人間性や人格の良さが採用の決め手に
友だちとしては付き合いたくない意地悪なやつだけど、仕事ができるのでどんどん出世していくようなタイプの人って、よくドラマの敵役なんかで登場しますよね。ひょっとするとあなたのまわりにもいるかもしれませんが、安心してください。
近年の採用面接では、人間性や人格の良さを転職者に求める傾向が強くなっているので、性格の悪い人はいい会社に就職できなくなりつつあります。では実際にどんな変化が起こっているのか、ご紹介していきましょう。
Googleのエアポート試験
Googleの面接は難問が出題されることでも有名ですが、最終的にエアポート試験というものが実施されます。面接官は、空港で飛行機が飛ばず、近隣のホテルをいっぱいで空港で一晩閉じ込められた状態をイメージします。そこで明日の朝まで一緒に入られるかを自問自答して、イエスであれば採用を決めるそうです。
またイーロン・マスクは自社の採用について次のように語っています。
いまやGoogleやテスラ・モーターズのような企業でさえ、より多くの知識やスキルを持った人よりも、性格の良い人を雇おうとしています。気持よく一緒に働ける人と、そうでない人が入ってきた時の職場の空気は大きく変わります。人が人に与える影響はそれだけ大きいのです。
すべてのことが可視化される

コルクの佐渡島さんは次のようことを言っています。
これから世の中がインターネット化していくことは不可避です。ぼくがそれを望んでいるかどうかは、関係ありません。不可避であれば、それに向けた対策をしていかなければなりません。そのとき、キーワードになる言葉が「全体的」です。「全体的」が重要な概念になることを気付かされたのは、糸井重里さんの『インターネット的』を読んだときでした。
糸井さんは、インターネットによってどのような変化が起きるかの仮説を立て、それを「ほぼ日刊イトイ新聞」で実践しています。「インターネット的」な世界では、すべてのことが可視化されます。コントロールしたり、隠したりすることは、情報量が膨大すぎて無理です。とれる戦略は、ただ一つ。誠実に正直になることです。無意識で思っていることは、リアルの世界では相手に伝わりませんが、インターネットの世界ではそれすら相手に伝わってしまう可能性があるのです。
以前に「SNSの影響で“イケてる”の基準が変わった!新しい価値観3Aとは?」 でもお伝えしましたが、インターネットの登場によって新しい価値観に移行しつつあります。これからそのことを前提に人生を組み立てる必要があります。
SNSに振り回されるな
インターネット的な世界になってソーシャル上の振る舞いや発言は大事ですが、SNSに振り回されないように気をつけてください。朝井リョウさんの小説『何者』に登場する人物のように、就活に適したバーチャルなSNS上の自分をつくりあげて、それにリアルな行動を一致させようとして自分を見失っていくようなことになったら意味がありません。これ以上でも、これ以下でもない等身大の自分で、自分の言葉で発言していきましょう。
自分の言葉で語るのは、いざ実際にやってみると以外に難しいのですが、SNSでの発言は慣れるしかありません。呼吸するように使えるように楽しみましょう。ネット界隈で有名な一般人の人たちのSNSの使い方を見ていると参考になります。匿名で陰口を叩くのはダサいので止めましょうね。
短期的な利益を追いかけない
江戸時代には仕事という言葉に2つの意味があったそうです。1つは「カセギ」で、これは日々の収入をもたらす仕事を指しますが、これだけでは一人前として認められなかったそうです。もう1つは「ツトメ」で火事の消火活動や、橋の修繕、病人の看護などの共同体を維持する活動です。この「カセギ」と「ツトメ」の両方を果たして、始めて一人前として認められました。
この考え方はインターネット的な世界にとてもフィットすると思います。国や政府はあまり頼りにならないので、各分野の専門家が自分のスキルや人脈を活かして、コミュニティーに貢献していく。これによってその人への信頼度も高まっていきます。
短期的な利益を追いかけずに、自分のできることに取り組んでいくことがあなたの評判を高めることに繋がります。インターネットによって、真っ当ないい人が報われやすい時代になってきました。正直に生きたいですね。
