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派遣が負け組は誤り
「派遣社員は負け組」「派遣社員はかわいそう」もしそんなことを考えている人がいたら、認識をあらためた方がよさそうです。いまでこういったステレオタイプの議論や報道を見かけることがありますが、派遣社員の実態をまったく捉えていない、誤った見方です。
むしろ派遣社員は、自分の人生を謳歌できる安定した働き方といってもよいでしょう。「派遣」という働き方にもっと目を向ける人がふえれば世の中の労働問題がかなり改善されて働きやすくなることでしょう。
今回は著書『やりたいことを仕事にするなら派遣社員をやりなさい』を参考に、派遣の実態についてご紹介していきます。
ライフステージに合わせた働き方ができる
まず派遣社員の良いところは、まず自分のライフステージにあわせて働き方を選ぶことができることです。「今は多少ハードな仕事でもバリバリ稼ぎたい」と思えば、そういった職種や仕事を選ぶことができますし、「少しペースダウンをしてプライベートな時間も楽しみたい」と思えばそれにあった仕事を選ぶことができます。
正社員としてずっと働かなければいけないという思い込みがあまりにも強すぎて、他に選択肢がないと思ってしまい自分の体や心のサインを無視して体調を崩してしまう人が多い現実を見ると、派遣で働いた方が幸せになれる人も少なくないと思います。
私たちは確実に70歳ぐらいまで働く期間がのびるでしょうから、そうすると20歳から働き始めるとしたら50年もあります。この間に、スピードダウンしたり、働かない時期があってもよいのかもしれません。
会社本位ではなく仕事本位で働くことができる

これは、派遣で働くことの一番のメリットといって良いかもしれませんが、会社本位ではなく、仕事本位で働くことができる点です。正社員の場合、自分はこんな仕事がしたいと言ったところで、その希望が通りとは限りません。その点派遣の仕事は、数ある中から自分のやりたい仕事を選んで、選択することができます。
当然スキルもないのに、いきなり自分のやりたい仕事を選ぶことはできませんが、派遣会社と面談して、今後のキャリアプランを見据えた上でステップアップしながらやりたい仕事に近づいていくことができます。
また登録型の派遣の場合は、あらかじめどの会社で何の仕事につくか、さらにいつまで働くかということが契約できまっており、期間中は移動や業務内容の変更などがありません。自分が選んだ会社で納得した業務に専念することができます。
仕事以外にやりたいことができる
派遣の仕事には、期間の定めがあり、基本的には2ヶ月以上、もしくは3ヶ月単位です。契約満了になっても双方の合意があれば、契約を更新して働き続けることができます。
こうした派遣の特徴を活かして、1年のうち10ヶ月は全力ではたらき、2ヶ月はバカンスを取るという働き方をする人もいます。仕事をする期間としない期間を決めて、仕事をする期間にガッチリ稼いでおくという働き方ができるのも派遣も魅力です。
または、週に何回勤務するかというのも自分で決めることができるので、週4日働いて、残りの日は自分がやりたい趣味の活動や、ボランティア、資格取得のための学校に通うことも可能です。また残業や休日出勤がないので、仕事以外で自分がやりたいことをきっちりやることができる点も大きな魅力です。
煩わしい人間関係から解放される
ある仕事の満足度調査によれば、仕事の不満の第1位は仕事の内容ではなく、職場の人間関係だそうです。正社員というのは1つの職場にずっと腰を落ち着ける必要があるため、どうしても複雑な人間関係に巻き込まれがちです。
特に女性のオフィス同士の関係は難しいという話が多く、好きでもない人と一緒にランチを食べて、聞きたくもない話を聞かなければいけないなどといった煩わしいことがあったり、社内の人の顔色を伺いながら残業するかどうかを決めなければいけなかったりします。
その点派遣であれば簡単に距離をおくことができます。派遣の場合は上司と部下の関係もストレスが少なくてすみます。あらかじめ決められた業務をやり、それ以外の仕事は断ることもできます。
業務外の飲み会などもつき合う必要はありません。もし何か問題があれば派遣会社が間に入って問題を解決してくれます。派遣会社にとって派遣社員は貴重なビジネスの資源ですので、しっかりと味方になって助けてくれます。
ほとんどの人は派遣で働ける
知らない人も以外に多いのですが、ほとんどの仕事は派遣で働くことができます。つい先日も編集の仕事をしている友人が正社員で働いていた会社を辞めて、派遣に登録して働き始めたのですが、前職とほぼ同じような編集の仕事をしていて、驚きました。いままで死ぬほどサービス残業をしていたのですが、いまは1分単位で残業代がでると、嬉しそうでした。
なぜ派遣が一部の仕事しかないというイメージを持っている人が多いかというと、以前は実際に派遣でできる仕事が制限されていた時代があったからです。日本で労働派遣法がスタートしたのは1986年ですが、当時は正社員や契約社員の仕事が、派遣社員に取ってかわられないように、正社員や契約社員を守るという意味合いの強い法律だったのです。
そこから30年で何度か改正されていましたが、1999年までは派遣でつくことができる仕事が制限されていました。以前は法律で定められた26業務にしかつくことができなかったのです。
それが現在では撤廃されて、一部の業務を除くほとんどの業務は派遣で働けるようになったのです。せっかく選択肢が増えたのですから、派遣で自分の天職を探すのもいいでしょう。好きな仕事をして自由に生きたいなら、派遣社員という選択肢も検討してみてください。
参考書籍:『やりたいことを仕事にするなら派遣社員をやりなさい』
