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「自分にぴったりの企業」を求めて
「転職回数が多いと不利」。転職市場ではよく言われることです。しかし転職を繰り返している人の中には、「自分にぴったりの企業を求めてきただけなのに……」と考えている人も多いはず。それを理由に次の転職が決まらないというのは納得がいきませんよね。ここでは「転職回数」というディスアドバンテージを挽回する、転職サイトやハローワークなどを使った「正攻法」以外の転職方法を4つご紹介します。転職回数の多さに負い目を感じてしまっている人、必見です。
「転職回数が多い」のは何回からか?
そもそも転職市場において「転職回数が多い」と言われるのは何回からなのでしょうか。マイナビ転職が行ったインタビューによると、GMOインターネット株式会社の人事担当者は「20代で3回、30代は5回以上」で多いと感じるのだとか。日本マクドナルドの人事担当者は「20代は3回、30代は3〜4回」で多いと感じるそうです。
リクナビNEXTが企業人事担当者に行ったアンケートでも似通った結果が出ています。全体の36%が3回以上から「転職回数が多い」と回答しており、「1回から」「2回から」と答えたのは合計で16%だけ。
このことから、「転職回数が多い」とされるのは「3回以上」と言うことができます。つまりまだ1回、あるいは2回しか転職していない人は、その経歴をマイナス要素として考えすぎる必要はないのです。もちろん面接では「どうして転職したのか」という質問は避けられません。しかしそこにしっかりした理由があれば問題無し。正攻法でも十分戦えるでしょう。
では3回以上の人はどうすればいいか?以下で4つの方法を紹介していきましょう。
転職エージェントを活用する

「DODA」や「マイナビエージェント」「リクルートエージェント」「アデコ」などの転職エージェントを活用するのが1つ目の方法です。転職エージェントは転職サイトとは違い、プロのエージェントがマンツーマンでキャリアカウンセリングを行ってくれるサービスです。書類添削や面接対策のサポートや転職活動のスケジュール調整をしてくれるなど、徹底した転職のサポートが受けられます。
特筆すべきメリットは2つ。1つは「書類選考に通りやすくなる」ことです。これは書類添削が受けられるからでもありますが、それだけではありません。カウンセリングをし、相談者の能力や適性をよく理解した上で、「この企業なら向いているかもしれない」という提案をするのがエージェントの仕事です。したがって自分とは合わない企業に書類を提出して失敗するケースを減らすことができます。
同時に「こんな人材が転職しようとしていますが、どうですか?」と企業側にもアプローチをかけてくれるので、正攻法で戦って書類だけで勝負するよりも、自分の魅力が企業側に伝わりやすいのです。
2つ目の魅力は「コストゼロ」という点。転職エージェントの資金源は求人を出している企業です。そのため転職希望者が費用を負担する必要はない、というわけ。転職のプロに客観的に自分の市場価値を判断してもらうという意味でも、おすすめの選択肢です。
SNSで経営者に直接リーチする
これからの転職に必須と言ってもいいのがSNSの活用です。米ジョブバイト社の2012年の調査で、アメリカの企業の人事担当者らの92%が採用活動においてSNSの活用が必要不可欠と回答しています。
企業が人材に直接アプローチをかける「ダイレクトリクルーティング」という手法も徐々にメジャーになりつつあり、TwitterやFacebookで企業経営者や人事担当者などとのメッセージのやりとりから転職を決める人も少なくありません。
TweetやFacebookのポストで積極的に自分のスキルについて発言していれば、それを見た企業関係者からスカウトが来る可能性もあるのです。あるいは自分が憧れている企業のアカウントをフォローし、コメントなどをしていれば担当者の目に留まるかもしれません。SNSを見てすでに魅力を感じている人材であれば、企業は「転職回数」をそれほど大きなマイナス要因としては考えないはずです。
他にもビジネスSNSと呼ばれるLinkedinやWantedlyを活用するのもアリ。これらもダイレクトリクルーティングに活用されているSNSなので、企業担当者と直接繋がるチャンスがたくさんあります。
一度腰を据えてスキルを磨き直す
「現時点のスキルでは次のステップに進めない」と考えるのであれば、一度腰を据えてスキルを磨き直すのも手です。
例えば宣伝会議の各種講座を受けてみる、下北沢の本屋B&Bが主宰する「菅付雅信の編集スパルタ塾」に参加してみる、あるいは堀江貴文氏が主宰する「堀江貴文サロン」に参加する……方法はいくらでもあります。ただし押さえておきたいのは「レベルの高い人が出入りする場所」であることです。
宣伝会議の講座には現在活躍中の業界人が講師陣として名を連ねます。2015年秋の「編集・ライター養成講座 総合コース」で言えば『NewsPicks』編集長の佐々木紀彦氏や『marie claire』元・編集長の生駒芳子氏などです。
「編集スパルタ塾」を担当する菅付雅信氏はご本人が日本を代表する編集者であり、ゲスト講師陣に迎えるのも『BRUTUS』編集長の西田善太氏や、クックパッド株式会社の松浦弥太郎氏などそうそうたるメンバー。
「堀江貴文サロン」ではサロンから事業が生まれることもあるのだとか。そうなればもはや改めて転職活動をするまでもありません。スキルを磨きながら人脈もしっかり作る。キャリアアップを考えているのであれば一考の価値ありの選択肢です。
独立して実績を積む
世界No.1のシェアを誇る中国の家電メーカー「ハイアール」の創立者・張瑞敏氏が自社のモットーに掲げているのは「社員1人1人が経営者」という言葉。
デジタルマーケティングやネット広告代理店で成功を収めている「オプト」は、100人単位の会社を100社つくる「100人100社」コンセプトを掲げ、「社員1人ひとりが社長」というマインドを社員に求めています。「1人で何でもできる人材」は間違いなく今の労働市場で高い価値を持っているのです。
したがって、会社員を辞めて一から自分で事業を起こしてみるのも、長い目で見れば有力な戦略となります。事業を起こすとなれば、会社員時代のように受け身でいることはできません。数字の管理やプロジェクトをマネジメントするスキル、人を雇えば人材マネジメントスキルも必須。「これまでも積極的に働いてきた!」という人でも飛躍的な成長が期待できるでしょう。
そのようなハードな環境でしっかり実績を残せば、「1人で何でもできる人材」という評価も受けられます。やや勇気のいる決断ですが、同時に得るものも大きい選択肢です。
「茨の道」を歩む覚悟はできているか
転職サイトを活用したり、ハローワークに通ったりする正攻法とは違い、ここで紹介した方法はどれも本人の実力・モチベーションが前提となっています。それらを持ち合わせていても「茨の道」になることは間違いありません。「なんとなく」で転職を繰り返してきた人にはあまりにも無謀な道となるでしょう。人と違う道を歩むためには相応の覚悟が必要です。しかしその準備ができているなら、きっと「自分にぴったりの企業」に巡り会えるはず。ぜひとも茨の道を選んでみてください。
