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現代女性の理想のライフコース
日本社会は男女平等だと謳われるようになってから数十年。女性の社会進出は急速に進んでいますが、配置や教育訓練、昇進などにおいては、未だに会社内での男女差別が問題視されています。
女性の人生設計が「家庭内」に留まる時代は終わりを告げ、一人の自立した人間としてキャリアを積みたいという人が圧倒的に増えてきています。
そんな働く女性に共通する悩みといったら、出産や子育て、そして、そこからの社会復帰。
国立社会保障・人口問題研究所が、独身男女に対して行った調査によると、2010年の時点で最も多くの女性が理想とするのは、一度退職し出産後にもう一度仕事に就く「再就職コース(35%)」、それに次いで、仕事と出産を両立する「両立コース(31%)」と、20年以上前に比べ、女性の理想に大きな変化がもたらされています。

女性に生まれたからこそ、出世も出産も両立したい。そんな今を生きる女性をサポートするための、ユニークな福利厚生を今回は紹介致します。
サイバーエージェントの『macalonパッケージ』

IT女子が多く活躍するサイバーエージェントでは、2006年に「L-cafe」というプロジェクトが発足されました。女性が活躍できる制度やワークショップなどの企画検討、実施を行なっており、女性の社会進出に積極的に取り組んでいます。
そんなサイバーエージェントで2014年に作られた「macalonパッケージ」が、女性に優しい福利厚生だということで注目されています。
この「macalonパッケージ」という名前には、「ママ(mama)がサイバーエージェント(CA)で長く(long)働く」という意味が込められています。女性が出産、育児を経ても働き続けることができる社内環境のために作られたものだそうです。
1. 体調不良の時は無理せずおやすみを「エフ休」
エフ休のエフとは、「Female」のこと。女性特有の体調不良の際、月に一度取得できる特別休暇です。
有給休暇も含め、女性社員が取得する休暇の呼び名を全て「エフ休」にすることで、利用用途が分からないようにし、女性のプライバシーを守ります。取得理由の言いづらさ、取得しづらさも解消できる優しい制度です。
身動きが取れないくらいつらい時でも、安心して体を休めることができますね。
2. 悩む人多数!? 人には言えなくても大丈夫「妊活休暇」
日本で不妊症に悩むカップルは約6組に1組と考えており、年々増え続けているそうです。社内に不妊で悩んでいる女性がいても、なんらおかしくはないですよね。
不妊治療中の女性社員が、治療のための通院などを目的に月に一度取得することができます。こちらの休暇も「エフ休」と言い換えることができ、周囲に知られることなく取得することが可能になります。
3. 一人で悩まず相談しよう「妊活コンシェル」
妊活に興味のある社員、将来の妊娠に不安のある社員が、月に一度、専門家と一対一で30分のカウンセリングを受けることができる制度です。
他にも、専門医による社内セミナーの開催、クリニックの紹介もしており、女性特有の悩みを気軽に打ち明けることができる場として活用されています。
4. お子様の急な発熱も安心「キッズ在宅」
お子様の急な発熱、登園禁止期間などの看護時に使用することができる在宅ワークの制度です。契約労働時間を上限に利用することが可能です。
5. イベントだって一緒に楽しみたい!「キッズデイ休暇」
お子様の晴れの日くらいは、いつもより手の込んだ料理で、家族一緒にお祝いしたいですよね。
キッズデイ休暇は、お子様の入園、入学式や親子遠足、参観日などの学校行事や、誕生日などの記念日に取得することができる休暇です。取得は半日休暇のみで、年に2回の利用ができます。
その他の企業の女性のための福利厚生

SHISEIDO社「カンガルースタッフ制度」
大手化粧会社の資生堂では、育児と仕事を両立しながらアクティブに働くビューティーコンサルタントが多く働いています。そんな女性のことを、資生堂では「カンガルースタッフ」と呼び、子どもを持つビューティーコンサルタントが、気兼ねすることなく育児時間が取得できるようにバックアップしています。
資生堂には他にも女性の育児両立、職場復帰を支援するための様々な制度があります。
例えば、妊娠から職場復帰の流れを上司と確認し合いながら考えるコミュニケーション体制の「チャイルドケアプラン」。小学校入学前のお子様の看護のための「子の看護休暇制度」。妊娠中のビューティーコンサルタントにはマタニティーコスチュームが支給されるなど、女性に優しい制度が整っています。
富士通エフ・アイ・ピー社「ふるふるカフェ」
富士通エフ・アイ・ピー社では、産前産後休暇、育児休暇はもちろんのこと、短時間勤務など、女性の子育て支援を積極的に行っています。
その中でも特徴的なのが、社内情報サイトの「ふるふるカフェ」です。
社内向けサイトのため残念ながらサイトの中身を見ることはできませんが、育児休暇からのスムーズな職場復帰に向けて、情報発信や意見交換を行うことができるサイトです。心構えや、復帰後の仕事と子育ての両立ノウハウなど、先輩社員からアドバイスを受けることができます。
公式ホームページでは、実際に福利厚生を利用した女性社員のインタビューを見ることもできます。
CROOZ社「ママサポ」
ゲームやWebサイドなどの制作を行っているCROOZでは、「CROOZ号乗船往復チケット」「もしもの木」「残れまテン」など、ユニークな名前のついた制度がたくさんあります。
その中の一つである「ママサポ」は、お子様が満4歳まで、年1回お子様の誕生日に30万円を進呈し、復職をサポートする制度です。他にも、アニバーサリー休暇などを使えばお子様の誕生日を祝うこともでき、様々な制度で子育てを応援してくれます。
最後に
他にも、女性に優しい福利厚生を用意して、出産から育児、出世までサポートしてくれる会社はたくさんあります。
転職の際には、福利厚生にも注目して会社選びをすることで、女性としてより良い社会進出が期待できますね。上手に利用して、育児も仕事も楽しみましょう。
[文・編集] サムライト編集部