気合だけでは継続できない!続ける力を身につけるために読むべき本10選

決めたこと続いていますか?

スポーツクラブ、英会話、ダイエットなどなど。意を決して始めたが1ヶ月も経たずに継続できなくなったという経験をお持ちの方も多いと思います。

コツコツ積み重ねることが大事だと分かっているのに続けられない。今回はそんな悩みをお持ちの方に「続ける力」を身につけるためのオススメ書籍を紹介します。

続ける力を身につけるために読むべき本

1.『勝ち続ける意志力』

著:梅原大吾

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まず紹介するのは、世界で最も長く賞金を稼いでいるプロゲーマー梅原大吾氏のこちらの著書です。

著者は、「勝つこと」と「勝ち続けること」はまったく性質の異なるものであると考えています。挫折も味わいながらプロゲーマーとしての地位を確立した経験から、勝ち続けるために必要な努力、変化こそ成長、継続のためのサイクルの確立などの持論を展開し、著者なりの「意志力」について解説しています。

世界一にたどり着くまでのストーリーも時系列に描かれており、読み応え抜群です。

■筆者の記憶に残る一文

「梅原大吾の最大の武器は何か?」
そう聞かれたら、
「どれだけ殴られても、諦めずに起き上がって戦うところ」
自信を持ってそう答える。  ー P.73から引用

2. 『WILLPOWER 意志力の科学』

著:ロイ・バウマイスター、ジョン・ティアニー
訳:渡会圭子

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梅原大吾氏の『勝ち続ける意志力』は著者の経験から紡ぎ出した意志力が解説されているのに対し、本書はタイトル通り意志力について多数の実験から解き明かした科学が解説されています。

例えば、何千人もの被験者を調査して得られた結果として次の2点を強調しています。
①意志力の量には限りがあり、それは使うことで消耗する。
②すべての種類の行動に用いられる意志力の出所は一つである。

他にも、意志力のもととなるエネルギーについて、意志力の鍛え方などが裏付けとともに紹介されており、理屈を知ってから行動したいと考える人にはうってつけの著書です。

■筆者の記憶に残る一文

自己コントロール能力を向上させる方法を探っていこう。
だが、具体的なアドバイスに入る前に、どのような場合にもあてはまるコツを一つお教えしよう。自我消耗の研究結果から明らかになり、アマンダ・パーマーも実践していたことだが、「一度に一つのことに絞って集中する」というものだ。ー P.54から引用

3. 『マンガでわかる「続ける」習慣』

著:古川武士
イラスト:みつく

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著者は習慣化に関するコンサルティングを生業としている習慣化のスペシャリストです。他にも多数の習慣化に関する著書を執筆しており、その決定版ともいえるものが本書です。

習慣化するためのポイントはこれまでの研究である程度明らかになっており、細かい点やネーミングはともかくとして多くの書籍で大筋は同じようなことを謳っています。そこで大切になってくるのが「内容のわかりやすさ」です。

わかりやすさという意味でマンガはうってつけです。フランス語を学びたい女性が学習を習慣化するまでのステップが順を追ってわかりやすく描かれており、また各章ごとに解説もついているので理解が進みます。

習慣化のポイントについてわかりやすく理解したい人にオススメです。

■筆者の記憶に残る一文

運は偶然性があってコントロールできませんが、幸運を引き寄せる源である習慣は、コントロールできます。幸運を呼び込む人には、よい習慣が必ずあるのです。ー P.173から引用

4. 『成功する練習の法則』

著:ダグ・レモフ、エリカ・ウールウェイ、ケイティ・イェッツイ
訳:依田卓巳

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何かを習慣化するためには、「自分は上達している」「結果が出ている」という感覚を持つことが重要です。そのための過程には、必ず「練習」「トレーニング」「訓練」といった多くの人があまり正面から向き合いたくない局面が存在しています。

これまでは、練習への向き合い方やモチベーションの保ち方などに焦点が当たりがちでしたが、練習の質に言及し、練習こそが結果を出すために最も大切であると説いているのが本書です。結果を出すための練習について42のルールに分けて紹介しています。

