30~40代のビジネスパーソンの中には、「キャリアアップを図りたい」「企業経営に携わりたい」という考えから、MBAについて興味を持っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、MBAの概要から取得の意義、種類と取得の難易度、メリット、取得方法、ビジネススクールの選び方まで紹介しているので参考にしてください。
Contents
MBAとは?資格?
MBA(Master of Business Administration)は、学位である経営学修士のことです。経営学の大学院修士課程を修了することで取得できます。
MBAを学べる学校をビジネススクールと呼び、MBA取得のためのカリキュラムを実施しています。ビジネススクールの対象は主に社会人です。具体的なビジネススクールの情報はこちらを参考にしてください。
MBAで学べること
MBAで学べることは、経営者やマネージャーといったビジネスリーダーに必要な知識やスキルです。具体的には、経営戦略やマーケティング、財務会計、経済学、統計学といった科目を基本としています。
学び方はプレゼンテーションや経営者とのディベートなど、実践的なものが多いです。カリキュラムを通じて、ビジネスにおいて重要なスキルであるコミュニケーションや論理的思考まで学べます。
ビジネススクールごとに得意な分野があり、学べる内容は異なります。提供しているカリキュラムは幅広いため、MBAとひと口にいっても、スクールによって身につけられるスキルは多岐に渡ります。自分の目的に応じてスクールを選ぶことが重要です。
MBAを学べる場所
MBA取得カリキュラムは、コースを設けているビジネススクールで学べます。ビジネススクールは日本だけでなく海外にもあり、どちらでもMBAの取得は可能です。
ビジネススクールは、所在する国によって言語をはじめとする学びの環境が異なります。ビジネススクールごとにも特色があるので、どのビジネススクールで学ぶかは、キャリア形成や学びやすさの観点から重要な要素です。
MBAが意味ないと言われる理由
MBAを取得しても意味がないと言われることもあります。その理由は、MBAが資格ではないことに起因していると考えられます。
資格ではないことから、MBAを取得しても独占的なビジネスができるわけではありません。MBAは取得したからといって、権利を得られるなどのメリットはなく、効果を実感しにくいです。
また、MBAで学んだことが不確実性の高い社会において、役立つものなのかという疑念を抱かれることもあります。こうしたことから、MBAを取得しても意味がないと言われることにつながっています。
MBAの種類と取得の難易度
MBAには種類があり、対象としている方や取得の難易度、費用、開講頻度などが違います。自分に合った方法で取得するために、これらの種類について知っておきましょう。
ビジネススクール等を介して取得MBA
MBAは経営学修士という学位のひとつであり、ビジネススクールで実施されるカリキュラムを修了することで取得できます。ある程度のビジネス経験のある社会人を対象としており、大学卒業後4~5年程度の社会人経験が対象となる目安です。
ビジネススクールへの入学に際しては、試験に合格する必要があります。ビジネススクールによって試験内容は異なりますが、志望理由書と研究計画書を提出することが一般的です。
小論文を課すスクールもあるので、十分な対策が求められます。入学後は、カリキュラムに沿って履修していけばMBAの取得が可能です。
経営者を育成するEMBA
EMBA(Executive MBA)は、MBAよりも開講頻度が低いカリキュラムです。MBAよりもビジネス経験が豊富な社会人を対象としています。
具体的には10年以上の社会人経験のある経営者や管理職を目指す方が対象です。数週間から数カ月に1回程度の頻度で開講されており、業務で忙しい方に配慮したものとなっています。
入学の難易度はMBAよりも下がるものの、費用はおよそ2倍と高くなることが多いです。取得できる学位はMBAと同じです。
MBAを取得するメリット

MBAを取得する主なメリットには次の3つがあります。
- キャリアの幅が広がる
- 有益な人脈を築ける
- 自分で考える力が身につく
これらのメリットを確認した上で、自分にとってMBA取得が意味のあるものかを考えることが大切です。
企業からの評価が高まりキャリアの幅が広がる
MBAを取得することでキャリアの幅が広がります。MBAを取得した学生の内、およそ8割がキャリアアップにつながったというデータもあります。
MBA取得によって経営学のスキルがあることから、企業からの評価が高くなり、就職の選択肢を広げることが可能です。職種についても、MBAを取得することで経営に携わる上位職へ任命されることも考えられます。
また、MBAを取得する過程で経営スキルを身につけられるため、就職ではなく起業という選択も可能です。
有益な人脈を築ける
