TOP画像出典:ホリエモンチャンネル
正社員は損?
YouTubeのホリエモンチャンネル「堀江貴文のQ&A vol.394〜安定の鍵は掛け持ち!?〜」で、堀江さんは「絶対正社員にならないほうがいい」と発言されていました。まあ、堀江さんファンならよく耳にする主張ですね。
そこで今回は堀江さんの「絶対正社員にならないほうがいい」の理由について考えるとともに、堀江さんとは異なった労働観を持つドワンゴの川上量生氏の発言もご紹介します。それに加えて著名ブロガーちきりん氏の発言にも触れ、これからの働き方についての簡単な展望をまとめたいと思います。
「絶対正社員にならない方がいい」理由

堀江氏は前掲の動画の中で、以前知り合いのキャビンアテンダントの方が正社員になったことを例に挙げて、給料も下がるし、働き方に流動性がなくなったと言っています。
世の中は「正社員こそが正義だ」といった考え方が横行しているけれども、それは間違いで、契約社員や起業家の方が、自分のやりたい生き方を選べると堀江氏は言います。
確かに一般的には正社員の方が「安定していて、幸せな人生を送ることができる」といわれています。
非正規社員という働き方が浸透してからは日本の労働環境は以前に比べて悪化したとも言われます。
しかし堀江さんはこの非正規雇用の不安定性の中で生き残るべきだと言うのです。今の時代、正社員になったからといって解雇されないわけでもなく、いつ会社が倒産するかもわからない。年功序列賃金制度が生きているわけでもない。
にもかかわらず、一つの会社に寄りかかっているせいで、クビになったり、倒産したりするだけで路頭に迷うことになる。そんな正社員のどこが「安定しているんだ?」といいます。
堀江さんはこれから労働力も複数社でシェアされるものになっていき、個人も自分の労働力を分割していく働き方が一般的になっていくだろうといいます。
「やっぱりサラリーマンが得」の理由

対してドワンゴの代表取締役会長である川上量生さんは、解雇規制緩和についても起業についても真っ向から反対意見を述べています。
解雇規制を緩くした方が結果雇用が増えるというのは常識というひとってインテリ的なひとに多いが根拠がよく分からない。だいたい雇用の流動化が進んでいる欧米の失業率って日本より低いの?
出典:http://togetter.com/li/530496
[blockquote]みんな、気合いとやる気は無料で、いくらでも使えるとか思っているひとが多すぎる。それってようするに精神論でしかないし。みんなドラゴンボールとかの読み過ぎ。冷静にリスクとメリット計算したら起業なんてやらねーし。サラリーマンのほうが得。[/blockquote] [blockquote]ぼくは損得勘定をしたら起業はどう考えても損なことがほとんどといっているだけなので、損得勘定ができないひとがやってみないとわからないといって自爆していくのは、まあ、とめますけど、しょうがないですね。起業をどうしてもやるなら成功するモデルつくってやるべき。[/blockquote]出典:http://togetter.com/li/531712
起業したり、フリーランスで働いたり、非正規雇用が浸透していく中で得をするのは「特別なスキルを持っていたりして、労働市場で価値が高い人の場合だけ」と言い、それ以外の「ふつうのひとには無理」と言い切ります。
確かに堀江さんのように「とりあえずみんな起業して楽しく暮らせばいい」「起業して失敗してもやり直せばいい」といった考え方というのは「ふつうのひと」の考え方ではありませんよね。
誰だって将来は安定させたいし、なんとなくでも未来への道筋が見えていた方が安心です。川上さんも発言しているように、起業家とかフリーランス、非正規雇用といった生き方はあまりにもリスクが大きく、それに耐えられる精神力を持ち合わせていなければ、到底生き抜くことはできない道です。
大抵のひとにはやっぱり起業なんてやめておいた方がいいギャンブルだとぼくは思う。人の下で働くのがどうしてもできないひと、失敗してもめげずに再起できる心の持ち主、なんかはまあしょうがないとは思うけど、ふつうのひとには辛い選択だし、割に合わないギャンブルだと僕は思う。
http://togetter.com/li/531712
会社の中で自由に生きる、という働き方

フリーで生きる、会社で生きる。堀江氏と川上氏の見解は言ってみれば真反対にあります。そこで次にその中間となるような働き方について触れておきましょう。
仮面社畜という言葉をご存知でしょうか?近年『仮面社畜のススメ』という本が出て、一部で話題になっているワードです。これは言われる、会社に「飼われている」社畜とは違い、会社に飼われながらにして飼っている、そんな働き方だそうです。
具体的には以下のような振る舞いをする働き方を指します。
・無駄だと思えば会議にも出ない。
・会社に利用されるのではなく、利用している。
なかなか強烈ですね。既存のルールや概念に縛られず、「会社」というフィールドの中で自由に生きるのがこの仮面社畜だそうです。ただし、これで結果が残せれば問題はありませんが、そうでない限り、ただの「勘違いをしている人」「自分勝手な人」というレッテルを貼られます。よほどの努力と実力が必要な働き方といえるでしょう。
雇用形態と幸せは関係ない?

両極端をとってみても疑問が残り、中間をとってみれば極端を取るよりも難易度が高そうです。ではここで著名ブロガー「ちきりん」さんの考え方を見ていきましょう。
出典:https://twitter.com/InsideCHIKIRIN/status/316177303438774272
堀江氏、川上氏とは少し違う角度からの考え方です。そもそも働き方で自分の幸せは決まるのか?と、ちきりんさんは問いかけます。
ちきりん氏は「能力がなくても絶対首にならないことがみんなの幸せの源?」と言っていますが、逆に能力があってたくさんお金を稼いでいても、それが幸せの源になるとは限らないということですね。
これからの働き方に必要なのは、雇用の形にこだわるのではなく、自分の幸せの形を見つけることなのかもしれません。
そしてその幸せを実現するためにタイミングによって、正社員・非正規社員、どちらがより効果的なのかを考え、選べる選択肢を持つことが重要になってくるのではないでしょうか。
[文・編集] サムライト編集部