので、より確実に内定へ近づく対策が取れるでしょう。
転職エージェントは各企業の内情にも詳しいため、どんな戦略を立てれば内定獲得しやすくなるかをよく理解しています。よい結果を出すためにも、積極的にコンサルタントからアドバイスを受けて転職活動に生かすとよいでしょう。
非公開求人の紹介
転職エージェントは、転職サイトでは掲載していない非公開求人を多く扱っています。非公開の案件は「応募が殺到すると困る」「競合他社に知られたくない」などの理由で大手企業や好条件のものが多く、エージェントからの紹介のみで受け付ける案件です。
エージェントを利用することによって、自分1人で転職活動をしていたら応募する機会がなかった企業から内定が貰えるかもしれません。
「この企業に行きたいけど募集がない」という場合は、転職エージェントが案件を扱っている可能性がありますので、相談するとよいでしょう。
履歴書・職務経歴書の添削
コンサルタントが応募書類を添削する場合、単なる誤字脱字や記載漏れをチェックするのではありません。「書類選考を通過できる応募書類かどうか」という視点で添削してくれます。
書類選考を通過するためには、応募先が魅力を感じる、つまり採用したくなる経歴を打ち出した書類を作成する必要があります。職務経歴書の場合、単に実績を羅列するのではなく、経歴やスキルをいかにアピールポイントに仕上げて記載できるかが重要です。
コンサルタントは求人先が求める人物像を理解しているので、企業に訴求力があるポイントをアドバイスしてくれます。そのポイントを織り込むことによって、書類選考を通過できる可能性を高めることができるでしょう。
転職エージェントとの面談にはどんな準備が必要?
転職エージェントとの面談に臨むときは事前準備が必要です。よりよい転職サポートを受けるためにも、面談の時に心がけたいポイントを押さえておきましょう。

履歴書・職務経歴書の書き方
面談時に持参するのは、記載した「履歴書」「職務経歴書」と筆記用具です。「職務経歴書」は、勤務先の資本金や従業員数、勤務先ごとの在籍期間や業務内容を基本データとして記載する必要があります。
更に、業務で行った工夫や成果を記載しておくと、初回の面談時からより掘り下げた話ができるでしょう。
とはいえ、コンサルタントに見せる段階で完璧な書類を仕上げておく必要はありません。
面談を通して、コンサルタントが客観的にみたアピールポイントや、企業から評価されやすい経歴を提案してくれます。面談で得られたアドバイスを反映することによって、より訴求力の高い書類を仕上げられるでしょう。
面談に適した服装
転職エージェントとの面談は基本的には服装自由ですが、ビジネスマナーを意識した服装にしましょう。
スーツであれば問題ありませんが、私服の場合はジーンズやTシャツといったラフな服装を避け、男性は「襟付きシャツ・ポロシャツ」に「スラックス」などを組み合わせた服がよいでしょう。柄が入ったものは避け、無地の物を選ぶと無難です。
女性は「シャツ・ブラウス」に色味を抑えたボトムスを合わせ、男性女性問わずジャケットを羽織るとベターです。転職エージェント側は、服装で「ビジネスマナーがあるかどうか」を判断する場合があります。より良い転職サポートを受けるためには、エージェントに良い印象を持ってもらうことも大切です。服装には気を配って面談に臨むとよいでしょう。