MBAを取得する過程で、有益な人脈を築けます。MBAを取得しようとする志の高い方たちとの交流により、刺激が受けられ、モチベーションも維持しやすいです。
また、教師との交流を通じて、就職や起業に役立つ情報を提供してもらえたり、企業や経営者などの人物を紹介してもらえたりすることもあります。
このように、MBA取得を通じて人脈が広がることは大きなメリットです。
自分で考える力が身につく
MBAのカリキュラムを履修することで、自ら考える力を身につけられます。ビジネススクールのカリキュラムでは、コミュニケーション能力や論理的思考が鍛えられます。
これらのスキルは自分で物事を考えたり、決断したりするためのベースとなるものです。
経営やマネジメントにおいては、自分で考える力が必要となることから、ビジネスリーダーを目指す方にとってはMBAで学ぶメリットとなります。
MBAを取得する方法
MBAは、基本的にはビジネススクールへ入学し、カリキュラムを修了することで取得できます。入学資格は大学を卒業した証である学位です。
大学での学部や学科といった、学んだ内容については問われません。MBA取得にかかる一般的な費用は、国内でおよそ100~400万円、海外の場合は700~2,000万円とされています。
海外で取得する場合には、学費以外にも渡航費や現地での生活費がかかるため、国内で学ぶよりも高額となっています。
MBAが取得できるビジネススクールの選び方
ビジネススクールを選ぶには、どのようなことを、どのような環境で、どのような方と学びたいかを考えることが重要です。これらを明確にしておくと、選ぶべきビジネススクールの条件がはっきりとして決めやすくなります。
国内か国外かで選ぶ
選考基準のひとつは、国内か海外のどちらで学ぶかです。
大きな違いは言語であり、国内であれば日本語の授業が受けられるスクールも多い一方で、海外の場合は国際標準の英語を基本としています。そのため、海外で学ぶ場合には英語での高いコミュニケーション能力が必要です。
海外のビジネススクールであれば、英語でのコミュニケーションや現地の文化、ビジネス慣習などを肌で感じられるので、国際的に活躍したい方には海外のビジネススクールが向いています。
得意とする分野やその授業内容で選ぶ
ビジネススクールによって、得意とする分野や授業内容は異なるので、自分の目的に合っているかどうかも選考基準となります。
このため、ビジネススクールの方針や授業形式などを参考にすることをオススメします。実施している科目を細かくチェックすることで、どのようなスキルを得られるのかを確認可能です。
主要な科目については、経営戦略からマーケティング、財務などが共通しています。それらを基礎として、マーケティングに強みを持つビジネススクールや、デジタル分野に力を入れているビジネススクールなど、入学先によって特色が異なります。
ご自分のキャリプランを前提に、将来を見据えた上で、身につけたいスキルを重点的に学べそうなビジネススクールを選ぶことがポイントです。
教師や生徒の特色で決める
教師や生徒にどのような方が在籍しているかによって、ビジネススクールを決める方法もあります。教師といってもバックグラウンドはさまざまなものがあります。
ビジネスの研究に時間を費やしてきた研究者タイプなのか、ビジネスの実践に力を入れてきた実務家タイプなのかによって、得られる学びに違いが生まれます。自分がどのようなキャリアや学びを望むのかによって選ぶのがよいです。
教師のプロフィールは、ビジネススクールのホームページやパンフレットに掲載されているので確認しておきましょう。教師の中には本を出版している方もいるので、著書を読むことも参考になります。
教師だけでなく、生徒の属性も参考にできます。集まりやすい生徒の年齢層や業界、職種が各ビジネススクールによって異なります。自分が身につけたいスキルや知見を基礎に、広げたい人脈を考慮して選ぶのもひとつの方法です。
ビジネススクールによってはホームページやパンフレットに生徒の情報が記載されているので確認しておきましょう。
また、説明会や体験授業を行っているビジネススクールもあるので、これらを利用すれば授業方針や形式などを肌で感じられます。
まとめ
MBAは経営学修士の学位にあたります。MBAでは、経営戦略やマーケティング、財務会計、経済学、統計学などの科目が学べ、国内外にあるビジネススクールで受講が可能です。
MBAはスキルを身につけるためのものであるため、資格のように独占的に業務を行うといった見えやすい効果は期待できません。
MBA取得によるメリットは、キャリアの可能性や人脈が広がること、自分で考える力が身につくことです。ビジネススクールごとに特色があり、力を入れている科目、教師および学生層に違いがあるため、目的に合わせて選択することが重要です。
ビジネススクールについては、以下の記事でさらに詳しく紹介しています。
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