成功しているフリーランスに聞いた、独立1年前から準備した7つのこと

独立には事前準備が必須

皆さんは独立してみたいなと考えたことはありませんか?今回は数年前に独立して、数年の間に急成長を遂げたフリーランスの佐々木さん(仮名)にお話を伺いました。

そのテーマとしては「独立成功のコツ」だったのですが、その方は「事前に準備をしていたからこそ、今の自分がある」とおっしゃいました。そこで、その「独立準備」について詳しくお話いただきましたので、ご紹介します。

独立準備のコツ1. 自分用のオフィシャルホームページを作る

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佐々木:前の会社を辞める前に、自分のホームページを作っておきました。そこには今の仕事に関する記事をアップしておいたから、独立してからすぐに営業することができました。

フリーランスで独立するにあたっては、よほど前の仕事で知名度を高めていなければ顧客は付きません。そこで会社を辞める前から自分用のホームページを作っていたのです。

アップする記事は「専門分野」に関する記事で、それはフリーランスとして独立するにあたっての業務に関する知識だったのです。約1年をかけて専門分野で埋め尽くしたホームページは、彼を「その手の専門家」たらしめるのに十分に役立ったというのです。

つまり、前もって自分の名前を売り込んでいたということになるのです。しかも、あくまでも「専門分野のホームページ」にしかなりませんから、勤めている会社の規定(副業の禁止等)に引っかかる心配もありません。

独立準備のコツ2. ビジネスモデルや料金体系について考える

drawing businss concept

佐々木:フリーランスとして、どういったビジネスモデルでいこうかっていうのは、考え抜きました。独立して成功した人の本を何度も読み直し、実際に会って話を聞いたりして、具体的なメニューをつくっていきました。

見切り発車では、いかなる独立も成功はしません。特に根幹となるビジネスモデルや料金体系についてはきちんと決めてからでないとビジネスを始めることはできません。

そして事前にどこまでシミュレーションをしていても、実際に独立してみると、ほとんど思い通りにすすむことはなく、アテにしていたクライアントからの売上が見込めないことも少なくありません。

しかしビジネスモデルについては自分でビジネスをやる以上、ずっとついてまわることなので、じっくり考えた経験は決して無駄になりません。時間のあるうちにいろんな想定をしておいてください。

独立準備のコツ3. 独立後に必要になる知識とスキルを身につける

Setting the page on fire with some hard work

佐々木:実務で今までやっていたから、大抵のことは理解しているつもりでしたが、いざそれを人に伝えようとすると、結構知らないことが多いのに気がつきました。独立したら隣の人に気軽に聞くことはできなくなりますので、何事もすべて自分で調べて解決する必要があります。

独立するにあたっては自分の得意分野を活かしたものであれば成功の確率は高くなるでしょう。しかしながら、「会社員」と「事業主」は大きく異なるということを理解しなければなりません。

例えば、料理が得意な人がいたとして、レストランを開店、経営していくのに料理のスキルがあれば十分でしょうか?もちろんそれだけでは不十分ですね。

店舗に関連する法律を学び、お金を取れるような商品(料理)の開発、従業員の雇用、教育など、まずはどんな知識やスキルが必要なのか、洗いざらいリストアップするところからはじめる必要があります。

場合によっては習得のために教材などを購入することも。もし、知識やスキルの習得に時間がかかるのであれば、退職までの時間を延ばす必要もあるわけですから、最優先で取り掛かりたいですね。

独立準備のコツ4. 会社以外からの収益を作り、お金を稼ぐ経験をする

Shopping people at market stalls of vintage book fair

佐々木:副業は禁止でしたが、こっそり副業サイトに登録してお金を稼いだり、オークションでの転売とか、いろいろなことをやってお金を自分で稼いでみました。何でもいいので、会社を通さず自分でお金を稼ぐと、大変さが実感でき、うまく稼げるとやっていける自信がついたりするのでおススメです。

今までは会社での業務をこなすことで、給料が自動的に口座に振込まれるというスタイルで働いてきたと思います。

しかし、独立した瞬間から自分で動かない限り1円も入ってきません。それを事前に経験しておくことは、独立にあたって重要な意味を持ちます。なお、会社によっては副業を禁止していることもありますから、社則に反しない程度にとどめましょう。

独立準備のコツ5. 引越しなどの環境づくり

Designer modern home office desk with laptop

佐々木:会社に勤めているときは実家暮らしでしたが、独立前に部屋を借りておきました。PCなどデスク周りの環境を整えて、すぐに仕事ができるようにしました。あと、クレジットカードなども会社にいるうちにつくっておくことをおススメします。

仕事を変えるだけでもかなりの変化、独立するのはそれ以上の変化が伴います。そのため、独立の直前に引越しなどを行ってしまうと、環境の変化が劇的すぎて仕事に集中できなかったり、体調を崩す原因となることもあります。環境を変えるのは想像以上にストレスがかかります。

どこで何が買えるのか、こういった時にはどこに行けば解決するかといった、生活にも仕事にも関わることを前もって調べておくのは有効です。また、仕事用の銀行口座(最近ではネット銀行が流行っています)やクレジットカードも前もってつくっておきましょう。

独立準備のコツ6. 家族や周囲の人達の理解を得る

Young couple internet shopping
佐々木:「俺、仕事辞めて独立するから」って言った時には家族に相当驚かれました。もし、直前になって話していたら猛反対されて、大変なことになっていたと思います。

独立するということは、今まで勤めていた会社を辞める、つまりは今の生活基盤を維持することが困難になる可能性がある訳です。

それだけのリスクを伴う行為ですから、周囲の理解を得ておくことが重要です。もし自分に配偶者や子供がいれば、自分の収入がそのまま家族の生活基盤となるのですから、きちんと納得させられるだけの準備と説明が必要になります。

パートナーに反対されそうであれば、いきなり切り出すのではなく、徐々に前振りをして慣らしていきながら、独立の可能性が十分に理解されたところで話をしてください。

独立準備のコツ7. 人脈の『棚卸』をする

Large Group of Happy People standing together.

佐々木:高校、大学時代の友人や、これまで仕事で会った人などをリストアップして、今後ビジネスで関わりのありそうな人をリストアップして、積極的に自分から連絡するなど、人脈の『棚卸』をしました。実際にここで関係をつなぎ直した人が仕事を紹介してくれて、よいスタートを切ることができました。

現在の自分の交友関係の中で、起業するにあたって取引先になりそうな人、応援してもらえそうな人などをリストアップしておきましょう。

ビジネスは一人では成り立ちません。物を買ってくれる人、商品を作るための材料を売ってくれる人、商売をサポートしてくれる人など、数多くの協力があってこそです。余裕をもって動けるうちに多くの人に会っておきましょう。

1年はアッという間にすぎる

ざっとあげただけでも、今の仕事をしながらこれだけのことをやる必要があります。独立を決めた瞬間から、ボンヤリテレビを見ている時間はなくなるでしょう。それでもやってみたいとい人は自己責任でぜひチャレンジしてみてください。

[文・編集] サムライト編集部