中でも注目すべきは、ルール7「実戦練習ではなく反復練習でこそ上達する」です。
うまくなるためには実践練習が大事だと思いがちですが、実践練習の大切さを説きつつも反復練習の大切さをとりわけ強調しています。

効果的な練習のためのポイントが知りたい人にオススメです。

■筆者の記憶に残る一文

反復練習と実戦練習のちがいは微妙なところもあるが、やはり区別することが重要だ。ひとつには、目的がちがう。反復練習の核心はスキルの開発、実戦練習の核心は評価と最終準備だ。 ー P.71から引用

5. 『メンタルが強い人がやめた13の習慣』

著:エイミー・モーリン
訳:長澤あかね

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何かを続けるためにはある程度メンタル的な要素が必要になります。また、メンタルは生まれ持った要素が大きいと思い込み、「メンタルが強い」「メンタルが弱い」という言葉で片付けることでメンタルについて向き合おうとしない人も大勢います。

そんなメンタルに関する様々な誤解をとき、メンタルの力を育むための「やめるべき習慣」について解説しているのが本書です。何かを始めるよりも何かをやめることの方が与し易いこともあり、足し算ではなく引き算の構成には納得させられることが多いです。

例えば、「どうにもならないことで悩む習慣をやめる」「みんなにいい顔する習慣をやめる」など、ハッとすることが書かれておりすぐにでも実践可能です。

不要な習慣をやめ、逆に必要なことに集中して習慣化するために、本書を参考にしてはいかがでしょうか。

■筆者の記憶に残る一文

すべてを支配下に置けば、安心できるかもしれないが、「常に状況を操れる」と考えるのはトラブルの元だ。 ー P.87から引用

6. 『スイッチ!』

著:チップ・ハース、ダン・ハース
訳:千葉敏生

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続けるためには生活習慣をはじめとする何かを変える必要があります。しかしそもそも変えるという第一歩すら踏み出せず躊躇している人もいるのではないでしょうか。

そのような人の背中を押すためにオススメなのが本書です。副題にある通り、「変われないを変える方法」についての指南書です。

本書では、感情を象、理性を象使いになぞらえ、象使い(理性)と象(感情)の双方に働きかけることで変化が起こることをさまざまな研究結果とともに紹介しています。

その上で著者は変化を起こすために必要なことは大別すると次の3点だと主張します。

①象使いは戸惑っていることが多いので明確な指示を与えること。
②象は怠けているように見えて実はエネルギーが足りないこともあるので、やる気にはたらきかけて象自ら動いてもらうようにすること。
③象使いや象の状態に関わらず変化が起こるように環境を整えること。

事例が多く、テンポよく読み進めることができる一冊です。

■筆者の記憶に残る一文

なぜ習慣はそれほど重要なのか?それは、要するに習慣が行動の自動運転だからだ。 ー P.273から引用

7. 『職業としての小説家』

著:村上春樹

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習慣化するための一つのやり方として、型にはめてしまう、すなわち規則化するという方策があります。スポーツクラブにいつでも行っていいと言われてもなかなか重い腰があがらないけれど、毎週火曜に行くことに決めてスケジュールに書き込めば自然と通うことができる、といった具合です。

この方法で続ける力を発揮している急先鋒、村上春樹氏が自身の執筆スタイルについて紹介しているのが本書です。著者は、長編小説を書くときには一日に四百字原稿で十枚きっかり書くことを規則としています。もっと書きたくても十枚くらいでやめておくし、今ひとつ乗らないと思ってもなんとかがんばって十枚は書きます。

こうすることで規則性を作り出し、特別な意志力を使わずに長期戦を戦い続けることができているのです。

このやり方は決して一般人が真似出来ないものではありません。規則を作り出し習慣化するための事例として参考にする価値のある一冊です。

■筆者の記憶に残る一文

それでは持続力を身につけるためにはどうすればいいのか?
それに対する僕の答えはただひとつ、とてもシンプルなものです ― 基礎体力を身につけること。逞しくしぶといフィジカルな力を獲得すること。自分の身体を味方につけること。 ー P.168(ハードカバー版)から引用