転職エージェントとの面談を成功させるためのポイント
転職を成功させる第一歩として、転職エージェントとの面談は最大限に活用したいものです。面談を有意義なものにし、手厚い転職サポートを受けるために押さえておきたいポイントがあります。
コンサルタントに本音で話す
面談は、その後も転職サポートを担当してくれるコンサルタントとコミュニケーションを取る場です。「よい転職サポートを受けるためには、それに値する人物に見せなければ」と肩肘を張る必要はありません。
初対面であれコンサルタントには胸襟を開いて話した方が、思い描いた転職を実現できる可能性が高まります。なぜなら、面談で見栄を張ったり本心を隠したりすると、自分の求める条件と紹介される案件がずれてしまう可能性があるからです。
たとえば、転職理由が「人間関係の悪化に疲弊したから」である人が、本音を隠して「収入アップしたいから」と嘘をついたとしましょう。すると待遇を重視した案件を紹介され、「職場の人間関係」を重視したいという希望から乖離してしまいます。
コンサルタントに正直に打ち明けることで、エージェントは職場の人間関係が良好な企業の案件をリサーチして提案してくれるでしょう。
面談は面接ではないので、必要以上に自分をよく見せる必要はありません。もしも病気やリストラなどあまり人に言いたくない理由を抱えていたとしても、それが転職の理由であれば伝えた方がよいでしょう。
エージェントは、その悩みに沿ったアドバイスなり求人を提案してくれるはずです。
相談だけ行うというスタンスで大丈夫
現時点で積極的に転職活動を行っていない人でも、転職エージェントの面談は大いに活用すべきです。「現在の転職市場について情報を知りたい」「転職に向けてアドバイスが欲しい」といった内容にも対応してもらえます。
ひとりでインターネットや雑誌を使って情報収集するよりも、プロと面談する方が最新の有益な情報を得られるはずです。エージェントからのアドバイスで、自分では気づかなかったキャリアプランを見出せることもありますので、転職活動を検討しはじめた段階でも気軽に面談を申し込んでみましょう。
その際は、事前に「まずは相談をお願いしたい」と伝えておくとよいでしょう。今すぐにでも転職したい求職者と相談だけしたい求職者では、コンサルタントの事前準備や話の進め方が変わってくるからです。
コンサルタントとの相性を確認する
よりよい転職を果たすためには、転職活動に並走してくれるコンサルタントとの相性も大切です。もしも「この人とは合わない」と感じたら、他のコンサルタントに担当を変えてもらうこともできます。
紹介される求人が自分の希望と乖離していたり、会話していて不信感を抱く相手と信頼関係を築いていくことは難しいでしょう。コンサルタントと求職者という立場であっても、結局のところは人間関係です。相性の合う合わないが生じることもあるでしょう。
なお、担当者変更を依頼する際は「どんな部分が自分と合わないと思ったのか」「次の担当者に求める部分はなにか」を具体的に説明するようにしてください。
感情に任せて担当者の悪口を言ってしまうと、こちら側の印象が悪くなってしまうので気をつけましょう。
複数の転職エージェントを利用し、比較する
転職エージェントを初めて利用する場合「まずは一社に登録してみよう」と考える方も多いことでしょう。ですが、できる限り複数の転職エージェントを同時に利用することをオススメします。
なぜなら、転職エージェントによって保有する求人案件が異なるからです。ひとつの転職エージェントに絞って登録していると、他の転職エージェントが抱えているかもしれない理想的な求人と出会う機会を逃してしまう可能性があります。
複数のエージェントに登録するのは一見煩雑ですが、限られた時間の中で多くの求人案件に出会えるので、結果的に内定というゴールに早く近づくことができます。効率よく転職活動を進めたいなら最低でも2〜4社の面談を受けて、比較することをおすすめします。
また、各社が売りにしているサービス内容にも違いがあります。「A社は求人数が多いけれど、キャリアカウンセリングの時間が短い」「B社は履歴書・職務経歴書の添削に力を入れていて好印象だけど、自分が興味のある業界の求人が多いのはC社」など、冷静な視点で比較・分析をすることが大切です。
このプロセスを経ると最終的にどの転職エージェントが1番自分に合っているのかがわかってくるでしょう。
転職エージェントとの面談で注意すべきこと
転職エージェントとの面談で、注意すべきことはあるのでしょうか。求職者はサービスを提供される側ですが、よりよいサービスを受けるために心がけておきたいことがあります。

コンサルタントへの印象も意識する
面談の際は、コンサルタントに丁寧な態度で接するようにしましょう。コンサルタントもひとりの人間です。発言や行動が横暴な求職者と、気遣いや優しさを忘れない求職者がいたとしたら、どちらの求職者によい案件を紹介するでしょうか。
コンサルタントは、企業に紹介したいと思える人をおのずと応援するものです。よりよいサポートを受けるためにも、好印象を持ってもらえるように立ち振る舞いましょう。
「背筋を伸ばし、明るい口調で話すこと」「丁寧な言葉づかいを心がけること」「依頼された提出物を忘れずに持ってくること」などを心がけ、転職活動のパートナーであるコンサルタントと良好な関係を築くことが大切です。
コンサルタントがストレスなく仕事をできるように、忘れ物やミスをなるべく減らすことは当然のこと、面談の無断キャンセルや遅刻も避けましょう。
不平・不満を延々と話さない
面談時に本音で話すことは大切ですが、今までの業務や職場環境についてネガティブな事を際限なく話すことはやめましょう。転職のプロであるコンサルタントでも、ただの悪口からは具体的な解決策を見つけられないからです。
自分が感じた不平・不満から学び、「これからどんな道を歩みたいか」という前向きな視点で話すと、コンサルタントも具体的なアドバイスがしやすくなります。生産性のない不平・不満は、転職エージェントの面談という場では話題に出さないようにしてください。
また、ネガティブな意見ばかり口にする求職者は、コンサルタント側から見ても人間性に不安を覚えます。好条件の求人を紹介してもらうためにも、コンサルタントを困らせるような言動をとらないようにしましょう。
複数の転職エージェントを利用していればその旨を伝えておく
面談時点で転職エージェントを複数利用している場合、コンサルタントに伝えておきましょう。
ひとつの求人には、当然のことながらひとつの転職エージェントからしか応募できません。「転職エージェントはここしか使っていません」と虚偽の情報を伝えても、他エージェントで応募した案件を紹介された時は、事実を話す必要に迫られます。
紹介される案件のバッティングを避け、コンサルタントとの信頼関係を壊さないためにも、複数エージェントを利用している場合はあらかじめ伝えましょう。
複数の転職エージェントを利用する求職者は多く、そのことでコンサルタントの心象やサポート体制が悪くなることはありません。コンサルタントとの信頼関係を壊さないためにも、転職活動やエージェントの利用状況は、出来る限り誠実に情報共有するようにしましょう。
まとめ
転職エージェントを利用すると、コンサルタントから転職アドバイスを受けることができたり、非公開求人を紹介してもらえたりといった多くのメリットがあります。忙しい生活の中で停滞しがちな転職活動も、コンサルタントとの面談を活用することで、内定というゴールに向けて効率的に進められるでしょう。
希望と合致した理想的な求人に出会い内定を得るためには、転職エージェントの利用が近道です。転職サポートは面談から内定に至るまですべて無料で受けられるので、転職活動を考えている人は気軽に面談を申し込むことをオススメします。
[文]CareerSupli編集部 [編集]CareerSupli編集部