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スタートアップと一部上場企業、充実してるのはどっち!?
創業メンバーとしてイチから会社を作り上げていくスタートアップと、福利厚生など働く環境がしっかりと整備されている一部上場企業。このふたつは企業の段階として両極の関係にあるように思えますが、いったいどちらの方が充実して働けるのでしょうか。
今回は、実際にスタートアップから一部上場企業に転職した方の意見を参考に、一部上場企業に転職して得られたメリットと、スタートアップを離れたことのデメリットをそれぞれ考察していきます。
一部上場企業に転職して得られたメリット
月給ベースが10万円上がった

まず、給与ベースから見ていきましょう。2016年の春、東証一部に上場しているIT企業に転職したAさん(25歳男性)は、転職したことで月給が10万円程上がったそうです。
Aさんの場合、スタートアップ時代は半年に一度の給与改定で約1万円〜2万円ほど給与アップしていたそうですが、転職によって大幅なベースアップを果たせたと言います。
以前、「急成長ベンチャー企業に転職すれば年収アップは可能か?」の記事内でもご紹介しましたが、一般的に、国内大手企業の平均年収は500万円~800万円の層が多く、それと比較すると、ベンチャー企業は400万円~700万円の層が大きくなっています。
一概には言えませんが、やはり給与ベースに関しては大手企業の方に分があるように思えます。
オフィスの椅子が高級
オフィス設備が充実しているというのも一部上場企業の特徴と言えます。特にデスクワークが中心となる方にとって、毎日座る椅子が正しい姿勢になれる椅子かそうでないかによって、体調の良し悪しも左右されてきます。
特に背もたれのない椅子や、背もたれの硬い椅子にずっと座っていると、腰痛や肩こりになりやすくなったり、さらに内臓疾患などにもかかりやすくなってしまいます。長い目で見た健康を意識するのであれば、できるだけ良い椅子に座って仕事をしたいものです。
優秀な人材が豊富に揃っている

「新卒では絶対入れない大手企業に滑りこむタイミングと用意すべきマインド」でも触れましたが、転職は企業に蓄積されたノウハウを吸収するのに非常に効率的な手段となります。さらに言うと、転職するほど自分にはない多様なスキルを持った人と出会えるチャンスを作れるのです。
また、将来起業したいという目標がある人にとっても、優秀な人材が豊富に揃っている一部上場企業は、将来のビジネスパートナーを見つけるのにこれ以上ない環境とも言えるかもしれません。
多くの人が知っている会社名で名乗れる
初対面の人と会うときや仕事の依頼などを行う際、知名度の高い企業に属していることは、自分の身分を証明してくれる一助となります。多くの人が知っている会社名を名乗ることで、「ハロー効果(実際以上に良いと感じられるような心理的効果を生み出すこと)」を促し、第一印象を良くすることができるのです。
土日に働かなくなった
「スタートアップに勤めていて、土日も関係なく仕事をしている」という人も少なくないようです。前述のAさんもまた、仕事にやりがいはあったものの、平日遅くまで残業し、土日もファミレスなどで作業をせざるをえない状況にあったと言います。逆に転職以降は残業時間も減り、土日はしっかりと余暇を過ごすようになったようです。
スタートアップを離れたことのデメリット
経営陣との距離が遠い

次に「スタートアップの方が良かった」と感じたという項目を見ていきます。一部上場企業との最も大きな違いとして、経営陣との距離感が挙げられます。人数が少なく、自分もプロジェクトの主要メンバーであることが多いスタートアップでは、経営陣との距離が近く、相談もしやすいのが特徴と言えます。
逆に一部上場企業のトップ層ともなると、マスメディアなどにも取り上げられることも多く、同じ企業に属しているとはいえ、どこか自分とは遠い存在に感じるという人も少なくないようです。
ストックオプションの利益を貰い損ねた
ストックオプションとは、会社が従業員に対し、会社の株式をあらかじめ定めた価額で将来取得する権利を付与するインセンティブ制度のことで、スタートアップの場合、会社が買収されたりした場合に、従業員は一定の利益を得ることができます。
しかしストックオプションは退職後受け取ることができないものとなっており、たとえ辞めてから短期間の間に会社が買収されたとしても、その利益を得ることはできなくなってしまうのです。
外出しての作業ができなくなった

個人にある程度の裁量が認められているスタートアップの場合、オフィスに留まらず、カフェやレストランなど自分の好きな場所で仕事ができますが、大企業ともなると、情報漏洩防止の観点から外部でのパソコン作業を禁止している会社が多いようです。
外で仕事をするほうが好きだという方は、ひとつの場所に留まることがストレスになるかもしれないので、転職を検討する際の基準として考える必要があるかもしれません。
経費精算などの手続きが面倒
企業にもよりますが、大手になるほど経費精算などの事務手続きが煩雑化していることがあります。またこれらの事務的作業を外部の会社に委託しているという場合も多く、交通費の精算ひとつ取っても面倒で、経費精算せずに締めてしまう人もいるようです。
会社の外部に常に注意を払わなければならない
大企業ともなると、事業規模やそれに投資する予算などが桁違いとなり、それだけ成長スピードが速くなります。たとえ同じ事業内容を展開している競合がいたとしても、その倍以上に市場を独占していくのです。
そうなってくると、競合である企業やその関係者がいつのまにか敵のようになってしまい、事実とは反する情報を流したりするネガティヴキャンペーンを仕掛けてくることもしばしばあるようです。
もしも大企業に属することになったら、こういったリスクも意識しつつ、SNSのようなプライベートな場においても常に慎重な言動・行動を心掛けなければなりません。