8. 『図解 モチベーション大百科』

編著:池田貴将

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行動のエンジンであるモチベーション。続ける力を身につけるためのひとつの要素であるモチベーションの源泉がどのようなところから出てくるのか。一流研究機関の学者が行った実験から100のパターンについて解説しているのが本書です。

モチベーションは意図通りコントロールすることが難しいため、あの手この手でメンテナンスすることが必要となります。そのための引き出しを持つのに、本書のようなモチベーション・メカニズムの辞典は役に立つでしょう。

すべてのメカニズムにおいて、
・Aチームの被験者には△△
・Bチームの被験者には□□

結果、Aチームは〜〜となり、Bチームは==となった。

という形式で解説しているので、理論めいたことがわからなくてもスムースに理解できます。

■筆者の記憶に残る一文

つまり目標とは「未来の状態を変えるため」ではなく、「現在の気分や行動をアクティブにするため」に設定するものだとも言えます。ー P.103から引用

9. 『最後のダイエット』

著:石川善樹

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続ける力についての先人たちの努力の結果が最も凝縮されている分野がダイエットでしょう。そのダイエットから続ける力について学ぶことができるのが本書です。

著者はダイエットを「自然とやせたままでいられる生活習慣を築くこと」と位置づけ、どのように習慣を身につけるべきかを説いています。

医学博士である著者らしく、脳の仕組みから「新しいことを続けるのに意志の力は3割、習慣化できるかどうかが7割」と説明し、意思の力に頼らない習慣づくりの具体的方法を紹介しています。

意志力というと少しハードルが高く聞こえるけれど、続ける力は身につけたいと悩んでいる人にオススメです。

■筆者の記憶に残る一文

体重というのは、ただの数字ではなく、生活習慣の結果です。 ー P.5から引用

10. 『一流の人は、本のどこに線を引いているのか』

著:土井英司

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さて、ここまで続ける力を身につけるための書籍を9冊紹介してきました。
最後に紹介するのは、書籍を読むことを習慣化するためのヒントが多く書かれているこちらの一冊です。

計画が立てておしまいではないように、小説などの一部の書籍を除いて、書籍とは役立てて初めて価値が生まれます。そのためには、書籍に書いてあることを自分なりに理解し、知識を紡ぎ出していくことが必要となります。

書籍のブランディングやプロデュースを仕掛けている著者は、そういったプロセスのために、1冊に100本の線を引くよりも100冊に1本ずつ線を引く方が現実的だし実りも多いと説きます。

著者自身が引いた「私が引いた44本の線」として44冊の書籍と線を引いた箇所が巻末付録としてついており、こちらも読み応えがあります。

■筆者の記憶に残る一文

苦手なジャンルや未知の内容は、速く読めなくて当たり前だ。「知らない」のだから「知る」ためにはじっくり読んで、理解し、納得していく時間が必要なのだ。 ー P.64から引用

以上、様々な観点から「続ける力」を身につけるために読むべき本を10冊セレクトしてみました。

一冊くらい読んでみようかなと思える書籍が見つかったのであればぜひ手に取ってみてください。そしてあなたも書籍に線を引き、続ける力を身につけるための一歩を歩み出してください。

著者プロフィール:鈴木洋平(すずきようへい)‬
‪2002年日本アイ・ビー・エム株式会社入社。システムエンジニアとして入社後、同社内で人事に転身。同社を退社後、「株式会社採用と育成研究社」を設立、同副代表。 企業の採用活動・社員育成の設計、プログラム作成、講師などを手掛けている。‬
‪・米国CCE,Inc.認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラー‬
‪・LEGO® SERIOUS PLAY® 認定ファシリテーター‬
‪http://rdi.jp/about-rdi‬

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続ける力さえつけられれば、大抵のことは実現できます。真剣に学ぶ価値があるテーマです。
[文]鈴木洋平 [編集] サムライト編集部